2016年12月28日

2016年を振り返る【雑談】

宍粟市では、昨夜から今朝にかけ雪が降りました。多いところでは30cmほど積もったようです。それでも自然雪のスキー場オープンには、まだ足りないようです。お正月までにもうひと降りを期待しています。年末、インフルエンザやノロウィルスによる感染性胃腸炎が流行しているようです。皆さんご注意ください。

2016年を振り返る
 年末の恒例行事といえば…年賀状を書くことでしょうか?議員は選挙区内へ年賀状を出すことは、禁止されています。公職選挙法の第147条の2では、「公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)は、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域)内にある者に対し、答礼のための自筆によるものを除き、年賀状、寒中見舞状、暑中見舞状その他これらに類するあいさつ状(電報その他これに類するものを含む。)を出してはならない。」とされています。しかし、私は全国を転々としているので、だいたい50枚くらいは年賀状を書いています。毎年、1年間撮り貯めた写真を年賀状に印刷することになるのですが、「そうそう、あんなことがあったな〜」と“年賀状に載せる写真を選ぶ” という目的を逸脱して、1年間を振り返ることになります…。ということで、2016年をチョット振り返ってみたいと思います。

1月から2月
 何と言っても「修士論文の提出と報告会」が大イベントでした。宍粟市に引っ越してきたのと同時に、40歳から鳥取大学地域学部の大学院で、“地域学” を学び始めました(これがなければ、議員なんてやっていなかったと思います…)。2年間の休学を挟み、5年間でやっと修了することができました。車で片道1時間半の道のりを通いました。卒業してから鳥取に行くことは無くなってしまいました。
2月
 会派による市民懇談会を市内4会場で行いました。そして、12月議会で “継続審査” になっていた各種証明書をコンビニで受け取ることができるようになるのに伴い、その手数料を窓口より100円低く設定する手数料条例の改正案の審査をしていたのですが、委員会での結論が出た後に議案が撤回されました。私が委員長をしている常任委員会で何度も審査していた案件であり、議案撤回というとても不誠実な対応にはっきり言って腹が立ちました。
3月議会
 幼稚園設置条例の一部改正に対しての “修正案” が可決され、市内(波賀地域)での3歳児教育の条例化ができました。認定こども園の設置に同意しなかったら、3歳児教育(それまでは要綱により実施)をやめますよ…という幼保一元化を進める行政サイドの交渉カードが切れない状態になりました。幼保一元化と3歳児教育は、別次元の話だと私は思っています。
4月
 熊本地震の災害ボランティアに息子と参加しました。いろいろと良い経験になりました。そして、これまで何も知らなかった熊本が好きになりました。まだまだ復興の道半ば…その後は何もできていません。息子はボランティアの経験を校内の弁論大会で発表しました。中学生なりにいろいろ感じるところがあったようです。熊本を応援するとともに熊本に感謝しています。
5月から
 市内での “街頭演説” を始めました。最初は演説の内容、場所など手探り状態でしたが、半年以上が過ぎやっと定着してきました。「見かけたよ」「聞いたよ」という声もいただけるようになりました。
6月議会
 国民健康保険が値上がりしました。国保は全国一律の保険料だと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、市町村が決めています。宍粟市は、兵庫県内でも非常に高い部類に入ります。私の場合(配偶者の所得なし、子ども3人)で、年間53,700円の負担増(年額605,900円)となりました。公務員の方々は、国保じゃないので、国保に加入している庶民の痛みは理解できないでしょうね…。
7月
 児童養護施設の子のホームステイを昨年に続いて受け入れました。受け入れをした子は4歳の女の子、今年は「お父さん」と呼んでくれました。普段は「父ちゃん」なので、ちょっと照れくさい5日間でした。
8月
 今年も甲子園球場に何度も通いました。かつて住んでいたことがある徳島県の代表、鳴門高校の応援に行きました。今夏は準々決勝まで進んでくれましたので、随分と長い間、楽しみました。
9月議会
 平成27年度の決算審査がありました。決算自体には賛成しましたが、決算の中身は酷いものでした。特に市民の自主的、主体的活動を支援する助成金のほとんどが官製団体に支出されていることには、憤りさえ感じました。行政が事務局をしているような団体でなければ、市民活動はできないのか?自治会(地縁団体)の許可がなければ、市民活動はしてはいけないのか?表向きは応募に制限はかかっていませんが、Uターンで帰郷した若者なんかがまちづくりに関わろうと思って、助成金を申請すると事前審査で蹴られることがあります。私が指定管理者の社員だった時に、私が理事を務めるNPOから助成金を申請したことがありますが、何度も申請書の書き直しを指導され、何度も書き直し、受理されたにも関わらず審査のテーブルにのっけられることなく、「申請はなかったことに」された経験があります。そして、税金が二重に支出されることになる(指定管理料のことを言っていたようですが、それはNPOとは別組織です)から申請は不適切だと言われました。きっと当時と状況が変わったのでしょうね。二重にも三重にも補助金、助成金を受け取っている団体がありました。
10月
 市民懇談会(議会報告会)がありました。これまでの議会報告会とは違い、ワークショップ形式で行われました。想定では参加者は一つの会場で30人程度、10人×3つのテーブル、各テーブルに議員が2名というスタイルでした。参加者が少ないところでは、1つのテーブルで行われたところもありました。自分の担当した会場では3つの会場のうち2会場で参加者が少なく、無理やり一つのテーブルで行われ、そこの担当をさせられました。全体で行う趣旨説明も全会場でさせられました。どう考えても不条理です。主担当は広報広聴常任委員会であり、そこには3つの常任委員会から2名ずつが選出されています。そして、議会報告会の各会場には、必ず広報広聴委員会のメンバーが配置されるようになっていましたが、その方たちは何もせず、座っているだけ…押し付けられた感しかありませんでした。
10月末から11月にかけて
 会派で視察に出かけました。今年は、岐阜県立森林文化アカデミー、八百津町のB&G海洋センター温水プール、宮田村、新城市を視察しました。森林文化アカデミーは、今度、宍粟市にできる兵庫県立森林大学校と地域連携の参考に、八百津町は、宍粟市にできた温水のB&Gプールの運営の参考に、宮田村は、耕作放棄地がないことで有名です。宍粟市の耕作放棄地対策の参考に、新城市は、若者議会という仕組みで若者がまちづくりに参加していることで有名です。宍粟市ではほとんど行われていない、若者によるまちづくりの参考になりました。そして、12月議会では初めて本会議場で「政務活動報告会」が行われました。
12月議会
 議員の期末手当アップ、議員定数の削減が決まりました。市長与党会派(自称?)の代表質問に答える形で、現市長の2期目の選挙への出馬宣言も行われました。なんか古〜いなぁと感じましたが、そんなものでしょうか?今、地方自治と言うものは、どんどん進化しています。それと比例して、活性化していると私は見ています。取り残された自治体は、どうなっていくのでしょうか?そんな地方自治体の未来は、消滅でしょうか?そんなことを考えながらの年の瀬です。皆さん、良いお年をお迎えください。

 10年ほど続けているランニング(…と言っても普段はなかなか走り込みができていません)ですが、10km、ハーフ合わせて9つの大会に参加できました。来年2月には、念願のフルマラソン復帰する予定です。姫路城マラソン、完走できれば5回目のフルマラソン完走になりますが、どうなることやら…。

2016年12月23日

12月議会・会派代表質問【雑談】

宍粟市では、風も止み、年末とは思えないほど暖かです。新潟県糸魚川市の大規模火災も、鎮火したとの報道…。しかし、創業350余年の新潟県最古の酒蔵を持つ “加賀の井” 酒造さんが、全焼との報道も…。フェーン現象で乾燥した空気が日本海側に流れ込んでおり、火事が起こりやすい状況もあったようです。約20年前、住んでいた者として、ニュース映像で見る糸魚川駅前(火災現場)は、懐かしい風景でした。私が住んでいたのは、市街地から少し離れた山あいでしたが、駅前にはしょっちゅう出かけていたのでとても残念です。糸魚川は、雪深いところです。年末年始大変でしょうが、支援の手が届くことをお祈りします。私も何かできることがあれば、応援しようと思います。

会派代表質問
 12月議会では、私が所属する会派を代表して、質問をさせていただきました。① 宍粟市の教育(全国学力・学習状況調査と幼保一元化計画)について、② 住民投票条例について、が質問の大きな柱でした。今回は、「① 宍粟市の教育について」代表質問を振り返ってみたいと思います。画像は、平成28年度の「全国学力・学習状況調査」の結果(平均正答率)を、全国1位、全国、兵庫県、宍粟市の4つで比較したものです。〇〇Aというのは、基礎問題。〇〇Bというのは、応用問題と考えてください。全国平均と比較すると、小学生で4.1〜5.5ポイント差があります。中学生では、0.4〜3.3ポイントの差です。全国1位だった自治体と比較すると、小学生で6.2〜10.5ポイント、中学生で4.3〜10.0ポイント差があります。
 この学力調査は、国公立学校では、ほとんどの学校が参加していますが、私学は、約5割しか参加していませんので、私学が参加したら、東京がダントツ1位で平均値もグーンと上がると言われています。実際のところ、宍粟市の子ども達は、“学力” という面では、相当水をあけられているようです。私自身、“学力” が、人間の評価を決める唯一の尺度だとは思っていませんが、「認知スキル」(テストや検査などによって測定される能力)ですので、非常にわかりやすく、比較が容易です。そして、競争を煽る気もありません。これでテスト対策のような授業が横行するようなことがあったら、それこそ問題です。
 教育委員会は、「学力なんてそんなに高くなくても良い。学力が高い子は、大学などへ進学してしまうので、町に残らないし、戻ってこない。それが人口減の要因にもなる」といったニュアンスのことをよく口にします。確かに社会的に影響力のある人たちの「秋田県は小学生の学力テストの結果が1位ですが、それでどんな良いことがあったのか?勉強のできる子を都会に出すばかりで、出生率が特に低く、1村を除いて県内の全自治体がいわゆる “消滅可能性都市” とされてしまった。自殺率も全国でもっとも高い県の1つです。もちろん学力テストの結果が高いから、そうなっていると言いたいわけではないですが、少なくとも学力の高さが地域のプラスになっているとはまったく思えない」という論調があることは確かです。しかし、その先には「夢と希望をきっちり見せる教育、自分に自信を持ち、集団に安心を抱けるようになる教育」、「学力のあるなしだけではなく、その先をどうやって生きていくかという “生きる力” の教育」の重要性を訴えています。これは、「非認知スキル」の重要性を言っているのだと思います。この「非認知能力」は、目には見えない(数値化しづらい)能力ですので、定義が難しいのですが肉体的、精神的な健康、忍耐力、やる気、自信、協調性などを指すと言われています。
 
アクティブラーニング? 
 代表質問では、この学力調査の結果と今、盛んに言われている「アクティブラーニング」との関係性を宍粟市はどう捉えているか、市長、教育長に聞いてみました。今回、議場に持ち込んだのは「ラーニングピラミッド」という、図です。学習の定着率というところは、根拠が不明確で?がたくさんつくような印象ですが、学習形態の分類という点では、わかりやすいのでそれを説明した上で、議論の材料にさせていただきました。文部科学省なんかが、学力が高いと言われる自治体や学校でどんな教育が行われているのか調査し、この「アクティブラーニング」というものにたどり着いたのだと思います。市長がこの件について、自身の見解を示せないのは色々な事情で仕方ないかもしれませんが、教育長もよくわかっていない気がしました。先生方に「アクティブラーニングを研究するように」という指示は出しているようですが、きっと現場の先生方は何をどうして良いか分からないと思います。グループディスカッションや教えあい等をすれば良いのか?それも違うと思います。あまり議論が深まる気配が感じられなかったので、私の考えだけを述べさせていただきました。「もし、アクティブラーニングが効果的だと考えて、その手法だけを取り入れるのは危険である。忍耐力、やる気、自信、協調性(非認知スキル)が育っていないと、また育てようという気がないと、どんどん学習の場から、距離を置く子どもたちが増えてしまい、差が広がると思う。現在の学力調査の結果は、学習形態の問題ではなく、忍耐力、やる気、自信、協調性など(非認知スキル)が育っていないことの方を課題と捉えるべきではないか」と言いたかったのですが、伝わったかどうか…。文部科学省が言っているから、その手法が万能薬だと思うことは危険だということです。後日、神戸新聞に『県教育委員会には、教員から「何をしたらいいのか」との不安の声が寄せられる。「アクティブ(活動的)という言葉のイメージから、単にグループ学習をすればいいと勘違いしている教員も少なくない」と担当者。今月開いたフォーラムでは、専門家が「話し合うだけでなく、従来の講義型や教科書をじっくり読む学びも大切」と指摘。県教委は今後、教員向けの研修を検討している。』との記事が載りました。卵が先か、ニワトリが先かではないですが…非認知スキルを高めることが必要だと思います。学校の授業をたまに見学しますが、学ぶ楽しさや、勉強の仕方みたいなものを教えられないまま、知識だけが押し寄せてくるような感じがします。アクティブラーニング的な活動も目にしますが、そこに参加できない子(置いてきぼり?蚊帳の外?に見える子)は、確実にいます。塾に行かないと学校の勉強が理解できないみたいな状況は、やっぱり考え直さないといけないのではないでしょうか?ここから、幼保一元化、幼児教育の質問に繋がっていくわけですが、それについては時間があれば報告します。

2016年12月22日

12月議会閉会【報告】

 宍粟市は、昨夜から今日にかけて風が強く、時折雨も降っています。これは全国的な状況みたいですね。そんな天候の中、宍粟市波賀町にある “ばんしゅう戸倉スノーパーク” では、山開き、安全祈願祭、雪乞いの神事がありました。しかし、まだまだオープンには程遠い状況です…。このスキー場は、私の家から、車で30分ほどのところにありますので、平日でも少し時間があれば行くことができ、ホームゲレンデにしているところです。スケジュール帳を見直したところ、昨シーズンは雪不足もあり、3回しか行けていませんでした。今シーズンは、市外の友人も誘って、市の観光に少しでも貢献できるように頑張ります。年末にきて、インフルエンザやノロウィルスなどが流行し始めているようです。忘年会などでお忙しい時期かとは思いますが、しっかりと体調管理しましょう!(私が若い頃に住んでいたことがある、新潟県糸魚川市で大規模な火災が発生しているようです。強風に煽られ、燃え広がっている様子…。早く消し止められ、被害がこれ以上広がらないことを祈るばかりです。冬は火の元への注意も必要です。)

12月議会での主な出来事
 12月20日に宍粟市議会定例会(12月議会)は、閉会しました。今回の主な出来事としては、国の補正予算から、学校改修の補助金が降りてきた為に、① 学校施設の大規模改修(全面改修)にかかる費用を合併特例債で賄ったこと、② 施設の増築、改築又は改修に使える補助金が、特例を使って、新築物件に適応されたこと、③ 市長、副市長、教育長の期末手当を人事院勧告に従って引き上げたこと、それにつられて議員の期末手当も引き上げられたこと、④ 4月末の選挙から、議員定数が2減らされ16になったこと、⑤ 議員定数削減の議案に対しての私の反対討論の一部について、撤回(議事録から削除)するよう求められたことでしょうか?なかなか、すんなり「ハイそうですか」とは賛成できないことばかりです。

一つひとつ見ていくと…
 ①は、国から学校施設環境改善交付金等で小学校分1,071万円、中学校分で5,326万円が降りてきました。それに対し、小学校分で1億円、中学校分で3億4,900万円の合併特例債を新たに発行しています。なんやかんや合わせて市債は、7億800万円増えて、今年度予算で31億3,900万円になりました。ここで問題になってくるのが「これは国がその70%を後で補填してくれるから、市の実質的な負担は少ない」という、“有利な起債”というヘンテコな論理です。地方交付税に単に上乗せされてくるような状況ではなく、地方交付税はどんどん減っていますので、例えば100億の地方交付税が約束されていて、これまでの起債の70%(毎年40億程度)が上乗せされてくるならば、百歩譲って “有利な起債” と認めましょう。しかし、地方交付税がこれから90億になり、80億になりしてきた場合、果たして “有利な起債” と言えるでしょうか?平成33年(2021年)には、歳出が歳入を上回る=赤字になるのです。その時の地方交付税の予測は87億です。お買い得感だけで大規模改修を急ぐのは疑問です。その陰で、幼稚園や保育所などの老朽化は、放置されています。
 ②は、市内には教育集会所という施設がいくつかあります。どれも老朽化が進んでおり、その使命を終えたと判断されたことから、地元自治会への無償譲渡が進められています。しかし、老朽化した施設をそのまま譲渡されても活用の道がないことから、「その施設等を増築、改築又は改修することによって整備する事業に要する経費(取壊し費用を含み、用地費及び土地の造成等に係る費用は除く。)で市長が必要と認めた経費」の90%を補助する制度が作られました。あくまで “増築、改築又は改修” です。“増築と改修” は、今ある建物の修繕や改造ということですが、“改築” とは「今までの建物を取り壊して、これと位置・用途・構造・階数・規模がほぼ同程度のものを建てること」を指します。全部を取り壊して新しく建て替えることも改築にあたります。それならば要綱にもうたわれていることだし、良いとしましょう。しかし、今回の案件は、今立っている建物とは別の場所に新たな建物を建てる “新築” です。ここには、「市長は、補助事業の目的に照らして、特に必要があると認めた場合は、前条の規定に関わらず、必要な措置をとることができる」という特例を使って、補助金を支出しようとするものです。問題なのは、市長の判断の根拠が示されていないこと、また担当課が以前に議会に示した説明資料を改ざんして、「新築もOKだと説明していましたが…」と議会を欺くような対応をしたことです。私たちも軽く見られたものです。
 ③は、委員会と本会議で修正案を提出しました。この増額分を教育費(年度内で予算不足を理由に中止に追い込まれようとしていた放課後チャレンジ塾の費用)に回すように求めましたが 、いずれも賛成5、反対11で否決になりました。結果として、放課後チャレンジ塾は、年度いっぱい継続されることになりましたので、良しとします。期末手当の増に反対したので、その分は政務活動費に回させていただきたいと思います。
 ④、⑤は私の反対討論の原稿(削除を求められた部分、※以下、下線部も含む)をここにアップすることで説明に代えさせていただきます。賛成10、反対7で議員定数は2削減されました。自分たちの期末手当アップの議案に賛成しておきながら、市の財政状況を理由に定数削減…。これを支離滅裂というのだと思います。
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 発議4号「宍粟市議会議員定数条例の一部改正について」反対の立場で、討論を行います。今回の条例改正の提案理由には、議員定数を削減する根拠として、①「本市の財政状況」、②「将来の人口減予測」、③「市民感情」、④「行財政改革の現状」、⑤「他市との比較」となっていますが、具体的なものは何も示されておらず、根拠になっていません。
 財政状況がどうだから削減するのですか?将来の人口予測がどうだから削減するのですか?どのような市民感情に配慮して削減するのですか?行財政改革がどういう状況だから削減するのですか?人口、面積、財政・地域経済の状況が違う他市との比較が議員定数削減の根拠になるのですか?なぜ、削減数が2なのですか?それを明確に示せないような議員、議論できないような議員がいるから、議員が多い、報酬が高いと批判されているのではないですか?何かをしても、何もしなくても批判されるのが議員という仕事です。まずは、議員全員が報酬分の仕事をしていると胸を張って言える状況を作ることが先決です。※自分の仕事を事務局や第三者にやらせているような議員、議会報告会で一言も発言しないで高みの見物を決め込む議員、公式の場では発言、議論できないのに裏で地元や関係団体への利益誘導に勤しむだけの議員がもしこの発議に賛成するようなことがあれば、それこそ議会は不要であることを認めたことになります。以上の理由から発議4号に反対します。
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 別に、ある特定の議員を指しているわけでもないのに、侮辱発言なんですって…。一般論ですし、市民は「議員なんてみんなこんな感じでしょ?」と思っていらっしゃいますよ。皆さん心当たりがあるのでしょうか?一方で、賛成側は質疑や討論では、個人名を出して「5月の議員協議会でこの件を持ち出した時、鈴木が反対したから、議員定数が議論されなかった」とか、「議員を誹謗中傷する議員がいたから、発議できなかった」ようなこともおっしゃっていました。(それは議事録に記録されますし、私にとって何ら不利益はありませんので、放置しました。)一人が反対したからって、物事は決まりませんよね。「議論すべき」という意見が多数を占めれば、しっかりと議論されていたはずです。今回賛成された議員のみなさんは、その時、だんまりを決め込んでいたでしょう?「鈴木の侮辱発言削除」の件は、議会運営委員会にかけられて本会議が1時間ほど中断しました。これについては大変申し訳なかったと思っています。議運が決めたことですので、それに従って私の発言は削除されました。
 もう一つ、今回の定例会終了後に宍粟市議会としては初めて「政務活動報告会」が行われました。議場で、中継をしながらです。その報告の中に、「行政がいろいろと手厚い補助金を制度化しているのに、宍粟市民は自ら努力しようとしない」とか「宍粟市民は、よそ者を受け入れるおおらかさがない」とかびっくりするような発言がありました。先輩議員の方々は、市民をそんな風に見ているんだなぁ〜と実感しました。「それって市民のことではなく、自分たちのことでしょ?」と突っ込みたくなりました。

