温水プール建設予定地 |
宍粟市でもこの春、幼稚園、保育所、小学校、中学校、高校と “卒園” や “卒業” という節目を迎えた人たちがたくさんいます。進学、転勤、人事異動など新たなスタートラインに立った人たちもたくさん…。3月末の宍粟市の人口がどうなっているか…残念なことに “増える” ということはなく、どこまで減ってしまうのか心配です。
また幼稚園、小中学校の休園、閉校などもたくさんありました。人口減、過疎化、少子化、財政難…時代の流れ、仕方がない…この論調には疑問があります。いつも過去、現在の犠牲になるのは “未来” です。今の自分さえ良ければ良いというのは “人間の潜在的な本能” なのでしょうか?それとも、そういう本能丸出しの人たちが、暮らしに関わる意思決定をしていることの問題なのでしょうか?良く分かりませんが、絶対に “仕方がない” ことではないはずです。無作為も含めて、何かをしてきた結果でしかないのでは?少なくとも私はそう思います。
ブログが更新できなかった理由でもあるのですが、3月議会が2日に開会し、25日に閉会しました。平成27年度予算の審議もありました。初めて予算委員会に所属したこともありとにかくあっという間の1ヵ月でした。そして、地方自治に対する自分の無力、住民の無関心を痛感した1ヵ月でした。いろいろありましたがその都度、ブログに公開するだけの技量がありませんでした。何回かにわけ、遡って報告していきたいと思います。
まずは、3月議会最終日に提出した平成27年度一般会計予算に対する “修正案” の、提案理由の説明原稿をアップします。是非、全国の自治体議員の皆さんも含めてご批判頂きたいと思います。(一部、修正しましたが、意図は変わっておりません。)
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第38号議案 平成27年度宍粟市一般会計予算に対する修正動議を、地方自治法第115条の3及び会議規則第17条の規定により、別紙修正案を賛成者3名とともに提出します。
修正の概要ですが、千種B&G海洋センタープールの温水化の見直しによる減額、また今年度で閉校となる野原小学校に整備予定の教育研修所に関わる予算の減額を行なうものです。これにより一般会計の歳入歳出ともに、4億500万円減の243億3,250万円となります。
歳入では、県補助金である木質バイオマス利用施設等整備補助金3,021万円のうち、千種B&G海洋センタープールへのペレットボイラー導入に係る2,850万円を減額します。また、教育研修所整備事業に係る過疎債の3,500万円を削除し、千種のB&G海洋センタープール整備に係る過疎債を3億4,150万円減額し、5,500万円とします。
千種のB&G海洋センタープールの建設についてはB&G財団修繕助成交付金3,000万円と合わせて規模はこれまでと同等で、バリアフリー等、高齢者、障がい者、幼児の利用に考慮した屋内プールを想定し、当初予算では8,000万円を計上します。
野原小学校の利活用については、地域住民の意向を反映した全体の整備計画を策定し、一体的な利活用を進めることが必要です。その計画が定まった後、補正等で対応することもやむなしと考えます。全体計画がないまま、教育研修所に係る部分のみをとりあえず整備してしまうことによる無駄を省き、利活用の幅を狭める危険性を除去します。
この修正により、市債の発行予定は3億7,650万円減の32億8,780万円となり、それでも一般会計における起債額が償還見込額を6,649万円上回ってしまいますが、起債発行額は前年度と比較して850万円の増に抑えられます。結果、一般会計における平成27年度末の起債残高は、324億5,175万4千円となり、市民一人当たりの負担額は平成26年度と比較してほぼ同額となります。
先日の予算決算常任委員会でも同様の提案をしていますが、その際、工事費8,000万円の根拠について質疑がありました。B&G財団修繕助成交付金の申請、交付決定を受けた段階でB&G海洋センターの名称を使用しなければならないこと、この交付金を辞退できないことを市当局は認識していたはずですが、総工事費の7%程度の出資で、B&G海洋センターの名称を使用することは、納税者である市民に説明がつきません。また、2ヶ月の使用に8,000万円では1ヵ月あたりの工事費がかかりすぎもったいないとの意見もありましたが、利用計画においてこの2ヵ月に全体の34%に当たる4,805人の利用が予定されており、受益者数との関係においては効果的と考えます。そして、全国のB&G海洋センターの状況を見ると、B&G財団より無償譲渡された施設を全て取り壊し、ゼロから建て直している例はありません。どこの自治体も譲渡を受けた資産のうち利用できる部分を残し、修繕助成交付金等を使って大規模改修を行なっています。この修繕助成交付金が、修繕費の1/2補助、上限3,000万円という性質を持っていることからもそれは明白です。認定こども園、図書館を合わせた一体的な計画のもとに千種小学校南側の整備がなされていれば、昨年の8月まで使用されていたプールの全て取り壊す必要もなかったと考えられます。8,000万円程度の工事費で抑えて頂かないとすべてにおいて説明がつかないという理由からの予算であることを認識して頂きたいと思います。
一昨日の予算決算常任委員会では、この修正案は否決されましたが、これまで委員会と議会(本会議)で異なる決定がなされていることも鑑み、地方自治体における二元代表制の一翼を担う議会の権能、また議員各位の適正な判断に基づき、この修正案に賛同頂きますようお願い申し上げます。
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結果は、反対13、賛成4で “否決” となりました。反対討論もなく…。原案の賛成討論(あれは修正案に対する反対討論ではなかったのか?)では、この温水プールについて、地域の方々は「待ち望んでる」ということでしたので、そんな重要な施設の建設にストップをかけるような修正案は “否決” されて当然ですね。