2015年3月28日

3月議会閉会【報告】

温水プール建設予定地
宍粟市でも梅が咲き、だいぶ暖かくなりました。長い間、ブログを更新しておりませんでした。ある理由から息をひそめていました…。(とか言いながら、特にこれと言った理由はありません…。)花粉も飛散しているようですので、目のかゆみや鼻水などに悩んでいらっしゃる方も多いかと思います。花粉症の方は、少しの間の辛抱です。お大事にしてください…。
 宍粟市でもこの春、幼稚園、保育所、小学校、中学校、高校と “卒園” や “卒業” という節目を迎えた人たちがたくさんいます。進学、転勤、人事異動など新たなスタートラインに立った人たちもたくさん…。3月末の宍粟市の人口がどうなっているか…残念なことに “増える” ということはなく、どこまで減ってしまうのか心配です。
 また幼稚園、小中学校の休園、閉校などもたくさんありました。人口減、過疎化、少子化、財政難…時代の流れ、仕方がない…この論調には疑問があります。いつも過去、現在の犠牲になるのは “未来” です。今の自分さえ良ければ良いというのは “人間の潜在的な本能” なのでしょうか?それとも、そういう本能丸出しの人たちが、暮らしに関わる意思決定をしていることの問題なのでしょうか?良く分かりませんが、絶対に “仕方がない” ことではないはずです。無作為も含めて、何かをしてきた結果でしかないのでは?少なくとも私はそう思います。

 ブログが更新できなかった理由でもあるのですが、3月議会が2日に開会し、25日に閉会しました。平成27年度予算の審議もありました。初めて予算委員会に所属したこともありとにかくあっという間の1ヵ月でした。そして、地方自治に対する自分の無力、住民の無関心を痛感した1ヵ月でした。いろいろありましたがその都度、ブログに公開するだけの技量がありませんでした。何回かにわけ、遡って報告していきたいと思います。
 まずは、3月議会最終日に提出した平成27年度一般会計予算に対する “修正案” の、提案理由の説明原稿をアップします。是非、全国の自治体議員の皆さんも含めてご批判頂きたいと思います。(一部、修正しましたが、意図は変わっておりません。)
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 第38号議案 平成27年度宍粟市一般会計予算に対する修正動議を、地方自治法第115条の3及び会議規則第17条の規定により、別紙修正案を賛成者3名とともに提出します。

 修正の概要ですが、千種B&G海洋センタープールの温水化の見直しによる減額、また今年度で閉校となる野原小学校に整備予定の教育研修所に関わる予算の減額を行なうものです。これにより一般会計の歳入歳出ともに、4億500万円減の243億3,250万円となります。

 歳入では、県補助金である木質バイオマス利用施設等整備補助金3,021万円のうち、千種B&G海洋センタープールへのペレットボイラー導入に係る2,850万円を減額します。また、教育研修所整備事業に係る過疎債の3,500万円を削除し、千種のB&G海洋センタープール整備に係る過疎債を3億4,150万円減額し、5,500万円とします。

 千種のB&G海洋センタープールの建設についてはB&G財団修繕助成交付金3,000万円と合わせて規模はこれまでと同等で、バリアフリー等、高齢者、障がい者、幼児の利用に考慮した屋内プールを想定し、当初予算では8,000万円を計上します。

 野原小学校の利活用については、地域住民の意向を反映した全体の整備計画を策定し、一体的な利活用を進めることが必要です。その計画が定まった後、補正等で対応することもやむなしと考えます。全体計画がないまま、教育研修所に係る部分のみをとりあえず整備してしまうことによる無駄を省き、利活用の幅を狭める危険性を除去します。

 この修正により、市債の発行予定は3億7,650万円減の32億8,780万円となり、それでも一般会計における起債額が償還見込額を6,649万円上回ってしまいますが、起債発行額は前年度と比較して850万円の増に抑えられます。結果、一般会計における平成27年度末の起債残高は、324億5,175万4千円となり、市民一人当たりの負担額は平成26年度と比較してほぼ同額となります。

 先日の予算決算常任委員会でも同様の提案をしていますが、その際、工事費8,000万円の根拠について質疑がありました。B&G財団修繕助成交付金の申請、交付決定を受けた段階でB&G海洋センターの名称を使用しなければならないこと、この交付金を辞退できないことを市当局は認識していたはずですが、総工事費の7%程度の出資で、B&G海洋センターの名称を使用することは、納税者である市民に説明がつきません。また、2ヶ月の使用に8,000万円では1ヵ月あたりの工事費がかかりすぎもったいないとの意見もありましたが、利用計画においてこの2ヵ月に全体の34%に当たる4,805人の利用が予定されており、受益者数との関係においては効果的と考えます。そして、全国のB&G海洋センターの状況を見ると、B&G財団より無償譲渡された施設を全て取り壊し、ゼロから建て直している例はありません。どこの自治体も譲渡を受けた資産のうち利用できる部分を残し、修繕助成交付金等を使って大規模改修を行なっています。この修繕助成交付金が、修繕費の1/2補助、上限3,000万円という性質を持っていることからもそれは明白です。認定こども園、図書館を合わせた一体的な計画のもとに千種小学校南側の整備がなされていれば、昨年の8月まで使用されていたプールの全て取り壊す必要もなかったと考えられます。8,000万円程度の工事費で抑えて頂かないとすべてにおいて説明がつかないという理由からの予算であることを認識して頂きたいと思います。