2016年12月19日

“街頭演説”第5ラウンド終了【報告】

 
宍粟市では、先日(先週の金曜日?)北部の里からも積雪の便りが届きました。これまでは、「山が白くなった」という周囲の山々から雪化粧のお便りだけでしたが、生活圏にも冬がやってきました。…と思っていたら、ここ2、3日は良い感じに暖かくなっています。それでもクリスマス時期にはいわゆるクリスマス寒波が来るようです。ノロウィルスによる感染性胃腸炎?が流行っているようです。皆さん、気をつけましょう。

“街頭演説”
 5月から始めた“街頭演説”ですが、内容を少しずつ変え18日に、第5ラウンドを終えました。市内で12ヶ所(付近での行事の関係などで飛ばしたところもありますが…)を5周したので、回数にして60回近くをこなしたことになります。徐々に、本当に徐々に「聞いたよ」と言ってもらえるようになりました。それに応援や感想もほんのちょっとだけいただけるようになりました。基本が草の根運動ですから、これくらい地道でゆっくりな方が良いみたいです。最近は、次の選挙が近づいてきたこともあり、地盤固めに奔走されている方の姿をよく目にするようになりました。また、地盤の意向で、がんじがらめになっている方もいらっしゃるように見えます。後援会や支援団体などの地盤を持たないことが、これほど楽なものかと実感しています。拠り所になるのは市民(弱者、庶民)の声なき声と自分の信念だけ…是々非々で行動するにはこれくらいの緩さが必要だと思います。「選挙は勝たなければ意味がない」とおっしゃることもよくわかるのですが、選挙は市民による政治家の評価、審判であるので、必勝パターンはないような気がします。それぞれが、それぞれのスタイルでやれば良いことですが、「議員本来の仕事をサボりすぎてはいませんか?」、「議員としてやるべきことはやりましょうよ」ということは現職の方々に言っておきたいです。そんな議員が議員定数の削減を言い出すってことは「自分はしっかり仕事をしている」と思っているのでしょう。集票、口利き、利益誘導、ろくに議論もせず市長提案には基本賛成っていうのは、議員のお仕事でしょうか?“街頭演説” 第5ラウンドの原稿をアップします。
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 これまで“街頭演説”では、宍粟市の人口減の問題、そこに果たす政治・政治家の役割などについてお話しさせていただきました。今回は、合併から15年後、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに、宍粟市は何をしなければいけないのか?その辺りのことを、みなさんと考えていきたいと思います。その中で私自身の現在の考えを主張させていただきますので、それに対するご意見も頂ければ幸いです。
 戦後の第一次ベビーブームと言われた、昭和22年から24年に生まれた方々、いわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、高齢者の福祉に関わるお金が膨れ上がり、そのピークを迎えると言われているのが2025年です。これは2025年問題と言われ、何度かは耳にされているのではないでしょうか?
 現在は、少子化です。そしてこれからは、支える世代がどんどん減っていくことで高齢化率はどんどん上がっていくわけですから、それに備えて社会保障、医療、介護などの仕組み、お金の使い方を今必死になって工夫しているのが現実です。だいたい10年後を見据えて、今どうするべきかを考えています。宍粟市は、日本全体の傾向よりも先に少子化、高齢化はやってきています。これまでの街頭演説でも申し上げましたが、これまで国や県の指導、指示に従うだけで独自に地域課題への解決策を考えてきていないのが宍粟市です。いろいろと試行錯誤してきたけれど、なかなか結果が出ていないのならまだ良いのですが、残念ながらそうとも思えません。私はまだ宍粟市民になって6年ですので、「合併前のことなんか何も知らないくせに、よそ者が、生意気だ」とさんざん批判されてきましたが、逆に6年しか住んでいないものが感じるということは相当なものだと思います。これまで国や県の指示に従っていれば何も問題ない、市や町は、国や県の従属機関だという認識があれば仕方のないことかもしれません。実は、地方分権の流れでこの上下関係というのはなくなったのですが、国や県に頼っていれば楽というのが本音でしょう。だって国が…、だって県が…と言い訳していれば、市民もだったらしょうがないよね、となってしまうわけですから。
 福祉の面、特に高齢者福祉においては先ほど申し上げた2025年問題に、いろいろ対応していこうとしています。というか対応しなければ、高齢者や小さな地域を切り捨てるしかないというのが正確です。宍粟市は国や県の傾向より高齢化率は高いのが現実です。この高齢化率、最新のデータでは、国全体で25.1%、兵庫県では26.9%、宍粟市は33.2%という状況です。この数字から見ても国や県の指示をただひたすら待っている段階、なんとかしてくれとお願いしている段階ではないことは明白です。そして、宍粟市は、旧4町ごとにこの高齢化率に差があります。当然、人口減が著しい地域は、高齢者の割合が高くなっています。ここは、常々申し上げているところなのですが、旧4町または7中学校区など小さな括りで人口の動き、年齢構成、社会資源の分布などを分析し、目標を立て、それを公表し、地域住民に協力を求めていく必要がありますが、宍粟市では合併後「宍粟はひとつ」という耳障りの良いスローガンのもと、地域の格差を隠そうとしているように思います。その格差というのは、はっきり言って、南高北低です。これまでの経緯の中で南が高く、北が低いこの南高北低が固定化されてしまったのならば、これからはこれまで蓄積された社会資源を、北が高くなるようにしていく必要があります。在宅医療の充実、施設収容から地域生活への移行などを、国や県は求めていますが、宍粟市はそれに対応できるだけの体力もなくなっています。つまり、対応が遅すぎるのです。介護保険の制度は来年4月から大きく変わりますが、宍粟市は残念ながらその準備がまだ整っていません。そのしわ寄せは、高齢者にのしかかります。地域に受け皿がないということは、切り捨てるということです。税金を納められなくなり滞納が増え、自己負担の増加から、福祉サービスを我慢する方も増えていくでしょう。
 これは、2025年問題と言いましたが、何度も申し上げる通り宍粟市はもう何年も前から、この問題に直面していますが、それに対応しようと必死でもがいた形跡がありません。国が動き出してからでは遅いことを自覚できていません。もう一つ、私は宍粟市の2020年問題ということを提議しようと思います。合併から15年後にやってくる財政の問題です。合併した市町村は、これまでの間、宍粟市で言えば4つの町があったことを前提に国から地方交付税というお金を配分されてきました。年間約100億円です。そのうちの約40億は、借金の返済にそのまま流れるので、実質は60億円程度でしょうか?しかし、合併から15年経てば、もうそろそろ一つの町として考えても大丈夫ですよね?自立できていますよね?ということで一つの町として、地方交付税は計算されます。今の試算では、人口減も考えると少なくて20億円、多ければ30億円が減ります。1年間で使えるお金が20億円減るというのは、切り捨てられるサービスがどれだけ多いか想像がつきます。人口4万人で割れば、一人当たり年間5万円分のサービスカット、もしくは負担増です。それが私の言う2020年問題です。これも今、言われ始めたことではありません。平成17年、2005年の合併当初には、わかっていた未来です。みんな気づいていたのにも関わらず、見て見ぬ振りをしてきているのです。
 宍粟市は、現在より20億から30億の減収にどう対応しようとしているのか?それは、財政調整基金という貯金を切り崩そうとしているのです。財政調整基金は、何か大規模な自然災害が起こった時や世界的な恐慌など、どうしても市の努力では、回避できない事態に備えて大切にとっておくべきものです。それを市のお財布の都合で切り崩すことは到底考えられません。なぜ、それを平気で計画できるのでしょうか?それは、市長をはじめ多くの市議会議員、市役所の幹部が支えられる世代に回った後のことだからです。そうとしか考えられません。これは子ども、若者、子育て世代から今のうちに、搾り取れるだけ搾り取ってやろうとしていることと同義です。そして、市が立ち行かなくなったら姫路やたつのに面倒見てもらおう、吸収合併も仕方がないと思っている市の職員や議員が多いこともこの6年間で驚かされました。信じられないかもしれませんが、自分たちの不作為を棚に上げて実際に口にしている議員は結構います。それに呼応してか市民も宍粟市の将来についてとても悲観的です。その負担、プレッシャーに耐えられなくなった人々が、住み慣れた故郷から離れざるをえないというのが今の宍粟市の人口減の本当の姿ではないでしょうか?
 2020年というのは、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。前回の東京開催以降のことを考えると、これまで以上に人も物も東京圏に集中します。この東京圏への一極集中は、地方消滅の原因と言われています。そしてこの2020年というのは、宍粟市では、市長、市議会議員の次の任期が終わるのとほぼ同時期です。今の市長、市議会議員の任期は5月で終わりますが、次の4年間は、これまでとは全く質の違う4年間です。2020年問題に対応できる最後のチャンスなのです。これまでの4年間でその兆しが見えていれば、また道筋がつけられていれば私もこれほど声をあげなかったと思いますが、実際のところは2020年問題に対応しようという兆しどころか、政治はどんどんと劣化、退化しているようにしか見えません。ここは、私の政治家としての力のなさであり、「合併前のことなんか何も知らないくせに、生意気なやつだ」と批判されるところでしょう。しかし、そう見えてしまったのだから仕方ありません。そして、こうやって声をあげているのは、別に皆さんの不安を煽りたいわけではなく、10年後、20年後、30年後の宍粟市をみなさんと一緒に考えたい、市民の皆さんに立ち上がっていただきたいという思いがあるからです。諦めていませんか?どうせ近いうちに市はなくなると思っていませんか?だから、子どもや孫に、帰ってこなくてもいいと進言しているのではありませんか?本当にそれでいいのですか?選挙で市長、議員を選ぶということはみなさんから税金を集める権利、みなさんのお金である税金を使う権利をその人に与えるということです。実は将来に対する希望もその人たちに託しているのですが、それに応えられていません。2020年までに宍粟市がしなければならないことは、障害のあるなしや、病気を抱えている抱えていないに関わらず、子ども、若者、子育て世代がもっともっとまちづくりに関わり、税金の使い方に対して発言ができる仕組みを作ること、子ども、若者、子育て世代がどんどんとチャレンジできる仕組みを作ること、そして子ども、若者、子育て世代のチャレンジに対して寛容な社会を作ることだと思います。
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 次回からは6ラウンド目に入ります。原稿の準備は整いました。雪が降っても街頭に立ち続けたいと思います。facebookでのライブ配信にも挑戦しています。そちらもよろしくお願いします。

2016年12月12日

12月議会の一般質問【お知らせ】

第72回宍粟市議会定例会(12月議会)の代表質問&一般質問について、お知らせします。

12月14日(水)
9:30〜
■真正会(福嶋斉 議員)
 ・森林から創まる地域創生について  ・いじめについて

■政策研究グループ「グローカルしそう」(鈴木浩之)
 ・宍粟市の教育について  ・自治基本条例について

■市民クラブ政友会(小林健志 議員)
 ・観光地のあり方について  ・山崎西中学校運動場の借地について
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13:00〜
■日本共産党宍粟市会議員団(岡前治生 議員)
 ・宍粟市幼保一元化推進計画の中止を  ・学校給食の異物混入ゼロのための方策を
 ・ケーブルテレビの100%加入のための施策を  ・最近の入札結果について

■創政会(高山政信 議員)
 ・市長選挙と新年度の予算編成について  ・安全で安心なまちづくりについて
 ・人口減少の抑制について  ・過去の一般質問の進捗状況について

■公明市民の会(西本諭 議員)
 ・高齢者ドライバーの事故を防げ  ・「残薬」の再利用の推進を
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12月15日(木)
9:30〜
■岸本義明 議員(無会派)
 ・新年度予算の方針と取組みについて

■稲田常実 議員(無会派)
 ・人口減少問題について  ・公共交通の今後のあり方について

■山下由美 議員(日本共産党宍粟市会議員団)
 ・子どもの貧困について  ・高齢者の医療、介護について
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13:00〜
■飯田吉則 議員(政策研究グループ「グローカルしそう」)
 ・地域創生戦略の具体化に向けたアクションプランについて

■大畑利明 議員(政策研究グループ「グローカルしそう」)
 ・地域自治区の設置について   ・就学援助について  ・聴覚障がい者支援について
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12月16日
9:30〜
■実友勉 議員(創政会)
 ・国見の森を日本一の学びの森に  ・市内の祭りを一つに  ・音水湖等の利活用について

■榧橋美恵子 議員(公明市民の会)
 ・ひとり親家庭等を守る対策を ・婚活イベントの取り組みについて
 ・地方創生について

 本会議の様子は、インターネットライブ中継、ケーブルテレビ(しそうチャンネル)と音声お知らせ装置(しーたん通信)で生放送されます。

12月議会開会中!【報告】

宍粟市は、もう完全に “冬” です。やはり、1年を四季に分けると、春が3月〜5月、夏が6月〜8月、秋が9月〜11月、そして冬は12月〜2月という感じなのでしょうか?最近は、春と秋が極端に短くなったような気もします。春が4月〜5月、夏は6月〜9月、秋が10月〜11月、冬は12月〜3月、といった感じでしょうか?人、場所にもよりますが、過ごしやすい季節、春と秋が短くなっているのは少し寂しい気がします。急に寒くなりました。くれぐれも体調を崩さないようにしましょう…。私は、とっても元気にマラソンシーズンを謳歌しています。もう少ししたらスキーシーズンも始まります。スキー道具をメンテナンスして、その時を待つことにします。




12月議会
 現在、宍粟市議会は、第72回定例会(12月議会)の真っ最中です。11月30日(水)に開会し、そこで議案が提出され、それに対する質疑が行われました。その後、12月2日(金)から、常任委員会での審査が始まり、委員会での採決が行われました。そして、先週の12月9日(金)には、本会議で委員長報告、質疑、討論、採決が行われ、提案されていた議案「宍粟市職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部改正について」など条例改正6議案、「平成28年度宍粟市一般会計補正予算(第3号)」など補正予算10議案、その他「宍粟市鷹巣診療所条例の廃止」など4議案の合わせて、20議案の全てが “原案可決” となりました。
 私は、「平成28年度宍粟市一般会計補正予算(第3号)」に対して、予算決算常任委員会と本会議で修正案を提出させていただきました。委員会では、市長、副市長、教育長の期末手当と議員の期末手当を減額するもの、本会議では議員の期末手当のみを減額するものの2つです。いずれも “否決” されました。本会議に提出した修正案の提案理由の説明(原稿)をここで公開しておきます。
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 第115号議案「平成28年度宍粟市一般会計補正予算(第3号)」に対する修正案を、地方自治法第115条の3及び会議規則第17条の規定により、賛同者2名とともに提出します。
 今回の修正案は、昨日、予算決算常任委員会に提出させていただいたものと、内容が異なりますが、最終的な目的は同じです。この減額によって、捻出される部分をどうか子どもたちのために使って頂きたいと思っており、議員の皆さんに賛同を求めるものです。実際に使っていただけるかどうかは、市長、教育長をはじめとした執行部に委ねなければならないのですが、議会として「子どもたちのために財源を確保した」という事実は、明確に記録されます。修正の内容としては、議会議員の期末手当を現状維持とし、歳入で、地方交付税の補正額2,000万円から70万6,000円を減額し、1,929万4,000円に、歳出では、議会費の補正額87万円から70万6,000円を減額し、16万4,000円にしようとするものです。
 議員や特別職の期末手当をあげようという議案が審査されている裏では、現在、山崎、城下、染河内、波賀、千種の5つの小学校で行なわれている、放課後チャレンジ塾という、学力向上、広い意味で、最近盛んに議論されている子どもの貧困対策に関わる事業が、年度途中にもかかわらず、予算不足を理由に打ち切られようとしています。
 もともとは、ひょうごがんばりタイムという県事業ですので、県からの補助が減額されたことが大きく影響しているとはいえ、年度途中で突然、事業が打ち切られることがあって良いのでしょうか?しかも、年度いっぱい事業を継続するのに必要な額は、およそ50万円だそうです。したがって今回の減額分70万6,000円があれば、とりあえずですが、年度いっぱいは事業が継続できることになります。現在、放課後チャレンジ塾には、多くの子ども達が通い、そこに関わっていただいている地域の方がいらっしゃいます。それが打ち切られようとしている事実を真摯に受け止めていただき、議員の期末手当増額分を、子どもたちに、宍粟市の将来のために回すという、今回の修正案に賛同いただきますようお願い申し上げます。
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 結果として、修正案は賛成5、反対11で、 “否決” されましたが、放課後チャレンジ塾は、継続されることになったようです。だったら最初っからなんとかしておいてほしいものです。そもそも年度途中で中止という判断が出来ること自体が信じられません。結局は、子ども達の予算は、優先順位が低いという宍粟市の本音が露呈したにすぎません。こんな町が「若者の定住、子育て環境の充実」なんて言っているのを聞くと、虚しくなるのは私だけでしょうか?

