2015年8月25日

説明責任【議論】

 宍粟市では、公共交通の再編、企業誘致、観光ステーション建設、幼保一元化、温水プール建設…と大きな政策が進んでいます。しかしどれも大きな課題を抱えています。どれも外部との交渉で不利な条件を飲まされているのでは?という感じです。納税者である市民、受益者である住民にとって不利な条件ではありますが、裏を返せば一部にはそれが有利な条件になる方々がいらっしゃるということなのですよね。いったい誰なのでしょう?
 なかなかその実害は表に現れませんので、議会が議論の中で明らかにする必要があります。それが “議会” に求められる監視機能、また説明責任であるはずです。(この頃、こう言ったことを主張するのも疲れる感じです。こうやって議員は軍門に下るというか、白旗を上げるというか、成り行きに任せるというか、慣例に縛られるというか…どんどんとその志が萎えていくのです。きっと…)

自分の感覚を疑う日々
 11月から試験運行が予定され、料金、経路とも良い方向に進んでいる(と思っていた)公共交通再編計画…平成26年度末までは、 “委託” という形で話が進んでいました。その大方針に従って再編計画が進行していたはずですが、今年度に入ってその方針は180度方向転換しています。少なくとも私はそう思っていますが、そうは思っていない議員が大半ですし、仮に思っていたとしても仕方がないとか、法的に問題がないならいいでしょって感じです。そもそも再編計画を理解していなかったのかもしれませんが…。
市が整バス停を整備する、今までのコミュニティバスを廃止する、間接的に車両を市が用意する…すべて “委託” を前提になされてきた議論ではないですか?委託料という総額(ここの妥当性は相当な議論がなされなければなりませんが…)が決まっていれば、受託した事業者は、運賃収入を増やし、経費を削減する必要性が発生します。しかし、現在の仕組みでは民間事業者が収入を増やす、経費を削減する必要はありません。現在予定されている仕組みとしては民間事業者が見積もる運営経費と運賃収入の差額は、税金で穴埋めするという仕組みです。例えば、運営経費が2億円かかったとします。そして運賃収入が4,000万円だったら、1億6,000万円は、国や県の補助金を含めて税金で穴埋めされるのです。この運営経費2億円は、固定されているものではなく、変動すると言うのです。民間事業者は、宍粟市内の公共交通だけをしているわけではないので間接経費など線引きが非常に難しいと思いますので、上がることはあっても下がることはないのでは…?もし、運賃収入が3,000万円だったとしても、1億7,000万円は補填されるので、民間事業者にとっては経費削減しなくても、運賃収入を上げなくても経営になんら影響を与えない仕組みになっていませんか?そう考えること自体が間違っているのでしょうか?この感覚自体が世間知らずの馬鹿げた感覚でしょうか?最近、この件に限らず、自分の感覚を疑う日々が続いています。

どう責任を取ろうか?
 私は公共交通の再編に関しては、住民の皆さんに嘘の説明をしていたことになります。“嘘” をついてしまったことに対し非難されても仕方がないと思っています。「説明しちゃったんだよね〜どうしよう…」みたいな面子にこだわっているわけでもありません。でもどうやって責任を取ったら良いでしょう?これからどれだけ議論しても、説明してもこの穴は埋めようがありません。(虚偽の説明をしたってことで懲罰?、政倫審?、辞職勧告?)

運行事業者の考え方
 11月19日に開催された総務文教と民生生活の連合審査会に提示された計画案(10月10日の地域公共交通会議資料)では、“運行事業者の考え方” として次のように書かれています。(それまでもずーっと “検討中” という報告でした。)

『市内に事業拠点を置くバス事業者及びタクシー事業者等が一体となって地域の公共交通を守る仕組みを今後関係事業者と協議を重ねていく中で考えていく予定です。本市としては関係事業者が一体となった組合や事業者等に市内のバス路線の運行委託を考えています。』

 また、10月10日の会議録を見るとある委員から「市が責任をもって運行するといった中には、現在運行しているバス事業者には撤退してもらうということか。」という質問がされている。それに対して事務局は「地域の住民の移動手段は市が責任をもって守っていくという思いで本計画を作っている。現在路線バスは、ウエスト神姫、神姫バスに運行していただいているが、本計画により市の考え方を示したうえで今後運行事業者と協議に入っていきたい。」との回答をしています。

