なかなかその実害は表に現れませんので、議会が議論の中で明らかにする必要があります。それが “議会” に求められる監視機能、また説明責任であるはずです。(この頃、こう言ったことを主張するのも疲れる感じです。こうやって議員は軍門に下るというか、白旗を上げるというか、成り行きに任せるというか、慣例に縛られるというか…どんどんとその志が萎えていくのです。きっと…)
自分の感覚を疑う日々
11月から試験運行が予定され、料金、経路とも良い方向に進んでいる(と思っていた)公共交通再編計画…平成26年度末までは、 “委託” という形で話が進んでいました。その大方針に従って再編計画が進行していたはずですが、今年度に入ってその方針は180度方向転換しています。少なくとも私はそう思っていますが、そうは思っていない議員が大半ですし、仮に思っていたとしても仕方がないとか、法的に問題がないならいいでしょって感じです。そもそも再編計画を理解していなかったのかもしれませんが…。
市が整バス停を整備する、今までのコミュニティバスを廃止する、間接的に車両を市が用意する…すべて “委託” を前提になされてきた議論ではないですか?委託料という総額(ここの妥当性は相当な議論がなされなければなりませんが…)が決まっていれば、受託した事業者は、運賃収入を増やし、経費を削減する必要性が発生します。しかし、現在の仕組みでは民間事業者が収入を増やす、経費を削減する必要はありません。現在予定されている仕組みとしては民間事業者が見積もる運営経費と運賃収入の差額は、税金で穴埋めするという仕組みです。例えば、運営経費が2億円かかったとします。そして運賃収入が4,000万円だったら、1億6,000万円は、国や県の補助金を含めて税金で穴埋めされるのです。この運営経費2億円は、固定されているものではなく、変動すると言うのです。民間事業者は、宍粟市内の公共交通だけをしているわけではないので間接経費など線引きが非常に難しいと思いますので、上がることはあっても下がることはないのでは…?もし、運賃収入が3,000万円だったとしても、1億7,000万円は補填されるので、民間事業者にとっては経費削減しなくても、運賃収入を上げなくても経営になんら影響を与えない仕組みになっていませんか?そう考えること自体が間違っているのでしょうか?この感覚自体が世間知らずの馬鹿げた感覚でしょうか?最近、この件に限らず、自分の感覚を疑う日々が続いています。
どう責任を取ろうか?
私は公共交通の再編に関しては、住民の皆さんに嘘の説明をしていたことになります。“嘘” をついてしまったことに対し非難されても仕方がないと思っています。「説明しちゃったんだよね〜どうしよう…」みたいな面子にこだわっているわけでもありません。でもどうやって責任を取ったら良いでしょう?これからどれだけ議論しても、説明してもこの穴は埋めようがありません。(虚偽の説明をしたってことで懲罰?、政倫審?、辞職勧告?)
運行事業者の考え方
11月19日に開催された総務文教と民生生活の連合審査会に提示された計画案(10月10日の地域公共交通会議資料)では、“運行事業者の考え方” として次のように書かれています。(それまでもずーっと “検討中” という報告でした。)
『市内に事業拠点を置くバス事業者及びタクシー事業者等が一体となって地域の公共交通を守る仕組みを今後関係事業者と協議を重ねていく中で考えていく予定です。本市としては関係事業者が一体となった組合や事業者等に市内のバス路線の運行委託を考えています。』
また、10月10日の会議録を見るとある委員から「市が責任をもって運行するといった中には、現在運行しているバス事業者には撤退してもらうということか。」という質問がされている。それに対して事務局は「地域の住民の移動手段は市が責任をもって守っていくという思いで本計画を作っている。現在路線バスは、ウエスト神姫、神姫バスに運行していただいているが、本計画により市の考え方を示したうえで今後運行事業者と協議に入っていきたい。」との回答をしています。
となると…平成26年12月22日と27年2月23日に地域公共交通会議が開かれていますので、そこで議論(ではなくあくまで報告ですね。)がなされたはず。しかし、この2回の会議録を見ましたが、そのあたりは明確には報告がなされていません。
公共交通再編計画は平成27年3月18日〜4月16日までパブリックコメントにかかっていましたが、その直前、3月4日の総務文教常任委員会に提示された計画案には、
『運行事業者は、民間事業者の運行実績・ノウハウを最大限活用し効率的な路線運営を図りながらバス事業を安定的に運営し、サービスの維持・向上に取り組むことができる一般乗合旅客自動車運送事業の許可を受けている民間事業者とします。』
と書かれています。この11月19日〜3月4日の間にどこかで方針の転換、重要な決定がなされていたのです。「それを見逃したお前が悪い!」と言われれば…何も言えません。言い訳をするわけではありませんが、市はこの再編計画に対する “議会” の役割(立ち位置といったほうが正確かな?)として10月10日の会議の中でこう言い切っています。ある委員の質問「再編計画について最終的に議会の承認がいるのか?」、そしてある委員の回答「公共交通再編計画は、議会の議決項目ではない。ただ、議会でも公共交通調査特別委員会が設置されて検討された経緯もあるため、総務文教を窓口として密に報告し、理解を求めていきたいと考えている。計画自体の承認はこの公共交通会議が最高議決機関という位置づけでご理解願いたい。」おそらく委員の発言ではなく、会長(副市長)か事務局の発言だと思いますが…。まぁこの立ち位置の議会があーだ、こーだ言っても屁のツッパリにもなりません。話が違う!関連予算を認めない!なんてこともしないでしょうし…。
バスに乗るしーたん(公共交通再編計画の表紙より) |