2016年12月1日

12月議会開会【速報】

宍粟市の秋を彩った “紅葉” が終わり、周辺の山々から “冠雪” のお知らせが届いています。今年は、紅いモミジ、黄色いイチョウなど、“秋” をゆっくりと楽しむ時間が作れないまま、バタバタと過ぎて行きました。気がつけばもう12月…。平成28年も残り1ヶ月です。この冬は雪が多そうです。しっかりと冬支度をして、安全に冬を乗り切りましょう。来年、宍粟市として4回目の “市長・市議会議員選挙” が4月23日告示、30日投開票で行われます。私たちにとっての “冬支度” もしっかりしなければなりません…。

12月議会開会
 11月30日に第72回宍粟市議会定例会(12月議会)が開会されました。この定例会には、「宍粟市職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部改正について」など条例改正6議案「平成28年度宍粟市一般会計補正予算(第3号)」など補正予算10議案、その他「宍粟市鷹巣診療所条例の廃止」など4議案の合わせて、20議案が上程されています。11月30日には、議案に対する質疑が行われました。私も4つの議案に対して、質疑を行いました。質疑は、こちらからの投げかけが3回までと決まっています。毎度のことですが、こちらの質問と答弁のすれ違いが起こりました。それでも3回で基本的に打ち切りになります。普段の委員会でも、本会議でも、このすれ違いは起こります。もちろんこちらの発信、発問にも課題があると思いますが、担当職員の人数、経験、情報量などの面で、担当職員>議員という大きな差がある状態なので、議員側の発信、発問の課題よりも、担当職員側の課題の方が大きいような気がします。すれ違いのパターンは、① 何を聞かれているのかわからないままとりあえず答えている、② 聞かれていることはわかるが、明確な回答を持ち合わせていない、③ 聞かれていることはわかるが、どう答えて良いのかわからない…この3パターンくらいでしょうか?しかし、もう一つ、③の「聞かれていることはわかるが、どう答えて良いのかわからない」の中に、④ こう答えたらどういう反応が返ってくるか、こう答えたら仕事が増えるのではないか、責任がのしかかってくるのではないかという一種の “不安” を隠すために(故意に)回答を不明確なものにしているというパターンもあるような気がします。優秀な行政職員が、人の話を理解できないわけでもなく、勉強もしているでしょうから情報が不足しているわけでもなく、担当している仕事のことについて常に考えているでしょうから、①〜③のパターンだったとしたら、ハッキリ言って仕事になりません…。すれ違いの出現率から言えば、④が一番多いと思います。これは自信のなさ等からくる“ 逃避 ”と、(本人が意識してる、意識していないにかかわらず)面倒なことを避ける“ 回避 ” が、常に仕事の姿勢を支配しているということではないでしょうか?そして、退職までの時間が短い幹部職員は、「もう少しの辛抱だ」という逃げの姿勢が強調されて見えるような気がします。これは深刻です…。

議員報酬
 この12月議会でも、補正予算が上がってきました。毎年夏に、人事院勧告というものが発表されます。人事院は、「国家公務員と民間の4月分の給与(月例給)を調査した上で、精密に比較し、得られた較差を埋めることを基本に勧告を行っています。また、特別給についても、民間の特別給(ボーナス)の過去1年間(前年8月から当年7月まで)の支給実績を精確に把握し、民間の年間支給割合に国家公務員の特別給(期末・勤勉手当)の年間支給月数を合わせることを基本に勧告を行っています。」と主張しています。これに伴う市長、副市長、教育長などの特別職を始め、市職員の給与が変わる(感覚的には上がることが多いかな?)ので、それに合わせて人件費などが変わってきます。ということで条例改正と補正予算が議会に上がってくるわけです。人事院の給与勧告の対象となるのは、「一般職の職員の給与に関する法律(給与法)」の適用を受ける一般職の国家公務員約27.5万人だそうです。しかし、地方公務員(約274.5万人)の給与についても、ここに合わせて変わってくることがあります。職員給与をいじる時の決まり文句は、「人事委員会を置かない近隣市では人事院勧告を基本に改正されているところであり、宍粟市におきましても人事院勧告内容どおりの給与改正を行うこととしております。」です。宍粟市の実情とは関係なく、国家公務員の給与に対する人事院勧告に従う、近隣市の状況に合わせるという理由で、給与の改定は行われます。この議案を否決、修正されることを嫌うのでしょうか?合わせて「宍粟市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正」も行われます。この議案が可決されれば、ちょっとだけ報酬年額が上がるみたいです。(今の宍粟市議会の仕事っぷりでは、賛成できません。)また、この12月議会では、2011年に廃止された地方議員の年金制度をめぐり、「議員が厚生年金に加入できるよう国に法整備を求める意見書」を出すように全国市議会議長会から依頼が来ています。12月議会が終わる頃には、全国の多くの地方議会でこの意見書が採択され、どしどし国に送りつけられることでしょう。これも今の宍粟市議会の仕事っぷりでは、賛成できません。私としては、現在の議員報酬は少ないと思っていますし、将来支えてもらえるかどうか不安定な国民年金だけでは心もとない(厚生年金に加入できればそれに越したことはない)と思っています。しかし、賛成できないのは、今までの議員がしっかりと報酬に見合うだけ(またはそれ以上)の仕事をしてきていないと思えるからです。それに合わせて3期12年の功績なんて全く見えませんので、議員年金についても同様の考え方です。「人のせいにするなんて最低だ」と言われるかもしれませんが、先輩の仕事ぶりを見ていれば、市民から「報酬が高い」と批判されて当然です。自分だけは報酬に見合うだけ(またはそれ以上)の仕事をしようと決意し、やってきました。判断は市民に委ねることにします。

2016年11月14日

“街頭演説” 第4ラウンド終了【報告】

宍粟市の今日は “雨” です。この土日も、各地でいろいろなイベントがありました。どこも盛況だったようで良かったです。11月19日(土)〜23日(祝日)は、山崎町の最上山(さいじょうさん)では、もみじ祭りが行われています。今年は、良い感じに彩られているようです。私も行ってみようと思います。

“街頭演説”
 5月より始めた(一時、国政選挙があり中断しました…) “街頭演説” ですが、第4ラウンドを終了しました。回数でいけばもう直ぐ50回…。秋はいろいろ行事が立て込んでいて、なかなか時間が作れませんでしたが、市内11カ所で “街頭演説” を無事終えましたので、ここで原稿をアップしておきます。
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 今の宍粟市、合併から12年目に入っています。実は、多くの自治体が合併から10年以上が経過し、当時、合併したしなかったにかかわらず、大きな差が生じました。この差はどこから生まれるのか?国の指示、指導のもと全国同じように町づくりが行われてきたのであれば、これほどの差が出てこないと思います。合併は、国の政策として進められてきた経緯がありますので、実のところ国の指示、指導に従って合併した町が人口減や財政難に苦しんでいるような気がします。つまり、国の指導とは別に、地域にあった政策、地域住民との合意が取れた政策が進められてきたところが一人勝ちをしているような感じです。いろいろな調査を見てみると「合併してよかった」という声は、ほとんど聞こえてきません。逆に「合併しなければよかった」という声はたくさん聞かれます。これは宍粟市でも同じです。合併当時言われてきた、合併したらこんな素晴らしい町になりますというバラ色の未来…、それが今、目の前にあるでしょうか?地方創生では、どこの町も企業誘致、観光振興、特産品開発…どれも地方創生が言われる前から地道に取り組んで、試行錯誤し、努力をしてきた町の成功事例でしかありません。合併から10年を経過し、地方創生が言われるようになった今、全国の自治体で生じてきている差は、この10年の積み重ねの差です。
 
 宍粟市はどうでしょうか?合併してそれなりに良かったこともあるでしょう。合併しなかったら廃止されていたこと、ものが合併したことによって継続されているという事例もあるはずです。しかし、逆に合併前より後退している、また無くなってしまった「こと」や「もの」が目立ちます。合併前より後退している、また無くなってしまった「こと」や「もの」…これは教育、福祉、子育ての部分であるというのが私の見立てです。合併してこの部分を充実させる方向で町づくりが行われていれば、明るい未来が見えていれば、ここまで少子化や人口減に悩むことはなかったと思います。そして将来を悲観することもなかったでしょう。

 今、色々な分野で注目されている町、この10年間のまちづくりにおいて、将来を見据えて教育、福祉、子育ての部分に人もお金も使ってきた自治体が、地方創生の先進事例として注目されているにすぎません。この頃では、秋田県が子どもの学力NO.1で注目されていますが、かつては、子どもの学力という面では下位に位置した地域です。そこから、教育に相当の投資をして今の位置があります。それはすでに地域への誇りになっています。そして将来への希望になっています。この点で言えば、宍粟市の教育は、地域に縛り付けるために学力はそこそこで良いと言い切っているような町です。子供たちが地域への誇り、将来への希望なんて持てるはずがありません。
 
 宍粟市は、この地方創生という言葉が国から示された時、どのように反応したと思いますか?「やっと国が地方のために重い腰をあげた」、「いよいよ本気でまちづくりに取り組まなければならない」と言ったのです。やっぱり、この10年間は国からの仕送りが減る、県が面倒を見てくれないから何もできないということで、何もしてこなかったということです。市町村合併とは、そもそも地方自治体が自分たちで考え、自分たちで決め、自分たちで実行する、もちろん自分たちで責任をとることを期待されていました。国が面倒を見るような国が上、市町村が下という関係ではなく、地方が自立するための規模適正化という側面がありました。しかし、宍粟市、は国の指示に従って合併したんだから、面倒みてくれという姿勢でこの10年間を過ごしてきたことになります。もう一つ中心地への集中的な財政投資が、中心部への人口の集中、権限の集中を引き起こし、周辺部になってしまった北部地域の過疎を加速させていることは明白です。この中心部、周辺部、北部という言葉も町の中でも相対的な位置関係でしかありません。

 挙げ句の果てに「良くしてやろうって言っているのに何が文句あるの」という姿勢が行政、議会に見え隠れするのは、上から目線で嫌な感じがします。この「良くしてやろう」っていう言葉を信じろという方が無理があります。この10年間、そう言って進められてきたことで良くなった実感が持てないのではないでしょうか?合併自体がそうであったように…。
 
 私がこれまでの議員生活、というか宍粟市民になって感じたことといった方が正確かもしれませんが、これだけ強者に優しく、弱者に厳しい町では元気が無くなって当然だということです。私が宍粟市民になってからの6年で弱者、また小さい地域の切り捨てはどんどん進んでいます。正直、千種、波賀という過疎地域は、過疎債という借金ができます。例えば1億円借りても、7,000万円は後から地方交付税という形で戻ってくるという、何の保証もない国との口約束で行われている過疎対策です。また、この戻ってきた7,000万円は、波賀、千種で使われているという保証もありません。極端に聞こえるかもしれませんが、宍粟市にとって過疎地域は借金の担保のようなものです。人口減が緩やかになったり、人口増になったりしたら困るというのが本音でしょう。それが過疎地域の人口増や少子化対策に乗り出さない理由だと思います。どれだけ提案しても、格差の是正を訴えても、他の地域に住む議員も行政も、なんやかんや理由をつけて全て却下してきます。まあ、これが私の言い訳だといわれれば、その批判は甘んじて受けます。
 
 ここは繰り返して申し上げます。宍粟市は国や県の交付金、補助金、また借金に頼っている部分が大く、年間予算の約7割は依存財源です。宍粟市は、自分たちで判断することを避け、国や県に判断自体を投げています。住民は市町村よりさらに下層に位置されるので、住民は「こうしたい」という判断もさせてもらえません。また判断材料すら与えられないままお上の言うことに従わざるをえない状況が続いています。求めていない政策が進められ、求めている政策は進まない。みなさん、それに気がついているのではないですか?これから合併という国策に応じたということで、ある程度優遇されていた地方交付税は人口減も手伝って、どんどん減っていきます。また、合併特例債も使えなくなります。今の使い方では地方交付税の優遇措置が終わり、合併特例債の発行が出来なくなる時点でのショックに耐えられないと思います。政治に関わる者の、今がよければそれでいい、将来のことなんか知ったことではない、次の選挙に通ればそれでいいという考えがその背景にあります。そのタイミングは合併から15年後の2020年、平成32年にやってきます。
 
 選挙で市長、議員を選ぶということはみなさんから税金を集める権利、みなさんのお金である税金を使う権利をその人に与えるということです。これからどんな町を作っていくか?作っていきたいのか?どんな町を次世代にバトンタッチしていきたいのか?皆さんの声をもっともっとお聞きしたいと思います。ぜひ、その声を届けていただきたいと思います。どうかいっても無駄なんてことは思わないでいただきたい。声を上げることをあきらめないでいただきたいと思います。誰に投票したって一緒だと考えたり、また投票に行かないということは、将来に対する責任を放棄したことになります。将来世代に対する責任から逃れようとするような町に若者が定着するはずはありません。
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 次回からは、第5ラウンドに入るわけですが、もっと過激に!もっと具体的に!をキーワードに、頑張ります。SNS(フェイスブックの友達限定)での「ライブ配信」にも挑戦しています。これからも宜しくお願いします。

2016年11月5日

人口減の衝撃【報告】

宍粟市は、11月に入り朝夕は “寒い” と感じます。我が家でもストーブなど暖房器具が稼働し始めました。つい先日、市内2つのスキー場の共通シーズン券が到着し、兵庫県の最高峰、氷ノ山(1,510m)から、初冠雪の知らせが届きました。着実に秋から冬に季節は移っていきます。 
 鳥取県中部をはじめ、地震や台風などで被害があった地域では、これまでとは違った冬への備えが必要かと思います。住民の皆さんが体調など崩さぬよう、公助の手が行き届くことを願います。

国勢調査
 先日、2015年の国勢調査の確定値が発表されました。宍粟市の人口は、37,773人、2010年から-3,165人、-7.7%(増減率:前回調査から減った人数 3,165÷前回の人口 40,938×100で算出)となりました。旧町域別で見ると山崎23,108人(-1,357人、-5.5%)、一宮8,101人(-967人、ー10.7%)、波賀3,704人(-418人、-10.1%)、千種2,860人(-423人、-12.9%)となっています。合併時、2005年(平成17年)の国勢調査では、総人口43,302人で、2000年の調査と比較すると、-2,158人、-4.7%。2010年では、総人口40,938人で、2005年の調査と比較すると、-2,364人、-5.5%でした。市町村合併は、人口減を加速させています。これは “衝撃” です。特に山崎以外の3町域で減少率が10%を越えてしまいました。1995年(平成7年)には、4町合わせて47,685人でしたから、20年で約1万人、20%以上の人口が減ったことになります。人口ビジョンで掲げている目標33,000人は、次の国勢調査がある2020年にやってきてもおかしくない状況です。宍粟市は、“人口減少非常事態宣言” とやらを出していますが、これは「いよいよ人口が4万人を切りました…どうしましょう?」という程度のもの、人口が4万人を越えることはおそらくないでしょうから、いつ解除されるのでしょうか?そして、人口を維持するための方策はないに等しい状況で、どうしましょう?と住民に問うているだけです。人口減が緩やかになっている地域、人口流入が起こっている地域を見てみると、そこに共通していることは “住民自治” です。国や都道府県の政策とは別に地域にあった政策(いわゆる地域政策)をどんどん展開している地域がやっぱり強いのです。住民が自分たちで自分たちの町の将来を考え、自分たちで決め、自分たちで実行し、自分たちで責任を取る覚悟がある地域が生き残っていくような気がします。そして、もう一つの共通項は、若者のチャレンジに対して寛容な地域であるということです。(言い換えればシルバーデモクラシーを課題として認識している地域です。)

街頭演説
 5月から、議員任期が残り1年となったこともあり、 “街頭演説” を細々とやっています。これまで3ラウンドを終え、もう直ぐ4ラウンドが終わります。振り返るとその要旨は、①人口減は、政治の作用、政治の結果であるということ、②合併市町村にとって合併後10年〜15年の5年間は、これまでとはまったく違うということ、③若者が発言し、決定し、活躍できる社会の実現が必要であるということ、この3点に集約されます。議員任期の4年で毎年、視察に出かけているわけですが、そこで自分の波長にあった、宍粟市にとって見習うべき自治体、また必要だと感じた政策は、合併を選択しなかった小規模自治体の住民自治に関する条例、会議などでした。それは鳥取県智頭町の百人委員会であったり、香川県三木町の百眼百考会議であったり、今年の視察先、愛知県新城市の若者議会であったり、「地方自治は、民主主義の学校である。」という言葉を地でいく、自治体の姿にエンパシーを感じました。一部で、そのような自治体は、合併も含め国策に反していると批判もされ、住民自治なんか左寄りの思想だと国や県から目をつけられたりもしています。しかし、本当にそうでしょうか?地方創生の優等生と呼ばれるような自治体は、ほとんど平成の合併を選択していませんし、合併するか、しないかという重大な選択を、住民が決めたという経緯があります。成果が目に見えた時点で国や県も、「これまでも応援してきた」と手のひら返しをするのです。そして、その成果が国策や県の政策に昇華して、全国に波及していくという過程を辿っています。しかし、国策や県の政策として、上から(私は上からとは思っていませんが…)降ってくる頃には、もう遅いというのが現実です。多くの合併市町村は、合併特例債の期限であった平成17年に合併しています。現在、12年目に入っています。首長や議員の任期で言えば、3期目です。次の期、合併から15年を迎えます。そこで政治に関わる首長や議員は、これまでのような生半可な気持ちでは務まりません。次の次は引退するなんていうのは、町を立ち直れないほどにボロボロにして、そのボロボロになった町を次の世代に押し付けることを予定していることと同義です。このあたりのことを含め、5月まで地道に訴えていきます。次の選挙では、とにかく若者に被選挙権、選挙権ともに行使してもらいたいと願っています。

2016年10月27日

反省はしても後悔はしない【雑談】

宍粟市は、久しぶりの雨です。たまには、秋雨も良いものです。宍粟市議会では、一昨日から「市民懇談会」が始まりました。『宍粟市議会基本条例』では、第6条(市民と議会との関係)で、1. 議会は、市民に対し積極的にその有する情報を発信し、情報の共有を推進するとともに、説明責任を十分に果たさなければならない。2. 議会は、市民からの請願、陳情等を政策提案と位置づけ、真摯に受け止め協議し、必要な場合は文書により回答するものとする。3. 議会は、市民又は団体からの要請に応じ、議員と市民又は団体が自由に情報及び意見を交換するよう積極的に努めるものとする。4. 議会は、市民への報告と意見交換の場として、年一回以上、議会報告会を開催し、議会の説明責任を果たすとともに、市民の意見を聴取して議会運営の改善を図るものとする。5. 議会は、議員活動に対する市民の評価の参考となる情報の提供に努めるものとする。となっており、この「議会報告会」にあたります。昨日25日は、議員18名が6名ずつ3班に分かれて、3つの会場(中学校区)で、行われました(画像は、私も担当した会場の様子です)。条例に謳われていること、特に第6条の1〜5については、市民の皆さんにとっては、まだまだ不十分、不満足だと思います。任期、残り少ないですが精進します。

後悔はしない
 官尊民卑(かんそんみんぴ)、皆さんはこの言葉を知っていますか?私は、こんな言葉があることをついさっきまで知りませんでした。何かの拍子に目について、何て読むんだ?から始まって、言葉の意味を調べてみました。官尊民卑とは、「政府・官吏をたっとんで、人民をいやしむこと」を言うのだそうです。『福沢諭吉の《福翁百話》のなかに,〈吾々学者流に於ては人権平等の論を論ずること久し。官尊民卑も亦この論旨に反するものなるが故に云々〉とある。』(世界大百科事典 第2版から引用)のだそうです。《福翁百話》というのが、1897年に書かれたようなので、今から100年以上前に、福沢諭吉が「これじゃあかんでしょ?」と言っていたのです。政治家や官僚(行政職員)は、国民、市民が第一と言いますが、この官尊民卑という言葉が示すような事案は、数多くあるのが現実です。そこで、議会は官なのか?民なのか?が問題になってきます。どう考えても、議会は民です。国で言ったら、解釈にもよりますが、内閣と官僚などが “官” の側で、国会と裁判所は “民” の側です。国会議員は選挙で選ばれますし、最高裁の裁判官は、国民審査にかけられますから…。これを地方に当てはめると…首長と役所が官、議会は民となるのでしょうか?(地方の場合、首長も選挙で選ぶので、その人の政治スタンスにより、官、民の両側にうまく立地しているバランス感覚の良い首長もいることはいます。)私も官尊民卑なんてありえないと思っていますので、私の一連の行動が、官を批判することになるのは当然の流れです。私は、使った言葉や発言時の態度、言い方について “反省” することは(多々)ありますが、発言したこと、もしそれが行政批判になったとしても、“後悔” は(一切)しません。議員は常に住民の側にいなければならないので、行動、発言をしなかったことの方が後悔するはずです。保身を考えたら黙っている方が得策であることは、誰だってわかります。官尊民卑という感覚は、官の側の優越意識と民衆の服従志向が強まることです。