となると…平成26年12月22日と27年2月23日に地域公共交通会議が開かれていますので、そこで議論(ではなくあくまで報告ですね。)がなされたはず。しかし、この2回の会議録を見ましたが、そのあたりは明確には報告がなされていません。

 公共交通再編計画は平成27年3月18日〜4月16日までパブリックコメントにかかっていましたが、その直前、3月4日の総務文教常任委員会に提示された計画案には、 

『運行事業者は、民間事業者の運行実績・ノウハウを最大限活用し効率的な路線運営を図りながらバス事業を安定的に運営し、サービスの維持・向上に取り組むことができる一般乗合旅客自動車運送事業の許可を受けている民間事業者とします。』

と書かれています。この11月19日〜3月4日の間にどこかで方針の転換、重要な決定がなされていたのです。「それを見逃したお前が悪い!」と言われれば…何も言えません。言い訳をするわけではありませんが、市はこの再編計画に対する “議会” の役割(立ち位置といったほうが正確かな?)として10月10日の会議の中でこう言い切っています。ある委員の質問「再編計画について最終的に議会の承認がいるのか?」、そしてある委員の回答「公共交通再編計画は、議会の議決項目ではない。ただ、議会でも公共交通調査特別委員会が設置されて検討された経緯もあるため、総務文教を窓口として密に報告し、理解を求めていきたいと考えている。計画自体の承認はこの公共交通会議が最高議決機関という位置づけでご理解願いたい。」おそらく委員の発言ではなく、会長(副市長)か事務局の発言だと思いますが…。まぁこの立ち位置の議会があーだ、こーだ言っても屁のツッパリにもなりません。話が違う!関連予算を認めない!なんてこともしないでしょうし…。
バスに乗るしーたん(公共交通再編計画の表紙より)

2015年8月21日

この夏、考えたこと【議論】

宍粟市はもう秋の装いです。お盆開けにはもの凄い雨が降りました。しかし、その後の宍粟市は朝夕は肌寒く感じる日があるほど…。田んぼには赤とんぼが舞い、稲がだいぶ成長し頭を垂れています。猛暑、雷雨の次は台風に注意が必要です。太平洋上にある2つの台風、今後の動きに注意しましょう。

この夏…
 いつもとそんなに変わらない “夏” …。いつもよりチョッと暑かったかな?「暑いなぁ〜川で泳ごう!」って感じで、今夏はよく泳いだなぁ〜とってもとっても気持ち良かった。70年前の夏はどうだっただろう?今年は、集団的自衛権、安保法制、原発再稼働…。いろいろ考えることが多かった。過去形ではなく、現在進行形ですね。甲子園での高校野球も終わり、9月議会に向けていろいろと準備で忙しくなります。9月議会も3回目…“議員” の仕事についてもいろいろ考えることが多い夏でした。考え、行動すればするほど虚しくなっていく “議員” って仕事は一体なんなのでしょう?やはり、ある一定地域、ある特定の人や団体の要望をコツコツと行政に伝え、叶えていくことが “議員” の仕事なのでしょうか?全体の奉仕者…日本国憲法15条2項「公務員はすべて国民全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではない。」でしたよね。とか言いながら、この国で「憲法では…」って言うことも虚しくなってしまう…。そんな夏でした。

驚いたこと
 前回のブログで『この“まち”の危機』についての私見を書かせていただきました。少しずついろいろなことが見えてきました。公務執行妨害による職員の逮捕、学校給食への異物混入、入札での予定価格の入力ミス…今回の“負”の部分は氷山の一角です。
 学校給食への異物混入…散弾銃の弾の破片が鹿肉に入っていたという驚くべき事実も明らかになりました。駆除した有害鳥獣の利活用…子どもたちをそんな危険な状況においてまですることでしょうか?対応として弾(鉛)を発見するために給食センターへ鹿肉を卸している事業者がレントゲンのような装置を置くそうです。しかし、ある議員はそんな装置を置かなければならないとなるとある特定の業者のところかでしか鹿肉を扱えなくなるから、産業振興という面では問題がある…そのような趣旨の発言をされました。