 一昨日の予算決算常任委員会では、この修正案は否決されましたが、これまで委員会と議会(本会議)で異なる決定がなされていることも鑑み、地方自治体における二元代表制の一翼を担う議会の権能、また議員各位の適正な判断に基づき、この修正案に賛同頂きますようお願い申し上げます。   
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 結果は、反対13、賛成4で “否決” となりました。反対討論もなく…。原案の賛成討論(あれは修正案に対する反対討論ではなかったのか?)では、この温水プールについて、地域の方々は「待ち望んでる」ということでしたので、そんな重要な施設の建設にストップをかけるような修正案は “否決” されて当然ですね。

2015年3月3日

明らかになったこと【雑談】

宍粟市では、3月議会が始まりました。平成27年度予算の審議もあります。なんか神戸新聞では、育児世代の定住促進、子育て応援予算!みたいな見出しで紹介されていましたが…まぁ良いでしょう。それは包装紙レベルの話…箱の中味は何だろう?予算審議で明らかにしていきましょう。今回から予算審議もケーブルテレビで中継されますので皆さんも人口40,616人、総額462億円の予算の中味をしっかり見守ってください。しかし、年度末…4月には人口40,616人(2月28日現在)がどうなっているのか?昨年の同じ時点では、41,293人だったので、1年で677人減、1ヶ月平均で56.4人…。平成24年度は、1年間で377人減、平成25年度は、611人減…人口減少は加速しています。何とかしなければなりません。(ちなみに平成27年は5年に一度の国勢調査の年です。平成22年の国勢調査では、40,938人でしたが、予測では38,537人となっています。平成12年、合併前の国勢調査では旧4町あわせて45,460人だったのですが…。)

 今回は久しぶりの【雑談】モードです。実は1月21日に会派「グローカルしそう」の会報が市内全域に配布されたのですが、それについてどなたか(私たち以外の全会派)が市民からお叱りを受けたと言うのです。本当かな〜市民って誰?私達の周り、またその後に開催した市民懇談会でもどちらかと言えば好意的な意見しか聞こえてきませんでしたが…そこで、先日の議員協議会では “謝罪” と “撤回” の要求がなされました。どこが引っかかったかと言うと、二度に渡る補正で当初予算より1億円以上の増額になった幼保一元化施設の建設に関わる審議過程を報告した一文です…「市の政策をただ単に受け入れるだけでなく、その事業が、適正・公正になされているかどうか批判し、監視することが必要です。しかし、宍粟市の議会は今、議会の役割を果たしておりません。本来の役割を果たすためには、皆様の目で判断していただくことが重要です。」(原文、下線は私が引きました。)この議会が役割を果たしていないというところがどうも気に食わないんですね。“謝罪” と “撤回” についてのやりとりの中で、じゃあ議会の役割は何だと思うのですか?との同僚議員(この文章を書いた本人)の問いかけに対して大先輩は、①議決すること、②行政のチェック、③市政を停滞させないことだとのお答えでした。市政が停滞したら議会が役割を果たしていないと言われても良いのだそうです。この3つを合わせて考えれば…執行部(市長)が提案してきたものには、いろいろと意見は言うが、最終的には可決していく…。ここが “明らかになった” ことです。と言うか残念ながら明らかになってしまいました。しっかり審議して議決しているのだから、役割は果たしていると言い切って欲しかったですね。市政が停滞するしないで役割を果たしているかどうかを判断していることを大きな声で宣言してしまったのですから…。まちの進む方向や持続可能性、適切な税金の使い方、住民の声を市政に反映させることなんかはどうでも良いのです。だから議会が役割を果たしていないって言っているのですよ。そして、私たちも議会の構成員なわけなので、自戒の念が込められているのです。

 他の場面で執行部から示される議案や資料の間違いや訂正が多い…とある議員が問題視しました。職員数が減ったからチェックが甘い?人数がいればダブル、トリプルでチェックできるのに…いやいや、この件は、今期が始まってすぐに指摘していますし、これまでも再々求めていることですが、2年経っても改善されないのは行政と議会の間に緊張感がないことの現れでしかないのでは?議会側から見れば甘く見られている結果でしかないのです。だってそうでしょ?執行部から言えば、事前評価もしていない大型事業の予算がやすやすと通る、制度設計が不十分な事業も(いろいろ言われるけれど)最終的には執行できる、委員会で否決された議案でも本会議で可決される…こんな現状で緊張感なんて保てるはずがありません。集められた税金は、賭けに使うわけにはいきません。投資的な要素が強いものについては、相当なシュミレーション、事前評価が必要だと思います。ハコモノは地域活性化の起爆剤なんかにはなりませんから…。

 今回掲載した写真は、最近読んだ本です。左『農山村は消滅しない』(岩波新書)小田切徳美著、右『地域再生の罠ーなぜ市民と地方は豊かになれないのかー』(ちくま新書)久繁哲之介著。どちらの本も「やっぱりそうですよね〜」って言う感じのことが多かったです。そして、宍粟市がそれとは逆の方向に進んでいるとも感じました。