批判ばかりだという批判
 私はたくさんの人から直接、間接的に「お前は批判ばっかりだな」と批判されます。これはイコール、提案(対案)がないということだと思います。この部分はいろいろと考え方はあるかと思いますが、批判自体が現行の制度や事業に対する対案であり、新規の制度や事業という具体的な提案も、一般質問などで個人的に、予算提案や申し入れなど会派を通じて、議会改革、事業評価、地方創生戦略、福祉施策、教育施策など所属委員会を通じて、どれだけの提案をしてきたか、またそれがことごとく却下(またはひっそりと実行)されてきたか、これは非常に見えにくいことだと思います。何度も言っていますが、自分の実績を殊更とりたてるのも、アピールするのも私のポリシーに反するだけです。誰の実績であろうと、住民(特に庶民、弱者)にとって良い町になれば、良いわけですので…。合併で市になる時を合わせれば、議会は3回の改選が行われていますが市議会でも、合併前の町議会でも、前例のないことを、その中心になって実現してきたという自負はあります。それを煙たいと思う方は、官、民に関わらずたくさんいらっしゃると思います。保身を考えれば、煙たがられるようなことはしないのが得策です。「長い物には巻かれろ」とか、「寄らば大樹の陰」とか、「郷に入っては郷に従え」とか言いますが、政治の世界はそれではどうしようもないことが多いのが現実です。これらの故事は、権力のあるものが庶民や弱者を黙らせるため、まさに官尊民卑の考え方がその背景にあるような気がします。

2016年10月21日

任期はもう直ぐ終わります【雑談】


約10年前…
宍粟市はこの頃、暑い日が続いています。もちろん、夏の暑さではないのですが、一時、とっても寒く、朝は10度を下回っていた日があり、ストーブを点けたことがあったから、そう感じるのだと思います。これだけ寒暖の差があると、体調管理にも気を使います。くれぐれも体調など崩されぬようお気をつけください。…と言いながら、最近体調を崩し、まだくしゃみ、鼻水が止まらない私です。今回、掲載した写真はかつて私が住んでいた御殿場の官舎?で撮った写真です。御殿場では、この時期になると富士山の冠雪が話題になります。きっと今頃は、富士山も雪化粧をして凛とそびえていると思います。

市民になって6年…
 もう直ぐ、私が宍粟市民になって6回目の冬がやってきます。こちらに来て本格的に始めたスキーも、6シーズン目を迎えます。昨シーズンは、雪不足で思うように練習できなかったので、今シーズンこそは適度な雪が長く降り積もることを期待しています。市民になって6回目の冬ですが、実は2回目の冬には、春になったら選挙に出よう!と考えて(悩んで)いました。冬が終われば、議員になって4回目の春がやってきます。宍粟市の選挙は、5月ですので議員任期の4年が終わることになります。あの時、思い描いていた未来が今目の前にあるか?選挙の時に言っていたことが実現しているか?と問われれば、とっても答えに悩みます。私が議員として動いたことで進んだことがあることは事実です。でも、自分の実績か?と問われれば、その部分とそれだけではない部分があるといった感じでしょうか?自分のやってきたことを堂々とアピールできれば良いのですが、この世の中、一人では何もできない(特に議員は…)と思いますので、アピールすることは控えます。これは市民の方々に判断してもらうしかありません。唯一言えることは、今までとは少し違う方向から風を吹かせることはできたかな?また、今まで光が当たらなかったところ(闇の部分も含めて…)に、光を当てることはできたかな?ということぐらいです。ここも最終的には、市民の判断に委ねます。

今までを振り返ると…
 この頃、議員になってからの4年を振り返ることが多くなりました。当然ですね、任期がもう直ぐ終わるわけですから…。同時に、宍粟市民になってからの6年、生まれてからの45年を振り返ることも多くなった気がします。静岡に生まれ、進学で長野へ、結婚で徳島へ、転勤で静岡へ一旦戻り、また転勤で兵庫へ…これまで10回?の引越しをしてきました。住民票をおいた自治体という単位で言えば、宍粟市が8つ目?の自治体です。宍粟市民になってからの6年(特に後半の4年)は、議員ということもあってか、自分は “よそ者” であるのだということを実感しました。鈴木という姓は、故郷である静岡県西部(とその周辺)に極端に多く、他の場所ではそれほど多くないようで、故郷を離れてからは数えるほどしか鈴木さんと知り合っていません。そこからもわかるようにどこへ行っても “よそ者” なのです。議員になってからはこの “よそ者” ということが、批判の対象になったり、逆にアドバンテージになったりと、これまであまり意識していなかった部分が強調された感じがします。以前、このブログでも書きましたが、私は “よそ者” であることをアドバンテージ(優位性)だと思っていますし、これからもこのアドバンテージをいかしていきたいと思っています。“よそ者” に対する批判については、ここに家を建てようが、墓を作ろうが、何年たっても、私自身は、“よそ者” と呼ばれ続けると思うので、反論する気はありません。私自身、“よそ者” であることを卑下したことは一度もありません。(いろいろと気を使って下さる方々も周りにいらっしゃいますので、胸を張って “よそ者” だと言うことについては、申し訳ないという気持ちはあります…。)これからも “よそ者” であることのアドバンテージを最大限生かしていきたいと思います。

アドバンテージ
 じゃあ何が “よそ者” の優位性なのか?と問われると、これも答えに悩みます。一つは、地元の方にとっては、当たり前のことが、当たり前ではないということ。良いことも、悪いことも地元の人には見えない(感じない)部分が、見える(感じる)ということ。これをまちづくりにいかせませんか?(地元の方にとっては利用してみませんか?という感じですね。)もう一つは、地元では躊躇してしまうことにも、チャレンジできること。地元だったら、良いもの、悪いものどちらにしても、いろいろとしがらみがあるようです。そのしがらみが、チャレンジを躊躇させる方向に効いてくることが多いような気がします。チャレンジは、枠から飛び出すこと、またその覚悟を伴うものです。その結果、総スカンを食らうこともあるかもしれません。しがらみが気にならない(そもそもしがらみができない)ところを、捨て身でチャレンジできる “よそ者” を、まちづくりに利用しませんか?使い捨てでも良いので…。今回のブログは、とりとめもない話になってしまいましたが、この頃、議員任期が終わる “春” に想いを馳せているのです。

2016年10月11日

“街宣” 第3ラウンド終了【報告】

医師を募集している波賀診療所
宍粟市では、この連休に秋のお祭り、地域の運動会などが行われました。きっと、稲刈りが終わり、農閑期に入る前にはこうして、みんなで労をねぎらう風習があるのだと思います。かつて住んでいた新潟県の山あいの集落でも、運動会がありました。そこでは自治会単位で応援合戦があり、長距離走があり、ビールの一気飲みを含む障害物競走があり、夜は地区の公民館で慰労会、同じ谷にある造り酒屋からはお酒が運ばれ、なぜか救急車が公民館に何度もやってくる…そしてしばらくすると深い雪に覆われ、雪かき、雪下ろしのシーズンがやってきます。
良い風習だと思いますが、年々、その参加者は減っているのではないでしょうか?こうした風習が逆に若い世代の足かせになってしまったら勿体ない…。人口減に特効薬はないと言われますが、そもそも自分たちの地域の免疫力?に賭け、なんとかしたいものです。

街頭宣伝活動
 5月より思いつきで始めた “街宣” ですが、第3ラウンドを終了します。地域の行事の関係で、今回は回れなかった地域もありますが、市内11カ所で “街宣” を無事終えましたので、ここで原稿をアップしておきます。
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 今回、街頭演説は3回目となります。今、地方創生ということが盛んに言われてますが、そもそもこの地方創生、なぜ今になって盛んに言われるようになったのでしょうか?そのあたりのことについて、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。そして、宍粟市のまちづくりを評価していただきたいと思います。
 戦後、欧米に追いつけ追い越せという風潮の中、高速道路や鉄道をはじめ大型公共事業が地方でどんどん行われました。都会へのアクセスが良くなったこともあり、都会への人口移動が起こり、政治、経済、文化の集中が起こります。高度経済成長ってヤツです。次いでバブル景気というお祭り騒ぎがありました。その頃は、リゾート施設やゴルフ場などが地方にどんどんできていきます。その頃まで、地方は都会へ人や物のを送り出すという機能が求められました。
 バブル期、1985年、昭和60年の国勢調査では山崎、一宮、波賀、千種の4町を合わせて5万近くの人口がありました。中国自動車道が全面開通したのもその頃です。そのあたりからずーっと人口減という将来が見えていたはずです。30年経った現在、宍粟市の人口は4万人を切りました。30年で約1万人、この1万人という数字、これは現在の一宮町、また波賀町と千種町を合わせたほどの人口です。このままじゃまずいなぁ〜という雰囲気は30年前からも漂っていたはずです。でも、いやいや経済は右肩上がりで成長するはずだ、人口も減りはしないと人口減という将来を見て見ぬ振りしてきたのだと思います。
 鉄道がなく、道路網が整備されていないから発展しなかったのでしょうか?私は逆に人口減がこの程度でおさまっているのは、ある程度不便だったからだと考えるようにしています。不便というと聞こえが悪いですが、もの、施設など都会に当たり前に溢れているような既製品が身近にないということは、自分たちでそれに代わるもの、それに匹敵するものを創り出す力になるはずです。それが地域の文化であると思います。今、求められているのはその蓄積があったかどうかです。
 例えば、新幹線の駅なんかを誘致した際、便利になって人が定着する一方で、便利になったからすぐに戻ってこられるので、生活の拠点を別に持とうという層も一定程度でてきます。また、今までは一泊していた人たちが日帰りになり、滞在時間が減り、当然、そこで使うお金も減ります。大都市圏と隣接しているところでは、都市部は土地も高いし、自然が少ないし、通勤通学できる範囲で生活の拠点を構えるということで人口流入も含め、定住が進むと思います。今、東京と隣接する千葉、埼玉の都市はどんどん人口が増えています。しかし、東京から少し離れると新幹線の駅があるようなところでも人口減に悩まされています。ですから、いま建設が進められている中国道の山崎ジャンクション、これが吉と出て、通勤通学に便利になったからということで人が定着するのか?それともたつの市、相生市への人口流出が加速するのか?どちらだと思いますか?ちなみにたつの市も、相生市も人口は減少していますし、これまで宍粟市からの転出も一定程度あります。宍粟市と比べて、どちらの町が魅力的かで、これは決まってくるのではないでしょうか?地方創生は、なんとなく地方の小さな町が競争させられ、人を奪い合うような感じがします。
 地方創生と一緒によく言われるのが、人口流出をせき止める “ダム” という言葉です。この地方創生のきっかけとなったのは、首都圏への一極集中が地方消滅を招くという例の報告書です。その中で言われていたのが、首都圏への人口流入をせき止めるダム機能が地方に求められるという論理です。宍粟市も、消滅可能性が高い都市として名指しされ、地方創生という人口争奪競争に駆り出されました。そして、例に漏れず宍粟市の地方創生の計画の中には、このダム理論が登場します。第1のダムとして波賀、千種、一宮の市民局単位を想定し、第2のダムは、山崎です。波賀、千種、一宮の第1のダムで人口流出を抑えられなければ、第2のダムである山崎に人を留め、宍粟市からの人口流出を抑えようという計画です。もう一つ第3のダムとして、姫路市やたつの市を中心とした西はりま圏域までを想定しています。つまり、人も物の川の上流部から瀬戸内海に向かって南に流れているのです。でも、人口流出をせき止めるのは川をせき止めるのと勝手が違います。源流部ではどんどん少子化が進んでいますから、言葉は悪いですが、大きな水溜りのような状態です。そこから少しずつ流れ出ているような感じなので、近い将来、ここが干上がってしまうのは目に見えています。これが町が消滅するということです。
 宍粟市で言えば第1のダムをまず整備しなければならないはずです。しかし、今せっせと作っているのは第2と第3のダムです。先日、閉会した9月議会では平成27年度の決算が審査されましたが、真っ先に整備しなければならないはずの第1のダムについては、ほとんど議論に上がってきませんでした。出てくるのは第2と第3のダムの話ばかりです。私の感覚では、私が議員になってから、宍粟市は、第2のダムも通り越して、第3のダム作りに熱心になってきたような気がします。姫路市、たつの市との連携強化です。これがどういうことを招くか?第1のダムが整備される前に、一宮、波賀、千種は干上がってしまうということ、その前に第2のダムができれば辛うじて宍粟市の人口流出は山崎で止まるかもしれませんが、結果としては、第3のダムである姫路市、たつの市の人口減が緩やかになる程度でしょう。国は地方分権、市町村合併を推進する際、目標を全国の市町村を3,000から1,000程度にしようとしていました。またその規模は人口でいえば20万人前後、この規模が都市の運営としては、効率的であるという論理もそこには潜んでいます。兵庫県はおそらく、東側で神戸市を中心とした都市圏、西側で姫路市を中心とした大都市圏に収斂されていくと考えられます。そうなった時、宍粟市はどうなっているのでしょう。国が予測したように消滅してしまっているのでしょうか?本当にそれで良いのでしょうか?
 宍粟市は国や県の交付金、補助金、また借金に頼っている部分が大きく、年間予算の約7割はこうした依存財源です。国からの仕送りが減って困っている、県が面倒見てくれないから事業ができないというフレーズがよく登場しますが、これは中央集権に慣れきっている、国や県に頼りきっていることを表しています。宍粟市は、自分たちで判断することを避け、国や県に判断自体を投げています。住民は市町村よりさらに下層に位置されるので、住民は「こうしたい」という判断もさせてもらえません。また、判断材料すら与えられないままお上の言うことに従わざるをえない状況が続いています。求めていない政策が進められ、求めている政策は進まない。みなさん、それに気がついているのではないですか?
 これから合併という国策に応じたということで、ある程度優遇されていた地方交付税は人口減も手伝って、どんどん減っていきます。また、有利な起債、借金しても7割は国が返してくれるもんねーと、安易にどしどし使っている合併特例債も使えなくなります。その前に、税金の使い方を根本的に変えていかなければなりませんが、その兆候すら見られないのが今の宍粟市です。別に財政難ではないのです。今の使い方では、地方交付税の優遇措置が終わり、合併特例債の発行が出来なくなる時点でのショックに耐えられないと思います。政治に関わる者の、今がよければそれでいい、将来のことなんか知ったことではない、次の選挙に通ればそれでいいという考えがその背景にあります。そのタイミングは合併から15年後の2020年、平成32年にやってきます。次の市長任期、議員任期が終わるのとほぼ同時です。今、市政の中心になっている市役所の部長さんや、課長さんが退職する頃でしょうか?ここを睨んで今、財政構造を変えておかないと一気に町は崩壊していきます。その危機感が市長をはじめとする行政、議会にあるとお思いでしょうか?
 選挙で市長、議員を選ぶということはみなさんから税金を集める権利、みなさんのお金である税金を使う権利をその人に与えるということです。これからどんな町を作っていくか?作っていきたいのか?ここがとても重要です!どんな町を次世代にバトンタッチしていきたいのか?皆さんの声をもっともっとお聞きしたいと思います。ぜひ、その声を届けていただきたいと思います。どうか「どうせ言っても無駄…」なんてことは思わないでいただきたい。声を上げることをあきらめないでいただきたいと思います。誰に投票したって一緒、また投票に行かないということは、将来に対する責任を放棄したことになります。これからもこのような形で市内のあちこちに出かけて、宍粟市の将来を一緒に考えていきたいと思っています。
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 第3ラウンドが終わりましたので、第4ラウンドをしながら、1〜3までの原稿をまとめて、ロングバージョンとし、これまで回れなかった地域、普段はなかなか回れない地域に出かけようと思います。

医師を募集しています
 今回、紹介した画像は、国民健康保険波賀診療所(Googleストリートビュー)です。常勤のお医者さんが退職され今は、非常勤医師による診察となっていますが、それも11月上旬までのようです。その後のことは聞いていません。(「9月から週2日の診察になる」という情報しか聞いていません。議会に一言この状況を伝えていただきたかったものです…。まぁ議会の扱いなんてそんなものです。これって市がこの地域を軽く扱っていることと同じことです。ホームページにこそっと書いてありますが、その情報にたどり着ける地域住民がどれだけいるでしょうか?)医師募集は、継続されていると思いますので、ここからもお願いをしておきます。過疎化、少子高齢化が進む波賀地域を医療面から支援していただけるお医者さんを探しています。住み慣れた地域で安心して暮らしていきたいという住民の願いをご理解いただき、良いお医者さんがこの地域に来ていただけることを
願っています。ここを利用される方のニーズは、多岐にわたります。できれば総合診療医の先生に来ていただけると良いのですが…。【医師募集に関する市からの情報

2016年10月8日

本当に大丈夫?【雑談】

宍粟市では、秋も深まり、朝晩は涼しいを通り越して寒いと感じるようになりました。今まで事務所(自宅の一室…)で、仮眠をするときは、夏用シュラフで事足りたのですが、そろそろ冬山登山用のシュラフが登場しそうです。この前、修士論文でバタバタしていた時には、そのシュラフを使っていましたが、あれから半年以上が経過したことになります。ということは、議員任期も…来年5月までおよそ7ヶ月です。議員任期4年間、48ヶ月のうち85%以上がすでに終わったことになります。今回の画像は、小学校での “読み聞かせ” で読んだ、絵本です。いつか忘れましたが、本屋さんでぼーっと眺めていた時、「絵も文もなかなか良いな…」、「そう言えば今年は、読み聞かせにチャレンジするんだった…」と思い出し、買っておいた絵本です。『ライフタイム』というタイトルですが、日本語では生涯、一生、寿命あたりが該当するでしょうか?そして、このお話の背景には、“平均” という概念が横たわっています。

寿命
 “寿命” と言うことで思い出したことがあります。今日のニュースで、過労死のことが話題になっていました。ある広告代理店に勤めていた当時24歳の女性が、入社して1年経たないクリスマスの日に自死を選んだこと、そして、最長月130時間の残業などによる過労死として労災認定されたことが報道されました。まずはご冥福をお祈りすることしかできませんが、ご遺族がおっしゃっていたように「命より大切な仕事はありません。過労死が繰り返されないように強く希望します。」同感です。現在、日本人女性の平均寿命は87.05歳、男性が80.79歳(いずれも2015年)です。住むところによって、気候、食生活などの生活環境、医療や福祉などの文化水準などの違いが、平均寿命の長短に影響をあたえます。過労死が認められた女性は、24歳/87.05歳、人生の3分の1を終えないで、自ら死を選んだということです。介護が必要だったり、日常生活に支障が出る病気にかかったりする期間を除き、自立して過ごせる期間、いわゆる “健康寿命” は、日本人男性が71.11歳、女性が75.56歳(いずれも2015年)と報告されています。24歳/75.56歳、健康寿命から言っても3分の1です。ちなみに兵庫県、また宍粟市は、平均寿命、健康寿命ともに全国平均を下回っていたと記憶しています。都道府県別で言えば、脳卒中による死亡率ワースト1位だった長野県が、今は男女ともに長寿日本一です。寒冷地で新鮮な野菜の代わりに野沢菜などの漬物を食べる=塩分が高い、海から遠いので魚が入手しにくい=タンパク質不足、冬は雪が多い=運動不足…確かに、今盛んに言われている “健康” とは、遠い生活をしてきていたのは確かです。でも、長野県が長寿日本一になったのには、住民を、また地域をしっかりと見つめてきた “自治体” の努力があったことは言うまでもありません。

時間外勤務
 また平成27年度決算の話に戻りますが、決算審査の中で市役所職員の時間外手当のことを質問しました。平成27年度の時間外勤務手当、最高支給額は270万円、時間で言えば年904時間…年904時間を単純に12で割れば、月75時間以上の超過勤務、月20日勤務として、1日3.8時間です。出勤している日は毎日、夜9時頃まで仕事をしていることになります。これは平均ですので、コンスタントに月75時間の超過勤務であるはずはないので、それより多い月、少ない月があることは容易に想定できます。
 “過労死” として、労災認定される基準は、月に80時間(月に20日出勤とすると、1日4時間以上の残業・12時間労働)とされています。この月80時間というのは、健康障害の発症2~6ヶ月間で平均80時間を超える時間外労働をしている場合、健康障害と長時間労働の因果関係を認めやすいという目安だそうです。一般的には6カ月を平均して45時間を超える時間外労働が行われた場合、健康障害と業務との関連性は強まっていき、これを超えて時間外労働時間が長くなるにつれて、その因果関係はより強まっていくとされています。
 この904時間、月平均75時間超…中身はよくわかりません。タイムカードを押さず、ぼーっとして過ごしていたのかもしれませんし、日中の勤務を相当効率よくこなしてもなお時間が足りなかったのかもしれませんし、同じ部署の職員で手分けしても時間内には終えないほどの仕事があったのかもしれません。もしかしたら、仲間は退勤後の時間、また余暇を思い切り満喫している影で、一人仕事を押し付けられていたのかもしれません。一度、26年度だったと思いますが、一般質問で同様の質問をしたことがあります。その時より最高支給額、最長時間は増えています。“悪化” していると考えて差し支えないでしょう。管理職は、この辺りの調整も含めて管理職なのでは?時間外勤務手当の総支給額は、平成27年度で1億8,379万円です。管理職手当の総支給額は1億480万円です。給料など全て合わせると、54億9,870万円…。ちなみに市税は46億5,902万円ですが、職員の給与や手当などが市税を大幅に上回っていても「そんなこと知ったことではない」でしょうか?