勉強不足
 私は先輩議員から勉強不足を指摘されたり、いろいろと教えていただいたりと自分の “勉強不足” を実感する機会がたくさんあります。今日も大先輩から勉強不足を指摘されました。そして “事前審査の禁止” ということについて先輩に教えていただきました。議会では議案として上程されるであろう案件については、事前に議会内で協議してはいけないみたいなニュアンスでこの “事前審査” という言葉が登場します。宍粟市では、第二次総合計画が12月議会に上程される予定なのですが、その総合計画について各委員会で議論し、何らかの提案をすることを予定しているのですがある先輩議員は「事前審査に当たる可能性があるので、すべきではないのでは?」とおっしゃるのです。私はいわゆる与党会派(市議会には与党も野党もないはずですが…)やある特定の議員と首長の間で事前に、秘密裏にやりとりが行われるようなことを “事前審査” というふうに呼ぶのだと思っていましたがどうやら違うみたいなのです。

私が知りたいこと
 そもそもこの “事前審査” というのが何を指すのか?何を根拠にそれを禁止しているのか?がよくわかりません。地方自治法に “事前審査の禁止” が明文化され、記載されているわけではありませんし…。地方自治法第115条「普通地方公共団体の議会の会議は、これを公開する。但し、議長又は議員三人以上の発議により、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。」の会議公開・議事公開の原則から、議案を審議する前に非公開、全文議事録のない場所で議員が審議することを禁止するというものらしいのです。また平成20年に地方自治法が改正されたことでだいぶその解釈が変わってきているらしいのです。その点でご指導いただいた先輩は、もちろん平成20年以前より議員をされております。私たちが使っている「議員必携」という本(議員になると「勉強しなさい!」って感じで渡される本)は、平成24年に改訂がなされており、そのあたりの記述がゴロッと変っているらしいので、もしかしたら改訂以前の議員必携を元にご指導いただいるのかもしれません。
 ちょっと調べると…「これまで全員協議会(宍粟市の場合は議員協議会?)は正式な会議ではなく、公開が決まっているわけでもなく、また議事録も全文議事録ではなかったため、あくまで非公式な場であり、上程されるであろう議案に関係するような質疑は “事前審査の禁止” に該当するとされた。」という説明が出てきました。そして平成20年の地方自治法第100条に第12項「議会は、会議規則の定めるところにより、議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場を設けることができる。」という規定が加わったことにより、会派代表者会議や全員協議会はその議会の会議規則により、正式に議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うことができるようになったらしいのです。委員会は、どう考えても公式な場なのでそれほど気にすることもないのではないでしょうか?非公式な場で審査が行われることはあってはならないのは誰でも理解できます。非公開、全文議事録のない場所で議員が審議することを禁止…裏でコソコソと取り引きするな!公式の場で正々堂々と議論せよ!ということですね。ちょこっと調べただけなので、間違っているかもしれませんが…。

 最後に今回の写真は、宍粟市の北部にある音水湖(引原ダム)にある案内マップです。ここには、湖の底に村が沈んだこと、戦争で途中工事が中止になったこと、水入れの前夜には住民が涙しながらお酒を飲んだことなど、湖の歴史が書かれています。ある人たちの利益のために負担を強いられる人たちがいるのは、今も昔も変わりないのですね。この案内マップを作ったのは、市の最高規範である自治基本条例にうたわれていながら、条例改正の議論の前に(ある一部の利益のために…少なくとも私はそう思っています。)解散させられてしまった “まちづくり協議会” が作ったものだというのも皮肉なものです。

2015年8月12日

この “まち” の危機【議論】

 宍粟市でも、猛暑が続いています。最近は、夕立がありそれから比較的涼しくなりました。朝夕は肌寒いくらい…でもまだまだ暑い日が続いています。地元産の夏野菜を食べて乗り切りましょう!
地域包括ケア講演会のようす
前回のブログ更新からだいぶ時間が経ってしまいました。スケジュール帳を見返すとこれまでに…地域包括ケアの勉強会、常任委員会とそれに続く国保の勉強会、第二次総合計画の審議会、総合教育会議、地域創生戦略会議、タウンミーティングなどなど…そして、地域の行事ごともたくさんありました。いろいろな “まち” の将来に関する会合が続きましたので、“まち” づくりの方向性を確認するとともに市民の声を聴く機会にできれば…という思いでできる限り傍聴させていただきました。しかし、会議のメンバーの中には議員の傍聴を快く思わない方もいらっしゃるとのこと…。行かなければ行かないで「サボっている」と言われるし、行ったら行ったで「議論に制約がかかる…邪魔」みたいなことも言われます。別に何を言われてもあまり気にしないタイプ(実際はもっと言って!くらいに思っていますが…)の私としては聞き流せるのですが、気になるタイプの方にとっては、表立って何もしないという選択をしてしまいがち?議員にも市民にもいろいろな考え方があり、それが民主主義の良いところでもあると思うのですが…。