2016年10月7日

平成27年度決算を終えて【報告】

 
穏やかな朝…波賀小学校から町を望む
宍粟市議会定例会(9月議会)も、9月30日に平成27年度決算を認定して閉会しました。一般質問については、ちらっとこのブログでも取り上げていますが、11月中旬に配布される “議会だよりvol.45” をご覧ください。私は、平成27年度決算すべてを認定(賛成)させていただきました。そして、一般会計決算の認定について “賛成討論” もさせていただいたので、まずはその原稿をアップしておきます。
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 第93号議案「平成27年度宍粟市一般会計歳入歳出決算の認定について」賛成の立場で討論させていただきます。
 平成27年度の一般会計においては、前年度と比較すると歳入で、約10億9,100万円、歳出で、約10億2,300万円の増加となっています。
 歳入の内訳を見たとき、市税などの自主財源は相当な目減りをしているものの、消費税増税による税交付金の増、2億1,800万円や、県支出金の増、1億2,800万円など依存財源が歳入増の主な要因となっていることは、見過ごすことはできません。
 そして、市債の発行額は、平成25年以降あがり続け、27年度においては約34億7,500万円で、平成26年度よりも6億3,200万円の増となっています。自主財源ではなく、文字通り、依存財源に頼った財政運営、特に市債の発行を増やすことで、歳入が増えているように見せかけているような状態です。
 歳出においては、農林業や商工業の振興、地域振興に係る費用、特に市民の自主的主体的な活動に開かれているはずの助成金の執行率が悪かったり、そこの歳出が減っていたりしています。決算状況からは、地方創生、市民の参画と市民との協働によるまちづくりが進んでいるとは到底考えられません。
 主な事業について、具体的な目標や成果を測る指標が用意されていないことは、これまでの決算と同様です。
 また、具体的な目標を掲げているにも関わらずそれを達成できていない、または決算時に当初の目標との対比を報告していない事業があることもこれまでと同様です。当初予算から増額補正しているにも関わらず、決算額、事業量、数値目標が当初の予定を下回っている事業も散見されます。
 何度も申し上げている通り、事業の成果や税投入の効果をどのように測って執行状況を確認していくのか、最終的にどのような指標で評価をするのかを示す、また進捗状況をチェックできるような物差しを用意するのは、執行部の責任でもありますが、議決機関である議会の責任も大きいと考えます。ただし、24年度決算に始まり、28年度当初予算の審議の中で、議会から同じような指摘を何度繰り返しても、改善が見られない状況を鑑みると、決算を認定しようがしなかろうが、住民自治の側にいる議会の意見、提言は今後も市政に反映されることはないと考えます。
 それでも、当初予算、補正予算の審議過程、また1年間を通して委員会などで事業の進捗状況のチェックや評価をする過程で、具体的な目標や成果を測る指標を議会が用意できなかった以上、決算は認めざるを得ないと考えます。以上、平成27年度一般会計歳入歳出決算の認定についての賛成討論とさせていただきます。
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 これで賛成?と思われる方が大半だと思いますが、私が4年弱の議員生活で感じていることは、議会も行政も “末期症状” だということです。いくら言っても改善されない、議会も行政も住民を、地域を見ていない。つまり支援すべきところが見えていない…。どこかの力(票?)のある方々の顔色だけを伺い、自己保身(または「頑張ってやっています」というアピール?アリバイ作り?)のために税金をどんどん使っているだけです。こんな町に若者が定着するはずがありません。それは、この町に未来がないことと同じことです。決算同様、認めたくはありませんが、認めざるをえない現実だと思います。ただし、あきらめたわけではありません。本当にそれで良いのか?というのは別の議論として、任期が終わるまでは、しっかりと訴えていきます。

2016年9月25日

何も変わらない…【雑談】

宍粟市では、この週末も運動会をするところがあったようです。また、これから敬老会(すでに終わった地域もあるようですが…)も各地で行われます。昨日24日は、中学校の運動部は新人戦かな?老若男女、いろいろと行事が多い “秋” です。私自身としては、趣味でしているマラソン、そのシーズンがやってくる “秋” です。夏にやってしまったギックリ腰の余韻がまだ残っていますが、無理をせず、楽しもうと思います。今シーズンは、5年ぶり?5回目?のフルマラソンに挑戦できそうです。

何も変わらない
 今回のブログタイトルは、 “何も変わらない” です。選挙前からこれまで7回、会報を出させていただきました。最後に発行してから1年が経過してしまったので、そろそろ次の号を発行しようと考えています。個人または個人的な政治団体の会報は、政務活動費(今話題の…)が使えないので、お恥ずかしい話ですが、家計と相談しながらの発行となります。なかなか厳しい状況が続いており、ここ最近はお金のかからないSNS、ブログ、街宣などを中心に政治活動を行っています。もちろん、議員活動(昨年6月より、常任委員会の委員長をやっているので、そちらも結構忙しいです。)の方を優先しています。会報第8号発行前に「そうだ、これまでの会報を読み直してみよう。」と思い、在庫を引っ張り出しました。読み返してみると…1号を発行した2013年2月から、言っていることは、ほとんど変化がありません…。これを成長していないと見るか?初志貫徹?と見るか、悩みます。基本的に、税金の使い方がおかしいのでは?このままでは、地方交付税縮減の時、困りますよね?子どもを含む若者、子育て世代を元気にしなければいけないのでは?ということが中心ですね。2013年2月末、住民基本台帳人口は、41,949人。現在、2016年8月末、39,521人となっています。あれから2,428人が減ったことになります。きっと、若者がその大半を占めるはずです…。昭和60年(1985年)の国勢調査では、合併前の4町を合わせると48,980人。平成27年(2015年)の国勢調査では、37,792人。30年で10,000以上、人口が減ったことになります。人口減、加速していませんか?今までがそうだったように「これから先も何とかなるよね〜。」と思っている方が多いのかもしれませんが、このままでは「何ともなりません。」だって、将来を担っていく、支えていく子ども、若者がどんどん減り、税収が減り、合併に関する優遇措置がもう直ぐ終わりますから…。

なぜ若者が減るのか
 「なぜ若者が減るのか?」学校が少ない、仕事が少ない、娯楽施設が少ない…と言われますが、少子化がここまで進んでしまうとどれも地方にはハードルが高いです。どれも外的要因ですし…。でも、それだけでしょうか?はっきり言うと、若者が感じるであろう独特の “息苦しさ” があるからだと思います。これは内的要因です。こんな考えに賛同いただけるかどうかはわかりません。薄々感じてはいるけれど、見て見ぬ振りをしてきた、口をつぐんできた部分だとも思いますから、きっと反発の方が多いでしょう。宍粟市の人口ビジョン(将来の目標)は、「2060年に33,000人」ということになっています。どんな年齢構成か、それぞれの地域がどのくらいの人口か…そのあたりは全く考慮されていません。44年後?現在、45歳の私もこの世にいるかどうか微妙です(きっといないな…)。そこをめざす、地方創生の計画に若者の意見が全く反映されていません。厳密に言えば、44年後を想定すると、現在の乳児か、まだ生まれていない世代が町の中心にならなければいけないのですが、その層の意見を聞くことはできません。それでも今の若者、子育て世代ならばこれから歩んでいく30〜40年は不安もあるでしょうが、リアルに想像できる(想像しなければならない)時間であると思います。いろいろ忙しい世代でもあり、投票率も低く、市民アンケートの類にも回答率が低い世代なのでなかなかその声が聞こえません。いろいろな審議会、委員会というものに公募枠が用意されているのですが、人数も少なく、平日、昼間の会議が中心の審議会、委員会には若者は応募できません…。実際の審議会、委員会を見ても若者、子育て世代が発言できる雰囲気ではありません。もし、発言したとしても「それは無理」とか「そんなことも言ってもしゃーないだろ」とか、一蹴されてしまいます…。それが  “息苦しさ” です。私のこれまで経験では、OB(悲しいかなOGは少ない…)などが、肩で風を切って突然やってきて、「わしのことを知らんのか?」みたいな姿勢でズカズカと自分のエリアに入ってくることがありました。OBの方々もかつては同じような “息苦しさ” みたいなものを感じていたはずなのに、なぜか繰り返されていくものなのです。(もしかしたら憧れていたのかな?あんな風になりたいと…。)その漠然とした “息苦しさ” を、次の世代には感じさせないようにしようと思い続けられれば良いのですが、いつの間にか「自分も若い頃はそうだった」となってしまうか、無意識にその “息苦しさ” から、距離を置くことになります。そこから脱却するのは、とっても難しいことです。そして大きな変化を伴いますので敬遠されます。結局は「今が良ければそれでいいじゃないか、今までもそうだったし…」となっていきます。そして若者には光が当てられないまま時間が流れていきます。光を当てたくても若者はそこにいません…。私が思うのは、これから先も見て見ぬ振り、口をつぐむことでは「何ともならない」ということです。じゃあどうしようか?を考えられる層を掘り起こし、増やしていく地道な作業、これが私のしたい “政治” なのかもしれません。

2016年9月23日

宍粟市の未来は?【雑談】


 宍粟市では、ほとんどの幼稚園、小中学校が9月中旬に運動会、体育祭をしています。中には、幼稚園や保育所、小学校、中学校、高校の合同(組み合わせはいろいろです。)で行う地域もあります。
 私が住んでいる地域では、中学校は11日に予定通り開催され、小学校は18日の予定が、雨で19日に、幼稚園は雨でしたが22日に行われました。私が子どもだった頃は、運動会は10月、体育の日前後に行われていた記憶があります。10月10日は、1964年
の東京オリンピックの開会式があった日、晴れの確率が高い日だということを聞いたことがありますが、それは都市伝説みたいなものらしいです。そして、暑い時期に練習することが、熱中症などいろいろトラブルの原因になり、春開催になったりもしています。2学期制を導入する学校も増え、いつの間にか9月に開催されることも多くなってきました。でも、3学期制のところでは、夏休み明けからだと練習時間が少なかったり、9月は気候が安定しなかったり(残暑、台風…)と、それはそれで色々あります。組体操の事故なども含め、そもそも何のための運動会かを振り返る時期が来ているのかもしれませんね。余談ですが…最近、運動会の開会式で「感動を与えて欲しい」っていう言葉を耳にすることが多くなった気がします。子ども達が頑張った結果、その姿を見て感動が沸き起こることがあるだけであって…。子ども達に要求することではないと思います。もしドラの影響かな?

9月議会も終盤
 8月31日に開会した9月議会。一般質問が終わり、決算以外の議案の採決も終わりました。決算審査がほぼ終了し、最終日に認定するかどうかの採決が行われます。一般質問、決算審査を終えて感じたこと(これまでも感じていたのですが、任期終盤ということもあってか、とどめを刺された感じです…)は、市内での一極集中を容認し、さらなる広域合併を視野に入れているなこの人たち…ということです。明確に言葉にしたというわけではないのですが、いろんな場面での答弁にそれがにじみ出ていました。合併に対する特例的な措置がなくなる平成33年からのことは、知りません…ということです。歳入不足で赤字決算が行われるかも…、水道料金はあと3年はこの金額で大丈夫だけどその先は…、京阪神への通勤通学補助?南部に住んでいなければ使えません…、いろいろな補助金?地縁団体(またそこと繋がりがある団体)でなければ使えません…、今ある公共施設の維持管理?この先どうなるか予測がつきません…、教育施策?先生が満足していればそれで良い…、色々な事業の参加者、補助金の申請が少ないのは?周知不足…などなど、すべてにおいて、若者、子育て世代、今の子ども達や将来世代のこと(特に北側に位置する地域のこと)なんかこれっぽっちも考えていないのでは?と突っ込みたくなることばかり…。
 一般質問では、今回もパネルを持ち込んで質問しました。(今回、紹介した画像です。2015年以降の予測部分は、この前の国勢調査で国の予測をかなり下回ってしまったのでなかなか難しく変な動きになってしまいました…)いろいろな場面で「宍粟市は広いから…」と言い訳するなら、最低でも旧町域(できれば中学校区)で、その特徴を分析し、その特徴にあった政策を打っていくべきとずーっと主張(提案)していますが、それをしようとはしません。どちらも国勢調査のデータを基にしたものですので、市役所内部の会議では同じようなものが共有されていたらしいですが、公表されていません。それって “不都合な真実” ってやつだということでしょうか?人口減の原因は、仕事がないから…って言いますが、私は、それも認めた上で、人口減の背景には、“若者がチャレンジできる雰囲気”、“若者のチャレンジを認める寛容さ” の欠如が潜んでいるように思えてなりません。聞いたところによると、市役所職員の若手からの提案はことごとく上層部で却下されているようですし…。人を育てることに時間、お金、先人の知恵、年長者の経験や知識を使うことこそが “まちづくり” です。今回、そのことを確信しました。そして、それができていない町の姿を目の当たりにしました。行き着く未来…これがリアルに想像できた次第です。40代(若者の部類かな?)、しかも市民になって6年目の私が感じたことは “却下” でしょうが…。街宣でもこのことは地道に訴えていくつもりです。

2016年9月2日

今の宍粟市は…【議論】

 宍粟市では、9月に入り朝夕は肌寒いくらいです。子ども達の夏休みは終わり、2学期がスタートしました。宍粟市議会では、9月定例会が、31日にスタートしました。これからの季節、気になるのは台風です。先日の東北、北海道などに災害をもたらした台風10号…。岩手では高齢者グループホームで9人の方々が亡くなりました。他にも車で流されたりと相当な雨が降ったようです。亡くなられた方々のご冥福、被害に遭われた方々が1日でも早く平穏な日常を取り戻されることを心からお祈りします。今回の台風に関する報道でも、想定していなかった量の雨が降ったとか、想定を上回る速さで浸水したとか「想定を上回る…」という言葉が聞かれました。そんな災害が何度も起こっています。

安心・安全
 国交相は最近、「過去最大規模」「1000年に一度」の降水量に基づいた、新たな洪水浸水想定区域を公表しました。宍粟市も揖保川という1級河川が市のど真ん中を流れているので、これまでの想定を見直さなければなりません。堤防なんかのいわゆる “ハード” は、お金も、時間もかかるので追いつきませんが、避難訓練やハザードマップの見直しなどいわゆる “ソフト” で、被害を最小限に食い止めなければなりません。明日にでもこの「想定を上回る…」大雨や地震がやってくるかもしれませんから…。宍粟市で今年度進められている「わがまち防災マップ作成講習会」という事業があります。これは自主防災会=自治会の災害に関する情報を共有する、正に “ソフト”  に関わるものなのですが、これまでの洪水浸水想定を基に作成するとのことです。新たな洪水浸水想定に対し、「ハード面の対応はまだまだ時間がかかるので、ソフト面で対応する」と明言していたはずなのに、この「わがまち防災マップ」は従来の想定で作成する?行政の防災担当者が、このような言行不一致(?)状態で “安心・安全のまちづくり” なんてよく言えたものです。そして、議会も「あーそうですか」とこの状態を見過ごしてしまうのです。行政によるこのような言行不一致や発言の矛盾は、まちの信用を損ねます。また、それをチェックしきれない議会も同様です。

合理的配慮
左:平等、右:公正(出所不明)
今回、紹介させていただいた画像は “平等” と “公正” の違いを表しています。ネットでは、『「平等」は自由と共に民主主義社会を形作る重要な考え方。しかし公正取引委員会などの組織があるように、似ているようには感じながらも少し違う使われ方をする「公正」という考え方も存在しています。そしてこのふたつ、ぼんやりと同じようなことを言っているように見えて、実は大きな違いがあります。例えば国や地方自治体が誰かに対して補助を行う時、平等に行うのと公正に行うのでは全く違う結果になります。』(http://buzzap.jp/news/20141111-equity-vs-equality/)との説明がありました。実は、去る8月26日に宍粟市波賀町で「ともに生きる地域づくり講演会」というものがありました。「だれもが住みやすいまちづくりをめざして〜障害者差別解消法と合理的配慮〜」と題された講演会では、いろいろと考えさせられました。耳が痛かったと言った方が正確かもしれません。この、“合理的配慮”  という言葉、平成25年6月、障害者差別解消法(正しくは「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)が制定され、平成28年4月1日から施行されたことに伴い、よく耳にするようになりました。“合理的配慮”  とは?講演会の資料によると…「個別の場面で、社会的障壁のために権利侵害されている人が、(こうしてほしいと)意思を表明することをきっかけとして、(表明した側と表明された側が対話しながら)社会環境の側を変更・調整する(必要な手立てをする)こと」だそうです。心に残った部分(ポイント)を資料から抜粋して紹介します…障害を克服するのは本人(と家族)の責任であるという考え方から、社会のバリアをなくすのは社会全体の責任であるという考え方に変わった。障害者だけの「権利」は一つもない。従来、障害者の声を「抜きに」(=意見を聞かず)障害者政策が決められてきた。自治体は「合理的配慮」を行うことが義務などなど…。これまでも公共交通のバリアフリー化がなされていないことや、職員募集の中に事務職C(身体に障がいのある人)という枠があるのですが、受験資格の中に「活字印刷文による出題及び口頭による面接に対応できる人」という項目があること、教育に関する計画の中に「本人の障害克服」に関する記述があること、市の発注した工事で、囲いや車両が点字ブロックの上にドカンと置かれていたことなどなど、この講演会の話を聞きながら行政に改善を要求した事例を思い出しました。そして、この障害者差別解消法や “合理的配慮” の話を聞きながら、今回紹介した画像のことを思い出しました。国や地方自治体が誰かに対して補助を行う時、“公正” に行う必要があります。画像の場面で言えば、みんなが野球を見るというスタートラインに立てるようにしなければなりません。これは障害者に限ったことではなく、みんなに言えることです。しかし、今の宍粟市では…みんなが野球を観れるどころか、見られない人がいるのに、その横で力のある層はネット裏の特等席で観戦できている(優遇されている)って感じでしょうか?政治の役割は、そんな社会を正していくことだと思うのですが、間違っていますか?国政ではなかなか身動きが取れないかもしれませんが、地方ならそれができると思うのですが、浅はかな考えでしょうか?

2016年8月30日

“街宣” 第2ラウンド…【報告】

 
宍粟市では、秋の空気が充満し始めました。夏休みも明日で終わり…。自分が子どもの頃は、夏休みといえばとにかく家にはおらず、毎日外で遊んでいました。その結果、新学期直前に泣きながら宿題を仕上げたものです。歴史は繰り返される?9月議会が31日から始まるのですが、準備不足は否めません…。5月から思いつきで始めた “街宣” ですが、徐々に慣れてきました。このブログもそうですが、自分の考えを文章にしたり、演説で話したりすることで、「あぁ、私はこんなこと考えて、政治の道に進んだのだなぁ〜」と振り返ることができます。この3年ちょっとの間、私は初心を忘れず進んできたのか?自分に問いかけながら任期いっぱい “街宣” を続けようと思います。第2ラウンドを終えましたのでその内容(抜粋&ちょっと修正)をここで公開しておきます。
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 皆さん、前回の街頭演説では、宍粟市の人口減少、人口の世代間、地域間のバランスが崩れていることの意味や影響について、またそこに果たすべき政治、政治家の役割について大雑把な話させていただきました。今回は、この人口減少の時代(宍粟市は人口減少非常事態宣言が出されていますので特に真剣に考えなければなりませんが、非常事態宣言を出した側に真剣みが感じられないということはさておき)に政治家に何が求められるのか、住民の皆さんに何が求められるのかについてお話し、お願いをさせていただきたいと思います。

 前回、人口減の問題は道路、上下水道などの公共施設や補助金なんかの制度を維持していくために人口が減っては困るというお話をしました。人口減はイコール税収減です。また、人口が減ると国から地方交付税というものも減ってきます。これまで公共事業が地域の経済を支えてきたという認識の町では、人口減、税収減が公共事業の減につながりますので、経済の衰退につながります。その真偽はよくわかりませんが、これまでたくさんの公共事業がされてきたと思います。そこに多くの税金が使われていますが、それほど地域の経済が良くなった感じはしないと思います。公共事業は基本的に国の補助金などを活用しています。つまり国の経済対策です。地方の人口が減っていく中で、公共施設を維持してかなければならいという点に国も、地方も考えが至っていなかった、目をつぶってきたと思います。その証拠に国が作れ、作れと指示してきた公共施設の再編計画が宍粟市でもやっと出来上がったところです。しかし、その再編計画を作る一方、人口がどんどん減っていく中、大きな公共施設を新築しています。人口が増えている、また地域経済が上向きであるならまだしも、言葉は悪いですが、人口、地域経済がしぼんでいっているのに目の前の合併特例債という、国が地方にばらまいたアメちゃんというか、目の前にぶら下げられた人参に向かって後先考えずに突っ走る光景は、滑稽なものです。これまでと同じ道を行こうというのでしょうか?それとも将来のことなんか知ったことではない、今がよければそれで良い、政治家にしてみれば次の選挙に通ればそれで良い…と思っての行動でしょうか?行政、市長が突っ走ったら、議会がブレーキにならなければいけないのですが、一緒にアクセルを踏んでしまうのが今、宍粟市で行なわれている政治です。

 議会中継を見たり、聞いたりしていただければ良くわかるとは思うのですが、宍粟市は広くて公共施設が沢山あるのでその維持にかかるコストが他の町に比べて多いとか、宍粟市は広いから行政サービスに地域差が出ても仕方がないという論調がよく登場します。また、宍粟市は国や県の交付金、補助金に頼っている部分が非常に大きいので、国からの仕送りが減って困っている、県が面倒見てくれないから事業ができないという論調も同様です。挙げ句の果てに、宍粟市ではできないことを自治体間の連携という形で姫路市やたつの市に頼っている姿、最近では宍粟市よりも人口が少ない美作市にまで寄りかかって行こうとしているように感じます。姫路、たつの、美作にとって宍粟市はどう見られているのでしょうか?自分たちの地域が発展するための良きパートナーなのか?単なる搾取の対象なのか?市町村合併から10年で、宍粟市の周縁部の過疎化は留まるところかどんどん加速し、衰退していった姿を見ているのにもかかわらず、西はりま市のような、さらなる広域合併を期待しているような姿勢で今の宍粟市を持続、発展させることができるはずはありません。ここにも将来のことなんか知ったことではない、今がよければそれで良い…という考えが見え隠れします。現役の市長、議会議員は現在のことだけではなく、将来に対する責任を負っています。どちらかといえば将来に対する責任の方が重いと言えます。こう申し上げれば自ずと政治家に求められる資質がわかっていただけるかと思います。

 人口減の時代に政治に求められるのは、まさに地域への誇り、住民の生活を豊かにしようという気概、そして将来に対する責任を取る覚悟です。また、これまでのような物質的な豊かさだけを追求していたのでは、いくら税収があっても追いつきませんから、豊かさ自体の考え方の転換も求められているのです。もちろんそれは主権者である住民の皆さんにも同様のことが言えます。私がこちらに越してきてから6年目になりますが「子や孫にこの町に残れとはよう言わん。」という言葉をよく耳にします。住民の中にも地域への誇り、より良い町を次の世代にバトンタッチしなければならないという気概が薄れていっているように思います。これは人口減少にとってとても大きな要因です。自治会単位でも補助金があるからこれをしようという感覚、地域での必要性云々の前に補助金があるかないかでまちづくりが行なわれている実態があります。行政、議会がそのような考え方で動いていることが地域に反映されていく、まさに政治の作用です。

 何でもかんでも行政に頼る姿勢は、長年の政治作用の中で刷り込まれてしまっているので、そこから脱却することは難しいことかもしれませんし、国や県が面倒見てくれないから、市は発展しないのだという行政、議会の考えは、市の補助金がないから地域は何もできないのだというところにつながっていきます。政治家の端くれとしては、まずは政治家の意識改革が必要なことは重々承知の上でお願いがあります。地元の道路が良くしたとか、地元に公共施設ができたのは私のおかげとか、市の補助金を地元に持ってきたとか、今はもうないとは思いますが就職を斡旋したとか口利き、利益誘導を自慢するような政治家は、皆さんのためにはならないことを理解してもらいたいのです。特に宍粟市の将来にとってはマイナスでしかありません。将来のことなんか知ったことではない、今がよければそれで良いのでしょうか?

 ここは繰り返して申し上げます。政治の役割は、大雑把に言えば世の中を見渡し、出っ張っているところを削って、凹んでいるところを埋める地道な作業です。これは道路や土地の造成の話ではなく、お金の集め方と使い方の話です。切磋琢磨というレベルの自由競争も進めつつ、不均衡をならして、みんなが同じスタートラインに立てるようにしなければなりません。宍粟市の場合、とっても広大で、地域によって気候も違うようなところに、4万人という人がバラバラに住んでいますので、相当な調整力が必要です。しかし、今の宍粟市はというと、出っ張ったところはより出っ張り、凹んだところは、さらに凹んでいくという、政治本来の作用とは全く逆のことをしているよう思えてなりません。国を頂点に、県、市そして最下層に住民をおくような、中央集権意識から脱却できていないところが、他の町に大きく後れを取っている、人口がどんどん減ってしまっている原因のように思います。住民を最下層に位置させ、お上の言うことに従えって云うスタンス、もうそろそろ終わりにしませんか?これから先もそれで良いのですか?主役は一体誰なんでしょう?

 これからどんな町を作っていくか?作っていきたいのか?どんな町を次世代にバトンタッチしていきたいのか?皆さんの声をもっともっとお聞きしたいと思います。ぜひ、その声を届けていただきたいと思います。どうか「言っても無駄…」とか「政治家なんて誰を選んでも一緒…」とか思わないでいただきたい。声を上げることをあきらめないでいただきたいと思います。
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 ということで、次からは第3ラウンド…。現在、市内12カ所で15分程度の “街宣” していますが、国道から枝分かれした先端部の地域については、第1ラウンド、第2ラウンドの内容を含めて、少し長めの “街宣” をしようかと計画中です。

2016年8月26日

9月議会を前に【雑談】

 
 宍粟市は今日(書いているうちに日付が変わってしまいました…)も残暑厳しかった(でしょうか?)私は大阪で開催された “子どもたちにツケをまわさない「公会計」ー公会計の理論!税をコントロールする公会計ー” という研修に参加させていただき、宍粟市を離れておりました。宍粟市から高速バスに乗って、神戸三ノ宮へ、そこからJRで新大阪へと移動しました。都市部と山間部では、暑さの質が違いますね。気温も随分と違うと思います…。
 
ブログの更新がちょっと停滞
 前回の更新が7月31日だったので、8月に入ってやっと更新ができます。5月末から “街宣” を始めたこともあり、ある意味、街宣でエネルギーを発散してしまったので、じっくりとブログに向き合うことがおろそかになっていたのかもしれません。そこは反省…。“街宣” は、これまで18回させていただきました。最初は、場所を見つけること自体が手探りでしたが、市内で12カ所が確保(というか、可能な場所が12カ所見つかったということです…)できました。この活動は、残された議員任期(約8ヶ月間)中は、ゆる〜く続けようと思っています。
 
出典:宍粟市ホームページ
定住促進?
 今回の研修に参加するにあたって(宍粟市民になって初めて)神戸行きの高速バスを利用しました。そして、最近整備されたパークアンドライド駐車場(無料)も利用しました。これまでは神戸、大阪方面に出かける時は車で播磨新宮駅に行き、有料駐車場(400円/日)に車を停めてJR姫新線で姫路へ、そこから神戸、大阪方面に出かけることが多かったので少しは便利になったかなぁと思います。しかし、このパークアンドライド駐車場…「県有地跡地活用整備事業」の一部なのですが、県から土地を買ったり、造成したり、トイレを作ったりでザッと1億2,000万円ほどが既に使われています。全部がこの駐車場整備にかかったわけではありませんが、宍粟市民37,792人で割ると赤ちゃんからお年寄りまで、市民一人当たり約3,200円を負担していることになります。しかし、この事業の受益者はどれほどいるのでしょうか?受益者負担がないということは、一部の人のために全体が負担を強いられることになってしまいます。受益者以外の市民にどのようなメリットがあるのかを明らかにしない限り、この事業への税金投入について合意が得られないはずですが、そこはなかなか見えてきません。この事業は阪神間への通勤、通学、買い物などの利便性が高まることによって定住促進に寄与するとのことです…。

公会計についての研修 
 巨額の税金を投入して整備されたパークアンドライド駐車場を利用して参加した研修でのテーマだったこともあり、税の投入とその効果について少し触れてみました。今回の研修では “子どもにツケを回さない” ということについて、特に考えさせられました。税金を集めることも、使うことも主権者であり、納税者である市民が合意をしている(首長や議員を選挙で選んでいる)ことがその根拠となります。しかーし、選挙権がない18歳未満の子どもたちに「将来これだけ負担してね」ということは根拠が成り立ちません。また、人口減の時代においては全体のツケが変わらなくても、一人当たりの負担がどんどん増えていってしまいます。だから、本当にその人達に税金を集める、使うという権力を与えて良いのですか?ということを会計で明らかにすることが必要なようです。確かにド派手にお金をかけて作った建物や制度は、表面上は善政の結果に見えます。しかし、将来の負担というところが明らかにできれば、本当に善政なのか?それと悪政なのか?が見えてきます。公会計の考え方を使って、そこを明らかにしていく責務(行政のチェック機能)も議員には課せられています。政務活動費という税金を使って参加した研修で得られたことを還元する責務も同様です…。

 9月議会が24日に告示されました。会期は8月31日〜9月30日、一般質問は9月7日、8日、9日の予定です。また、決算委員会(平成27年度分)が9月12日〜16日まで行われます。今回は決算委員会の委員になっていますので、ちょっと忙しい議会になりそうです。実は一般質問の発言通告の提出〆切が26日の正午になっています。これから一般質問に取り掛かります…。

2016年7月31日

今、地方に求められる政治は?【雑談】

宍粟市の今日は、これまでにないほど蒸し暑かったです。少し疲れていることもあってそう感じたのかもしれませんが…。夏の過ごしやすさは湿度が肝です。かつて内陸部で標高が高い地域に住んでいた時は、かんかん照りで暑くっても、日陰に入ってしまえばとても涼しく、太陽が上がる前、落ちた後はとっても快適でした。私の住んでいるところも内陸で標高がやや高い(250m弱?)ので、海沿いの都市部よりは涼しいと思いますが、今日の日中は蒸し暑かったです…。

共生社会は実現不可能なのか?
 神奈川県相模原市の障害者施設で入所者19人が死亡し、26人が重軽傷を負った事件…。これは酷い事件です。亡くなられた方々のご冥福、また怪我をされた方々の1日も早い回復をお祈りします。今回の事件、これを賞賛する意見が散見されるのは、なんともいえない不気味な風潮です。気になるのはこの事件の背景に福祉=税金の無駄遣いという論が潜んでいることです。特にネットの中ではこれと同等の論調が結構見られますが、例えば障がい者、高齢者、在日外国人、子ども、女性…いろいろな共通項で集団や階層を括り、特徴付け、特に弱者または少数派を徹底的に潰しにかかる…そんな風潮があります。確かにある程度、集団や階層を共通項で括り、特徴付けていくことは必要です。政治の側から見れば、それは弱者または少数派に光を当てるために必要な作業だと思います。「一部の〇〇によって、全体の〇〇が、そのように見られる」ということは良くあります。例えば自治体議員…ある一部の議員の不祥事によって、全ての自治体議員が同列で語られることがあります。自治体議員だと括りが大きすぎるので、△△県の自治体議員とか、市町村議会議員とか、自治体議員の中でも小さな括りがあり、一括りで語られることが多いのは仕方のないことかもしれません。いくら私は違う、私たちは違うと大声で叫んでみてもそれは跳ね返しようのない部分です。それぞれに個人差があり、個性があり一人として同じ人間はいないのですが、属性についてはある程度認めなければなりません。税金の類で言えば、「応益負担」…本人の利用したサービスの量(受けた利益)に応じて負担してもらうことと、「応能負担」…本人の収入等から、本人の支払い能力に応じて負担してもらうことのバランスを考え直す必要が出てきていることを意味します。福祉=税金の無駄遣いということで、切り捨てていけば社会は成り立ちません。いろいろな意味で弱者または少数派を切り捨てるのではなく、現時点での強者または多数派が、そこを支えていく余裕がない社会は、衰退していくに決まっています。

市町村が基礎的自治体と言われる所以
 市町村は、基礎的自治体と言われます。人の暮らしに一番身近な政府という意味です。私は、東京に行った時には必ずと言って良いほど国会議事堂を見に行きます。別に国政を目指しているというわけではありませんが…。いつ見ても国は地方の実情なんてこれっぽっちもわかっていないだろうなぁと思います。皆さんがどう思っているかは定かではありませんが、私は地方自治体は、国からある程度自由であり、地方自治体でこそ民主主義が実現できると思っています。制度的にもそこはある程度保障されています。要は地方自治体自身が自分たちで “自治” をする気があるかどうかが問われています。国は都道府県や市町村を「地方公共団体」と呼び、「地方自治体」とは呼ばないことをこのブログでも書きました。国(政治家なのか官僚なのかはわかりませんが…)は制度的には地方自治を認めつつも、本心では中央への従属、中央集権を願っている感じがします。都道府県知事に総務省や旧自治省の官僚出身者が多いこともそれを物語っているような気がします。表向きは地方分権、本心は中央集権です。国の施策は、言って見れば、大雑把な共通項、大きな括りでしか物事を捉えられません。都道府県も同様です。平均値的なものの見方しかできないのはある程度仕方のないことです。しかし、これまでのように格差がない、一億総中流の時代には、国の施策も的外れではなかったかもしれません。しかし、人口の一極集中が進み、所得格差も広がったと言われる現在は、平均値としては同じであっても極端に低い層と極端に高い層が増え、中間層がへこんでいる分布での真ん中を指しているような気がします。その状態で打たれた国の施策は、例えば所得の低い層には不十分で行き渡らず、高い層にとっては負担が軽くなっていくことになります。そういう時代だからこそ、基礎的自治体である市町村の政治が重要だと思うのです。市町村という括りであれば、きめ細やかな政治ができるはずです。しかし現実は…。国が言うから、県が言うからと自分たちが基礎的自治体である市町村議会議員、または市町村長であるという自覚、誇り、責任などを感じられる状態ではありません。そこに住民の信頼が寄せられなければ人口は減り続けます。国全体で見れば人口の都市部への集中は止まっていませんが、徐々に人口減(過疎化)が緩やかになり、人口減が止まった、人口増に転じた地域が出始めています。その地域の共通項、それは政治家(議員、首長)、行政マンが自分たちが基礎的自治体である市町村の政治家、行政マンであるという自覚、誇りがあり、住民がそこに信頼が寄せている地域です。そんな地域にしなくては衰退していく一方だ…なんてことを考えながら、蒸し暑い夜を過ごしています。4年に一度の選挙は、来年の5月…。有権者が見極めるべきは、基礎的自治体である市町村の政治家(立候補者)として自覚、誇りがある者かどうかではないでしょうか? 

2016年7月27日

もうどうしようもないのか?【雑談】



 宍粟市は、今日も “夏休み” っていう空気感…。近くの中学校から吹奏楽の楽器の音が一日中聴こえるのが影響しているのかもしれません。吹奏楽をしていた者にとって暑い夏、コンクール前の高揚感が蘇ってくるのでしょうか?現在の私はと言うと…いろいろな行事が重なり、先週末は “街宣” に出かけられませんでした。千種町では、24日に『宍粟市千種B&G海洋センタープール』のオープニングイベントがあり、賑やかだったようです。何度かこのブログでも触れていますが、この温水プールについては、いろいろと思うところがあります…。賛否がはっきりと分かれた事案ですが、“賛” の意見がハッキリしない分、“否” の意見が強調されています。“賛” の方々には申し訳りませんが、私は “否” の側です。もちろん負の財産にならないよう、利用も呼びかけますし、私自身も使うようにしますが、完成したらその問題点がチャラになるものではありませんので、今後もチェック、批判はしていくつもりです。税金の使い方として根本的に間違っている(と私が判断している)部分が表面化した事案だと思います。他にもいろいろあります…。全ては行政(市長)のチェック機能としての議会がだらしがないことの表れでもあり、住民が思っているほど議会に力がないことの表れでもあります。ここは議員の一人として謝らなければならないところです。

住民自治の退化
 私が議員になってから3年が経過しましたが、私が一番気になっていることは住民自治の退化です。新しい公共、住民の参画、住民との協働、自治基本条例、まちづくり協議会などなど地方自治が進む道筋は21世紀になってすぐにハッキリとしていました。高度経済成長から社会が成熟期を迎え、次いでバブル景気というお祭り騒ぎがありました。そして、バブル崩壊でお祭り騒ぎが終わりを告げました。実はその頃から、このままじゃまずいなぁ〜という雰囲気は漂っていたはずです。日本では、明治以降続く中央集権政策で、政治・経済・文化が東京や道府県庁所在地といった都市部への一極集中が進行して行ったことの弊害が出始めていたのに、そこは見て見ぬ振りをしてきたツケが回ってきているのです。急速な工業化で、農村から都会への労働力としての人口移動が起こり、工業基盤を持たない地域は労働力の供給源となり、過疎化が進行しました。その後、日本の産業は第二次産業からサービス業など第三次産業中心へと移行したものの、政治・経済の中央集権的傾向も改められずに人口の偏りは続き、景気対策として実施した公共事業により地域産業の中央依存傾向が強まることで、地域の自立性が失われていくことになります。過疎地域の市町村が求めた高速道路、新幹線などの交通網の整備は「利便性の向上により、都市部への人口流失に拍車がかかる」という循環を生じさせたという評価は定説化されてきています。例えば利便性が向上したら、そこにとどまるのではなくて「田舎にすぐに帰ることができる」と考え、日常生活はより便利なところで拠点を構えた方が得だと判断するのは普通の考え方です。(この辺りはWikipediaにうまくまとめてありましたので、引用させていただいています。)
 そして、中央集権に慣れきった地方自治体は、自分たちで判断することを避け、上位団体(そんな訳ないのですが行政マン、住民の意識に完璧に刷り込まれている概念です…)である国や県に判断自体を投げています。地方交付税に依存している地域は特にその傾向が顕著です。住民は市町村よりさらに下層に位置されるので、住民は「こうしたい」という判断もさせてもらえません。また判断材料すら与えられないままお上の言うことに従わざるをえない状況が続いています。求めていない政策が進められ、求めている政策は進まない…。ここが大問題だと感じているので私は “真の住民自治を宍粟市に!” というキーワードを掲げ、選挙に出ました。