新聞報道などから
 臨時会(7月10日)から、これまでの間に宍粟市の “負” の部分が新聞などで数多く報道されました。公務執行妨害による職員の逮捕、学校給食への異物混入、入札での予定価格の入力ミス…。報道はされていませんが、6月末から約2週間、住基ネットが国や県から遮断されたということもありました。前述の入札での予定価格の入力ミスというのは、このネットワークが遮断されていた間に執行された入札で起こったことです。詳細な報告を求めている最中ですが、どうやらネットワークが遮断されていることで、市役所内では開札ができず、不慣れな別の場所で開札が行われ、そこでミスが起こっているようです。入札って何億円もかかる工事をどこに発注するかが決まるようなとってもデリケートなもの…予定価格は機密中の機密…ほんとに大丈夫?税金が無駄に支出されていない?ネットワークが遮断されたそもそもの原因は職員の操作ミスだそうです。なんか緩んでいる雰囲気が感じられ、原因は “職員の単純なミス” など職員個人の問題で片付けられない、組織として根深いものがあるように思います。徹底的な原因究明を “議会” がしなければならないのですが、“議会” は組織としては、こういうことに関してなかなか動かない変わった組織だということを身をもって体験しています。…と議会に対する不平、不満をぶちまけたところで何も解決しませんので、徹底的に追求していきます。言っておきますが、職員個人というより、組織や行政という仕組みに問題があると思っていますので、結局は議会(もしかしたら市長もかな?)の問題に還ってくるように思います。あっ、だからか “議会” がこういう問題に関してなかなか動かないのは…。自分達の無能ぶりを自分達で証明することになるのですから…。

議会なんていらない
 議員になって2年とちょっと…何度も何度も “議会なんていらない” と思いました。市民から定数や報酬の問題と絡めて批判的に言われることもありますし、議員の発言、行動からヒシヒシと感じることもあります。議会(議員)が提案しても執行部は何も動かないのに、ある一部の(力がある?しがらみガチガチの?)市民が同様の提案をしたらすぐに動く…。(そこに次の選挙が見え隠れするからまたタチが悪い。)そのことに対して議会は何も言わない…。確かにどんな状況であれ “まち” が良くなれば、市民の生活が充実すればそれで良い(誰の手柄か?なんて小さなことにこだわるのは私の美学に反するので特にそう思うのかもしれませんが…)とは思いますが、今回のように “負” の部分に関しては別です。今回の件に限らずこういった “負” の部分について、議会に報告が上がってこないなんてザラにあります。議員が新聞報道でこういった事実を知るなんてこともザラにあります。こんな状況だから、議会なんてあってもなくてもいいんだ… “まち” は動くんだって思うのです。先輩議員が「議会とは議決して市政を停滞させないことが役割だ」って言っていたのを思い出しました。そういう意味では役割を果たしていますね。

市民に注目して欲しいこと
 最近起こったいろいろな “負” の部分…。これから原因分析、再発防止策、処分などが明らかになってきます。ぜひ注目していただきたいと思います。給食への異物混入では、新聞に “建物の老朽化原因?” ってわざわざ “?” つきで報道されました。これは、異物混入という結果とその原因が結びついていないって言われているようなものです。虫、髪の毛、スポンジ、ゴム手袋の切れ端、長さ約1cmのアルミ片…現在のところ、異物混入の原因として、建物が老朽化しておりサッシに隙間がある、照明が暗い…だから給食センター建て替えましょう!とか設備を更新しましょう!って言いたいのでしょうか?こんな原因分析しかできない組織に対して、議会も教育委員会も原因究明と再発防止を求めるだけで良いのでしょうか?物事の本質に迫ろうとしないという意味での “隠蔽体質” …。これこそが、この “まち” の危機なのかもしれませんね。