再燃した住民への裏切り
 今日、地元(そもそもこの概念を私は否定しているのですが…)で幼保一元化の委員会がありましたので、傍聴させていただきました。ここでも住民の意向は無視され、強引にことが進もうとしています。これまでも市が住民を欺き続け、裏で脅しをかけ(開かれた場所で住民を恫喝したこともありました…)、そして住民間の対立を煽ってきている地域です。そして今日告げられた市の方針…これが実行されれば、より一層住民間の対立を煽ることになり、市の方針に従わない住民(公立の認定こども園を求めている住民)は折れてしまうでしょう。今まで公立、民間という一般論だったものが、ある特定の法人の個別事象に切り替わり、その法人を前に「せっかく運営主体として名乗りを上げていただいたのですが、廃業してください」と言うことができますか?そんな状況になっても住民が公立を求めることができるとお思いでしょうか?地方議員はそう呼ばれませんが “代議士” として、住民の代わりに議論して利害を調整し、合意形成するために議会があるのではないでしょうか?だから議会はリコールもされますし、選挙で審判を受けるのです。まぁ選挙前には耳障りの良いことを言って回り、都合の悪いことは争点化しないことも多いのでこんなことになってしまうということも一理ありますが…。
 この点で言えば3年前に掲げた “真の住民自治を宍粟市に!” という公約(というレベルではないことも認めつつ…)は、進んだところか後退してしまっています。申し訳ありません。しかし、この問題について「私にはどうしようもできません。」なんて口が裂けても言えません。それこそ住民への裏切りです。徹底的にやってみます。そして「できなかったらゴメンなさい。」とも言いません。私は私が民意だと判断した声に従って行動します。良く、声高に政府批判をする者は少数派「ノイジーマイノリティ」だと言われます。これって誰が決めたのでしょう?私はハッキリ言ってこの言葉、また対義語の「サイレントマジョリティ」=公の場で意思表示をすることのない大衆の多数派って言葉が嫌いです。これって「弱者やよそ者は黙っていろ」ということにつながりますから…。

2016年7月24日

“街宣” 第1ラウンド…【報告】

 宍粟市では、梅雨も明け夏休みに入りました。それに合わせて各地でイベントが盛りだくさん…。別に来賓(いつまでたっても耳慣れない、しっくりこない仕組みですが…。)で呼ばれているわけではないので、気楽に、普段着でいろんなところにフラフラと出かけています。夏休みに入りなんやかんやと忙しく、今週末は “街宣” に出かけられるかどうか…。

 これまで、 “街宣” できる場所を探しながら、市内11カ所で、なんの手応えもないまま、お話しさせていただきました。以下、“街宣” 第1ラウンドの内容(抜粋&ちょっと修正)をここで公開しておきます。
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 みなさん、宍粟市が2月に「人口減少非常事態宣言」を出したことを新聞報道などでご存知かと思います。市役所に行ったら、道沿いの電光掲示板でチカチカ、みんなで考えよう!宍粟市の未来!とか書いてあったと思います。でも、この「非常事態」ってどう思われますか?この前の国勢調査で宍粟市の人口が4万人を切ることは、ずーっと前から分かっていたこと、そして、国の予想を下回ってくるだろうこともある程度、分かっていましたよね。別に非常事態でもなんでもないと私は思います。焦っているのは、何もしてこなかった行政、そして議会です。「宍粟市の未来をみんなで考えよう!」って言っていますけど、皆さんはそれぞれの立場で、これまでもずーっと考えてきた話です。地方創生だって、表現は違いますが、これまでずーっと言われ続けてきたことですし、地方自治体は、今も昔もずーっと地方創生がお仕事です。地方創生元年?寝言は寝て言えって思ってしまいます。

 では、人口減の何が問題か?です。人数が減ったら、それに合わせて町の形変えて行けば良いのではって思う方も多いかもしれません。日本の場合、人口は、どんどん増えていくという予測のもと、道路、上下水道をはじめ、公共施設をたくさん作ってきました。補助金なんかの制度もたくさん作って、これから先はそれを維持していかなければならない、そのためにも人口が減っては困るみたいです。

 “教育” も効率化を求めて、たくさんの人数を同じところに集めて、少ない先生でいっぺんに教育しようっていうのがこの国の税金の使い方です。宍粟市も、教育にたくさんお金を使っています。まぁ、借金をして、教育環境の整備という名目で建物を建てたり、新しくしたり…全く必要のないことだとは思いませんが、これは教育費ではなく、工事費でしかありません。宍粟市の子は、勉強したら宍粟市から出て行ってしまうので、そんなに勉強しなくても良いって誤解されるようなことを教育委員会が堂々と言ってしまうように、教育の中身にお金をかけないってことが、少子化や人口減に少なからず影響してきます。子どもを育てるのに、お金がかかる、教育が行き届いていないって感じた時点で、将来に不安を抱くものです。ですから、子どもはどんどん減っていきます。

 “福祉と医療” これにもたくさんのお金を使っていますが、この分野は基本は持ちつ、持たれつの制度ですので、かかったお金をみーんなで負担しているのであって、支える側、支えられる側のどっちにもその自覚があれば、暇つぶしに病院に行くとか、病院に行かなきゃ損とかいうような無駄遣いはしませんし、支える側も、これくらいの負担は将来への備えとして仕方ないかなぁと思うものです。いわゆる高負担でも高福祉なら誰も文句を言わないのではないでしょうか?極めて感覚的なお話で申し訳ないですが、宍粟市は、高負担、なのに低福祉になってきています。ここに人口の問題が深く関わっています。支える世代、子どもを育てる世代、だいたい18歳〜60歳だと考えてもらえば良いかと思いますがここが分厚いことが前提でいろいろな制度が成り立っています。人口減の問題は、人数の問題だけではなく、この支える世代と支えられる世代のバランスの問題です。高齢化率って、高齢者が増えたと思われるかもしれませんが、支える側が減ったことを表しているのです。宍粟市は、国や県よりも子ども、高齢者、支える世代、育てる世代のバランスがいびつです。だから、高負担、低福祉になってしまっているのです。だったらこのバランスを調整すればいいじゃんってことになりますが、人を入れ替えたり、ある年齢層を増やしたり、減らしたりはできません。この崩れたバランスを調整するための仕組みを作るのが、行政、議会の役割だと思うのです。批判を恐れずに申し上げます。また自戒の念を込めて申し上げますが、この点で今の宍粟市は全く機能していません…。

 そういう調整は、まさに政治の役割です。最も身近な政府は、市町村という地方自治体です。政治は、政治家だけがするものではありませんが、やっぱり生活に密着したところの政治家である市長、市議会議員の役割は大きいのではないかと思います。宍粟市で言えば、400億円以上の予算の使い道を決める力を持っているのですから、責任重大です。そのお金は、ほぼ税金です。何かモノやコトを作りだして、稼ぐという感覚は、行政の世界にはありませんから、市民の皆さんから会費、投資みたいな感じで、一旦お預かりしたお金、それを何倍、何十倍の付加価値をくっつけて市民に返していくというものです。でも使うお金が、どれくらい生きてくるのか?つまり会費、投資という意味合いで市民から政府が一旦預かった税金によって、どれだけ暮らしが良くなるのか?費用と効果の関係について、政治家が考えなさすぎると思います。400億円以上の予算の使い方を決める政治家がこんな状態です。そのお金の使い方が効果的か、はたまた無駄なのか、金額が妥当か、変に高い買い物をさせられていないか、偏りはないか、何のチェックもされないまま、どんどん使われているという印象です。

 政治の役割は、大雑把に言えば世の中を見渡し、出っ張っているところを削って、凹んでいるところを埋める地道な作業です。これは道路や土地の造成の話ではありません。お金の集め方と使い方の話です。真っ平ら、きっちり平等というのは逆に怖い話なので、切磋琢磨のような適度な競争を進めつつ、不均衡をならして、みんなが同じスタートラインに立てるようにしなければなりません。宍粟市の場合、とっても広大で、地域によって気候も違うようなところに、4万人という人がバラバラに住んでいますので、相当な調整力が必要です。しかし、今の宍粟市はというと、出っ張ったところはより出っ張り、凹んだところは、さらに凹んでいくという、政治本来の作用とは全く逆のことをしているよう思えてなりません。国を頂点に、県、市そして最下層に住民をおくような、中央集権意識から脱却できていないところが、他の町に大きく遅れを取っている原因のように思います。ここは大きな問題です。住民を最下層に位置させ、お上の言うことに従えって云うスタンス、もうそろそろ終わりにしませんか?これから先もそれで良いのですか?主役は一体誰なんでしょう?

 ここははっきり申し上げます。宍粟市では、皆さんからお預かりする税金、皆さんからお借りする税金は、凹んだところからどんどん吸い上げられ、出っ張っているところにより多く回されています。また、地域外へどんどんと出て行っています。これまで何百億円という借金をし、国保や上下水道料金など税金はどんどん上がっているのに、また何百という補助金の類が制度化されているのに、皆さんの暮らしが良くなりましたか?ご自身の足元をよく見てください。周りを見渡してみてください。出っ張ったところはより出っ張り、凹んだところが、さらに凹んでいくという姿、住民の中にも序列が存在し、なぜか上の方に位置する人たちが幅を利かせている実態が手に取るようにわかると思います。そして宍粟市から離れざるをえなかった人たちがどれほど多いことか?合併から10年で、もちろん人口自体も減りましたが、地域による偏りも進み、地域間の差はどんどん広がっています。それは自然に、たまたま起こったことではなく、何もしないということも含め、政治の作用です。だから人口減少非常事態宣言っていうのはとってもおかしな話なのです。これからどんな町を作っていくか?皆さんの声をもっともっとお聞きしたいと思います。また、その声を届けていただきたいと思います。
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 原稿を読み返して、こうしてブログにアップしましたが、ハチャメチャですね…。でも言いたいことはある程度伝わったかなぁとも思っています。ということで、“街宣” 第2ラウンドに入っていきたいと思います。(内容はもうちょっと考えなきゃいけないですね…)

2016年7月9日

不可解なこと、いろいろ…その参【雑談】


 宍粟市の空は今日もどんよりです。もうすぐ梅雨明けでしょうか?私は、静岡生まれということもあってか “夏” がとっても好きです。最近は、スキーをするようになり “冬” も好きになりました。“春” これも良い季節です。新しい生活の始まり、清々しいです。“秋” これも良い。いろいろな農作物、特にお米が収穫されますよね。秋の田園風景、とっても素敵です。やっぱり日本って年がら年中、素敵な “国” です。いろいろ物騒な時代になりましたが、やはり “平和” な世の中がベースにあるのだと私は思います。

このブログについて
 2013年1月17日に始めたこのブログですが、3年半でやっとページビューが50,000を超えました。記事は291なので、一つの記事あたりでは平均170程度…。めちゃくちゃ少ないとは思いますが、私が使っている無料ブログサービスは、折れ線グラフで日々のページビュー(閲覧数)が表示されるのですが、更新したらグーンと上がって山ができ、更新が滞ったらべた凪…。反応がわかりやすく、励みになります。ブログの内容が議会で問題になって謝罪、削除を要求されたこともありましたし、進退問題に発展したこともありました。また議会報告会でブログのコピーを握りしめた方に怒鳴られたこともありましたし、きっつい内容のメールやコメントをいただいたこともありました。何はともあれ、飽きっぽい私がここまで一つのことを続けてこられたのは、(思惑はどうであれ)このブログを見ていただいた方がいたからだと思います。本当にありがとうございました。

不可解なこと
 「このブログは批判ばっかりでウンザリする…」との感想もいただいていますが、順調にいっていることは放っておいてもうまく転がっていくものです。また順調にいっていることは成果として大々的にアピールされ、それなりに注目も集めますし、好循環に入ってしまえばしばらくは、見守っていれば良いし、機会を見つけて応援すれば良いのだと思います。健康な時はいろいろと動き回れるものですし、それによって物事が上手くいく、また気分が良いのと一緒です。しかし、市政で言えば、血税と称されるように税金が、市内に行き渡らなかったり(血行障害?)、どこかで詰まっていたり(血栓症?)、ドバドバ流れ出ていたり(出血?)したらやはり何らかの手立てが必要なのではないでしょうか?表面的には順調に見えることでも、その背景までひっくるめてみていく必要があります。
 前回、前々回のブログで “不可解なこと” について、いろいろと私見を書きました。それは指定管理者制度に関わることでしたが、宍粟市で昨年11月に再編された公共交通にも不可解なことがあるので、今回はそのことについて…。指定管理ではないですが、公共交通を担っていただいている事業者に対して支払われる補助金=総支出ー売上だそうです。もちろん(かどうかはわかりませんが…)国や県から地域交通に関わる補助金も出ていますが、この補助金も税金にあることには変わりありません。ですので、誰も乗らないような路線についての補助は打ち切られます。最近、県内のある市では、駅と観光地を結ぶ土日祝日に往復3便あったバス路線が利用者減→補助金打ち切り→運休になったそうです。観光に力を入れている市(シャトルバスなので利用者は観光客を想定しているはず…)ですらそんな状況です。その発着点の駅周辺は全国的に有名な温泉街で、最近は外国人観光客も増えてきて活気づいているとの話が聞こえてきていた地域です。

公共交通会議
 先日、平成28年度の地域公共交通会議がありましたので傍聴に伺いました。数名の傍聴者もいらっしゃいましたが、傍聴席がざわついたのはある委員さんがおっしゃった「現在のダイヤは通勤通学には不便である、市職員も積極的に利用して路線維持に貢献してほしい。」という部分です。しかし、その言葉に対し「今回の再編にあたっては通勤通学か日常生活かの選択で、日常生活に重点をおいたので…」のようなニュアンスの回答がありました。日常生活に重点をおいたから、通勤通学の利便性が犠牲になるのは仕方ないという意味でしょうか?いやいや高校生や通勤している世代にとって、通勤通学は日常生活のど真ん中ですが…。輪をかけておかしなところは、その後の説明の中で市職員の方は「通勤や通学、通院、買い物など市民の日常生活…云々」って言っていることです。やっぱり市民にとっては通勤通学も日常生活ですよね?そこから想像するに…本音は、市民が日常生活に使うための公共交通であって市の職員が通勤で使うのは嫌だということなのではないでしょうか?市職員に支給される交通費はおそらく30円/kmで計算されていると思います。私も公式な会議では、市役所まで往復で30円×43km=1,290円を交通費としていただいています。公式とカウントされるのは定例議会がある月で多くて10日、定例会がない月は2〜3日です。私もバスで市役所には行っていません。公式以外に出かけることの方が断然多いですし、市役所に行ったついでに別の場所で用を済ませることも多いので…。それでも土日なんかには使おうかな(使うべき)といろいろトライはしましたが、行きたいところ(観光地など)には土日にバスが走っていない…。ちょっと話が脱線しましたが、私が市の職員で月に20日市役所に通ったとします。30円×43km×20日=25,800円が交通費として支給されることになります。もしバスで通った場合、市内は片道200円の一律料金で利用できるので単純に400円×20日=8,000円で済んでしまいます。定期は1ヶ月5,000円、3ヶ月で14,200円です。現在の交通費と比較すると25,800円×3ヶ月=77,400円、3ヶ月定期なら14,200円ですので、3ヶ月で63,200円の差があります。どちらも税金だと考えれば、どちらが市民にとって適切かは一目瞭然です。余談ですが、かつて勤めていた国の独立行政法人では、交通費の計算はバス運賃など公共交通が基準になっていました。民間企業でも自家用車での通勤手当は、15円/kmでした。平成28年度の予算関係の資料を見ると、一般職677人に対する通勤手当では、約1.1億が想定されています…。ガソリン代で考えるとレギュラーガソリン110円/ℓと見積もって、1ℓで10km走るとしたら1km=11円です。もし通勤手当を15円/kmにしたら、年間5,000万円以上が他の市民サービスに使えることになりませんか?もし、通勤手当をバスの定期代を上限にしたら…単純に(乱暴に?)計算すれば、677人×14,200円×4(3ヶ月定期×4回)であれば、約3,900万円です。ものすごーくうがった見方をすれば、通勤通学に便利な公共交通→市職員も利用を促される→通勤手当は公共交通の費用まで抑えるべきという民意が形成される→自動的に通勤手当は削減対象になる…これを避けるために通勤には不便なダイヤ設定になっていると捉えられても仕方のない状況です。

結局はどうなっていくのか?
 公共交通に関する国や県の補助金、これがないと現在の公共交通を維持しようと思えば市の一般会計からの持ち出しが増えていくことなります。予算資料から見てみると、年間の運行経費は1億9,500万円、運行収入は3,300万円(20万人の利用)と想定されています。…ということでその差は1.6億円。この1.6億円が事業者に支払われることになりますが、国の地域公共交通確保維持事業で2,100万円、県のバス対策費補助金で2,800万円を見込んでいますので、市は1.1億円をこの公共交通に使う予定です。年間20万人が200円で公共交通を利用することが前提ですので、そこまで利用者がいないとなれば市の持ち出しは増えることになります。事業者にとっては利用が少なくても、誰も乗っていないバスを走らせていても入ってくるお金はさほど変わりません…。国や県の補助金が交付される目安が1便あたりの利用者数1.5人…。それを下回る路線は維持するのが困難になってしまいます。今回掲載した表(市内完結路線利用状況)を見てもらえば分かりますが、昨年11月から4月までの半年でその1.5人を上回っているのは2路線(市内完結路線とよばれる小型バスが走っている25路線のうち)です。その路線は運行日数127日、基本的に毎日運行している路線です。便数は少なくても毎日運行する方が利用しやすいってことなのではないでしょうか?700人近くが毎日動いているのですから職員の方が通勤に使えるダイヤにして、使ってもらったら利用者数は増えると思うのですが…。そこにダイヤを合わせても他の人の利便性が損なわれるとも思いませんし…。利用が伸び悩んでいる地域では、自治会で定期券を購入して、実際にバスに乗っていなくても利用者としてカウントしようとしているとか?自治会費でそれが行われるとすれば、ちょっと待って…ってなりますよ。確かに宍粟市で定期券を利用できるのは、所有者本人でなくても持っていれば(提示すれば)誰が使っても良いという制度らしいですから、それも許されるのでしょうか?(公共交通会議ではっきり言っていましたが、これってキセルにならないのかな?事業者にとってはどちらでもいい話ですね。)また、これから市内乗り放題500円という市外の観光客を想定した周遊券のようなものも作られるようですが、市内の観光地や史跡、景勝地にバスを使っていこうとしてもそこに走っている小型バス路線は、土日祝日、年末年始やお盆は運休する路線が多いので平日に観光客がバスを使って市内を周遊?それはあまり期待できない…。この公共交通は計画段階では「みんなで守り育てる公共交通」だったのですが、いつの間にか「乗って守ろう公共交通」に変わっています。“育てる” という意味で、市民は「フリー乗車区間があった方が…」とか、「病院の休診日にバスが走っていても…」とか、「中学生の部活で利用するために市の南部で休日も走らせて欲しい…」とか、「冬の間だけでもスキー場へ乗り入れてくれないか…」とかの要望を出しているのですが、 “育てる” ための意見は、なかなか取り合ってもらえません。しかし「もっと乗ってもらわないと…」とか、「1便あたり1.5人を切ったら…」とか、「地元で定期券を買ってくれたら…」とか “守る” という視点だけでプレッシャーをかけられるのは “不可解” です。

2016年7月7日

不可解なこと、いろいろ…その弐【雑談】


 宍粟市は今日もどんよりとした天気です。気温、湿度も高いですね。(机の上に置いてある時計には、温度、湿度が表示されるのですが、昼の1時半で気温29.7度、湿度70%となっています。)こんな日は、プールや川で泳ぐのが良いかな?でも空を見上げると “雷” も予測されるので、やっぱり屋内プールでしょうか?宍粟市の中学校にはなぜかプールがありません…。水泳の授業もなければ、水泳部もありません。川は良いところがたくさんあります。水がきれいだし、深さも十分、飛び込んだり、潜ったり、流れたり、魚を捕まえたり…でも川で遊んでいる子ども達の姿はあまり見ません。もったいないなぁ〜と思います。写真は近所の川です。暑くてたまらない時はここに泳ぎに行くことが多いですね。

不可解なこと…続き
 前回のブログに続いて、指定管理料の算出の仕方について、良く分からないなぁと感じてる部分を書きたいと思います。まず、前回のおさらいから…。4日にリニューアルオープンした「宍粟市千種B&G海洋センタープール」の指定管理者については、5月16日に開かれた臨時議会において審議され、平成28年7月1日〜平成33年3月31日までの4年9ヶ月間、神奈川県の事業者が指定管理者として指定されました。そこで問題になってくるのが、その事業者に支払われる指定管理料です。基本的に、指定管理料=総支出ー売上で算出されるようです。(でもこのケースは、とってもとっても稀なケースだとご理解ください。)まず総支出ですが、直営か指定管理かを判断する時点では、指定管理の場合、総支出は3,843万円と見積もっています。次に売上は391万4,000円です。したがって、指定管理料=(総支出:3,843万円)ー(売上:391万4,000円)=3,451万6,000円となります。売上は事業者が収受することになっていますし、指定管理料も支払われますので、年間3,843万円は事業者に入っていくことになります。本社所在地である神奈川に流出すると考えてよいでしょう。この指定管理料は、年額いくらというふうに固定されるわけではなく、変動するとのことですので、売上が上がったら指定管理料は下がり、売上が下がったら指定管理料は上がる、また費用がかさんだら指定管理料は上がり、費用が抑えられたら指定管理料は下がるということになります。このような仕組みで、市民にメリットがあるのか?が、わからない部分、“不可解” な部分です。例えば、年間3,843万円あれば営業ができる施設だと考えれば、指定管理料は仮にその60%程度の2,300万円に抑えて、残りは事業者のノウハウを活用して、売上を上げることでカバーしてもらうという形態であれば、市としては年間1,500万円ほどの経費が削減でき、それを別の政策に活用することができることになります。(そもそも指定管理料として新たに3,500万円を支出できるほど財政に余裕があるとも思えませんが…)事業者も経費を削減し、売上を伸ばすことで実質的な利益を得る努力をします。それでも自前で土地を取得し、プールを建てたわけではないので事業者にとっては相当なメリットがあると思います。しかし、指定管理料が下がることが事業者にとってデメリットだという経営判断になれば、売上を上げる努力はしません。また、経費を削減したら指定管理料が下がるという側面も同様です。

最終的には…
 議会に提出された「平成28年度収支計画積算根拠」という資料によれば、平成28年7月から9ヶ月間で、売上は施設利用で668万円(500円×3,840人、スイミングスクールの会員が子ども100人、成人20人だそうです…。)その他売上が27万円(物販や自販機の売上です。)、9ヶ月で約700万円を売り上げる予定だそうです。そして、費用は3,679万円と見積もっています。したがって指定管理料は、9ヶ月で2,984万円となっています。これらを単純に12ヶ月に換算すると、売上は933万円、費用は4,905万円、指定管理料は3,978万円…。そして “不可解なこと” がここにも…費用の中に「さすがにそれは事業者持ちでしょ?」「なんで指定管理料にそれが反映されるの?」っていう部分があります。社員福利厚生費、広告宣伝費、通信費、保険料、委託料、社宅の賃借料、物販仕入、仮受消費税、本社管理費、顧問料…。これらをぜーんぶ補填するのでしょうか?一般質問の答弁では「実際の支払いの際は精査する」と言っていましたができるのでしょうか?
 この事業者をプールの管理者に指定する議案については “承認” しました。これは、事業者の問題ではなくどう考えても市の問題です。「作ってしまったのだから、みんなで利用しよう!」なんて言える状況ではありません。そこまでして、温水プールにする必要があったのでしょうか?不可解です…。この問題は、公共交通、外出支援サービスにおける事業者との関係についても同じことが言えます。こうした公共サービスにどれだけの税が投入されているか?それが税の使い方として妥当なのか?真剣に考える必要があります。私はどうしても納得できません…。
(一部、私の勘違いがありましたので、訂正しました。7月7日23:00)

不可解な事、いろいろ…【雑談】


 宍粟市では、連日の梅雨空…。というより、積乱雲がもくもく、そしてザーッと降る感じで、気温、湿度が高く、夏の天気ですね。気温、湿度が高いことで、熱中症、食中毒などのいろいろなリスクが高まることが想定されます。元気に夏を乗り切りたいものです。
 そんな中、宍粟市では3日と4日、中学校の運動部の夏季大会が行われました。市内7校が西播大会出場をかけて、熱戦を繰り広げました。今年度の「宍粟市総合体育大会」の組み合わせを見ると、全校に共通してある運動部は、野球(男子)、バレー(女子)、卓球(男女)くらいになっているようです。比較的大きな学校では、サッカー部、柔道部、剣道部、陸上部などがありますが、小規模校では、運動部はこの3種目に集約されてきています。人数が足りなくて廃部、または人数が足りない学校同士の連合チームが普通の状態になってきています。少子化が予測されていたにも関わらず、先手を打っていろいろな仕組みを変革してこなかったことの影響が出始めているように思います。私自身、中学校の時は吹奏楽部(部員は50名くらい?)だったので、とりあえず大会には出られましたし、自分の担当する楽器(またはパート)については、誰も代わりがいない状況でした。運動部でのレギュラー争い?みたいな “切磋琢磨” とは縁遠かったのでなんとも言えませんが、ちょっと選択肢が少なすぎる、そこまでしてチームスポーツにこだわる必要があるのかなどなどいろいろ考えることがあります。不可解?とまではいかないですが、土日の練習試合などの送迎が保護者に課せられている実態も含め政策課題だと思っています。まぁここでも各方面から「よそ者は黙っておれ!」と一蹴されそうですが…。

不可解なこと 
6月議会での一般質問でも取り上げた、指定管理者制度などの官民の連携?について、私にとっては理解できない(私個人の理解力の問題かもしれませんが…)ことを書きたいと思います。7月4日に「宍粟市千種B&G海洋センター」が、温水プールとしてリニューアルオープンしたようです。(4日オープンだった?という疑問は残りますが…。広報、ホームページ、定例記者懇談、市長メッセージなどを探しても見つかりません。私は有線放送で当日の朝、知りました。利用促進、オープンの告知は指定管理者任せだということでしょうか?)この指定管理ですが、基本は、指定管理を受けた事業者に支払われる指定管理料=総支出ー売上で計画されています。建設までには旧プール(温水ではない屋内プール)の取り壊しと新しいプールの設計、建設で約4億円かかっています。この中にはB&G財団からの補助金3,000万円も含まれていますが、これまでと同様のプールにするか、温水プールにするかの “判断” は、この3,000万円を取るためには温水化(のような突飛な提案を)するべし!程度のものだと見ています。プレスリリースを見れば明らかです。
 話を戻すと…温水化はその程度の判断で決定したとして、次にこの温水プールをどう運営していくかの “判断” が必要になります。今回の場合、選択肢は直営か指定管理か?です。その比較は、①直営(スイミングスクール実技指導のみ委託)では、年間費用が4,223万8,000千円、②指定管理では、3,843万円と見積もったそうです。②指定管理の方が年間約380万円のコストが節約できる…。ただし、売上は①、②いずれも391万4,000円を見込んでいます。まぁ当初の説明(費用対効果の説明)では、年間の費用は2,288万円でしたし、売上には計上されませんが、65歳以上の高齢者が1年間で153人利用し、一人当たり10万円の医療費の削減効果を見込み1,530万円/年も効果に入れ込んでいました。B(効果)/C(費用)=1,921万4,000円/3,450万円=0.56となります。建設等に4億以上かかっていますので、20年で割ってもザッと2,000万円が年間の費用にプラスされてくると考えても良いでしょう。これでB/C=0.35にまで落ち込みます。ということで、あと3,500万円程度の便益が見込めれば、やっと費用と効果がトントン(B/C=1.0)になります。いくら頑張って使っても年間3,500万円分の効果が出るか?疑問です。それが見込めなければ、負の財産になってしまいませんか?せっかくオープンしたのに水を差すなと言われるかもしれませんが、市長や副市長は一般質問の答弁で「提案はしたけれど、議会がそれを承認した。」と言い切りました。責任は “議会” にあると言いたいのでしょう。B&G財団からの補助金3,000万円は、温水プールが前提であり、交付決定後は取り下げができないという縛りもありましたからどうしようもなかったというのが現実です。確かに予算の修正案を提案しましたが、あっさり否決されましたから、議会の責任でしょうね。(もうひとつ熱源として木質ペレットボイラーを使うということで、木質バイオマス利用施設等整備補助金というのが2,850万円あったのですが、工事が遅れたことによって交付されていません。そこは過疎債を使いました…。)

指定管理料 
 「指定管理者が運営した方が、年間費用が380万円程度安く済むから指定管理者を選択した。」ということになりますが、指定管理料=総支出ー売上で計画されており、売上は全て事業者が持っていく、そして支出も全て税金で補填されることになります。直営で行った場合、売上の391万4,000円は市の収入になりますから、そこで「指定管理者が運営した方が、年間費用が380万円程度安く済むから指定管理者を選択した。」という理屈は破綻していると思います。これでは指定管理にした意味がありません。また、指定管理料の算出、つまり運営にかかる費用の考え方にも不可解なことがあります。ここは長くなりそうなので改めて…。不可解なことが多すぎます。

2016年6月18日

一般質問終わりました…【報告】


 宍粟市は、今日も雨です。(下書きしていたら日付が変わってしましました。今日は、良い天気です!)一昨(6/15)、一般質問が終わりました。今回は、1)市内の経済循環について、2)指定管理者制度など民間委託について、3)図書館の充実について 質問をしました。
※「2)指定管理者制度など民間委託について」ですが、指定管理者制度は、民間委託とは、外見は似ていますが別の制度と考えるべきでした。発言修正(議事録訂正)はしませんが、私自身の勉強不足です…。また、「マイクに近づきすぎ!」というご指摘を(毎回)受けています。“街宣” の癖なのかもしれません…。次は絶対に注意します!

地域経済循環図
 今回、取り上げた “市内の経済循環” ですが、まち・ひと・しごと創生本部、経済産業省が、地方自治体を情報面から支援するために、公開している地域経済分析システム “RESAS”(Regional Economy&Society Analyzing Systemの頭文字を取って、“リーサス” と呼ばれています)から取り出した、“地域経済循環図” を使って質問しました。(A3サイズ4枚分に拡大したものを議場に持ち込みました。)この “RESAS” 、インターネット上で公開されていますが、とっても重たいです。既存の統計などを集めて、それを見える化していますし、他自治体との比較もできることから当然と言えば当然ですが…。(ここにアクセスすると、普段は動作しないPCの冷却ファン?が、ガンガン回ります。)本題に入る前に…ここの情報をどう見るか?そこからどんな課題を抽出するか?そしてどんな手立てが考えられるか?について、まだまだ勉強不足であることを告白しておきます。
 宍粟市(2010年)の “地域経済循環率” は、69.2%となっています。「生産(付加価値額)÷分配(所得)」で算出され、地域経済の自立度を示しています。循環率が低いということは、分配(所得)を市外に頼っている、市内の生産(付加価値額)が低いといったことがわかるそうです。

見えてくるもの、そして対策
 宍粟市は、市域面積の約9割が森林なのですが、そこから出た木材(また木質バイオマス燃料)は、原材料として市外に流出していると見ています。いや、保有量から考えるとそもそも山から出てきていないのかもしれません。これまでたくさんの公共施設の建設事業がありましたが、宍粟材の使用は極わずかでした。宍粟材を “市内” でどんどん使うべきです。一般住宅(大手の住宅メーカーなど)ではやはり安い材を使用することが多くなるでしょうから、せめて公共施設については、市内の材の使用を推奨(ある意味で強制)したらどうでしょうか?一定量使用することが入札の条件であったり、日頃から使用していることが入札時の評価に繋がったり…。農産物も市内で生産されたものを市内で使うことが必要です。直接販売することも必要ですが、市内の第二次産業、第三次産業で使ってもらうことが必要ではないでしょうか?まずは第三セクターが指定管理者として入っている道の駅、レストラン、宿泊施設また学校給食などで、多少高くても市内の農産物を使うべきです。第三セクターには財政支援(税金の投入)がされています。市内の生産者を支援していくという役割もあるのではないでしょうか?これで税金が市内の第一次産業の生産(付加価値額)に乗っかってきます。これができていないことを表しているのが、支出の「その他支出」が、482億円流出しているという部分です。この「その他支出」は、政府支出、地域内産業の移輸出入収支からなります。市内で生産された商品が市外(または国外)へ販売されることが移輸出であり、市外(または国外)で生産された商品を市内へ購入してくることが移輸入です。宍粟市の場合、移輸出額−移輸入額が、マイナスになっていますのでここの差を埋めていく必要があります。市外からいらっしゃる人たちに市内産のものを買ってもらう、消費してもらうことで第三次産業の生産(付加価値額)も上がっていくはずです。
 市内の産業構造は、一朝一夕に変化するものではありません。長年かかって作られるものですから当然です。しかし、いろいろな手(政策)を打っていても好転していないところを見ると、それを続けるよりも、違う手(政策)を打たないといけないんですよね、きっと。合併特例債の発行期限も迫っていますし、地方交付税の一本算定(減額)も迫ってきています。人口はどんどん減り、税収もどんどん減ります。もっと研究してみます。そして、地域の経済政策に詳しい方、生産者などのご意見も聞いてみたいです…。

2016年6月13日

6月議会一般質問【お知らせ】

第70回宍粟市議会定例会 一般質問のお知らせです。
13日(月)は、会派代表による質問です。14日(火)、15日(水)は一般質問です。
__________
6月13日(月)9:30〜
 1) 創政会(実友 勉)
「防災対策について」「県営森林幹線道の計画延長について」
「外出支援サービスについて」

 2) 公明市民の会(西本 諭)
「自治体クラウドの導入について」「県立森林大学校の施設整備について」
「ジェネリック医薬品のさらなる推進を」

 3) 真正会(福嶋 斉)
「人口減対策について」

13:00〜
 4) 政策研究グループ『グローカルしそう』(稲田 常実)
「選挙年齢引き下げについて」「定住施策について」

 5) 市民クラブ政友会(小林 健志)
「総合病院と開業医の連絡について」「公共交通について」
「県立森林大学校開校について」「鳥獣捕獲後の残渣処理について」

 6) 日本共産党宍粟市会議員団(岡前 治生)
「宍粟市幼保一元化推進計画の中止を」「学校給食センターの異物混入根絶を」
__________
6月14日(火)9:30〜
 7) 岸本 義明(無会派)
「地震災害時の緊急対応について」

 8) 高山 政信(創政会)
「空き家対策と活用について」「マイナンバーの取り組みについて」

 9) 大畑 利明(政策研究グループ『グローカルしそう』)
「地域医療の充実と公立病院改革について」

13:00〜
10) 飯田 吉則(政策研究グループ『グローカルしそう』)
「一宮北小学校のプール建設と夏休みの対応について」
「県立森林大学校の受け入れ態勢について」

11) 山下 由美(日本共産党宍粟市会議員団)
「介護保険、総合事業について」「外出支援サービスについて」
「障がい者福祉サービスと介護保険について」
__________
6月15日(水)9:30〜
12) 藤原 正憲(創政会)
「木造新時代で林業再生を」「第3次行政改革大綱について」
「し尿手数料等の見直しについて」「奨学金制度の拡充等について」

13) 榧橋 美恵子(公明市民の会)
「災害時に命を守る『防災計画』は万全ですか」
「子ども達が献血の『命のリレー』に加わることを期待したい」

14) 鈴木 浩之(政策研究グループ『グローカルしそう』)
「市内の経済循環について」「指定管理制度など民間委託について」
「図書館の充実について」

インターネット、しーたん放送(音声)、しそうチャンネル(ケーブルテレビ)で生中継されます。

2016年6月9日

国民健康保険税の税率改正【報告】

表:国保税率改正案

 宍粟市は、今日も “雨” です。梅雨入りしているので当たり前…。雪が少なかったこともあり、水不足にならないためにも適度に(例年よりは多めに)降ってもらいたいものです。個人的には、暑い夏に川が干からびてしまったら、泳げないので困ります。

6月議会の憂鬱…
 任期最後の6月議会(第70回宍粟市議会定例会)が5月30日に開会しました。今回は、第59号議案『宍粟市教育委員会委員の任命について』から、第74号議案『教育用タブレットPC・大型モニター購入契約の締結について』までの16議案が上程されています。種類で言えば、教育委員会委員や人権擁護委員などのいわゆる人事案件が、7議案。専決処分(本来、議会の議決・決定を経なければならない事柄について、首長が地方自治法の規定に基づいて、議会の議決・決定の前に処理すること)の承認が、1議案。条例の改正が、4議案。平成28年度予算の補正が、2議案。契約案件が、2議案となっています。それぞれ、関係する委員会に審査付託されます。今回、私の所属する民生生活常任委員会に付託された議案の中に『宍粟市国民健康保険税条例の一部改正』という、悩ましい議案があります。

健康保険制度(私の備忘録も兼ねて…)
 日本の健康保険制度は、主に大企業サラリーマンの加入する ① 健康保険組合、中小企業サラリーマンの加入する ② 全国健康保険協会(協会けんぽ)、公務員と私立学校教職員が加入する ③ 共済組合、前期高齢者(65歳〜74歳)の大多数、被用者健保(①〜③)に加入出来ていない被雇用者、自営業者、農林漁業者などが加入する ④ 国民健康保険(国保)、後期高齢者(75歳以上) が加入している ⑤ 後期高齢者医療制度の5つがあります。①〜③は、主に現役世代が加入することから、加入者の所得水準が高く、医療費水準が低くなります。④、⑤は、どうしても相対的に所得水準が低く、医療費水準が高くなってきます。つまり国保や後期高齢者医療制度は、どうしても収入が少なく、医療費などの支出が多くなることから、さすがに加入者だけに負担を強いるには限界があることから、国、 都道府県、市町村の一般会計からの財政支援や被用者健保からの財政支援に大きく依存しながら、制度を維持しています。加入者一人当りの保険料も、最高の年148,400円(北海道猿払村)から最低の同28,600円(沖縄県伊平屋村)まで5.2倍の差があると言われています(出典:JRIレビュー 2015 Vol.3, No.22 『国民健康保険財政「赤字」の分析』西沢和)。もしかしたら、保険料が市町村によって違うことをご存じない方も多いかもしれません…。平成25年度のデータですが、兵庫県内の41市町の一人当たりの税額(保険税額/平均加入者数)は、芦屋市の110,302円〜養父市の68,235円と、1.6倍ほどの差があります。宍粟市は97,493円で高い方から6番目となります。隣接する自治体では、姫路市82,228円(33位)、たつの市88,495円(23位)、佐用町76,121円(39位)、神河町90,607円(17位)となっています。あくまで保険税額を加入者数で割った数なので、実際には、人によって保険税の金額はまちまちです。この比較は(より正確に比較するために考慮すべきものが反映されていないので)目安程度に考えていただきたいと思います。ざっくり言うと保険税額は、その年にかかるであろう医療費を、国と県で半分、残りの半分を加入者で負担することを基本に決まってきます。また、一般会計という自治体のお財布の中で比較的自由に使えるところから、ルール分以外の繰り入れをしている自治体も多く、またその金額もまちまちです。ちなみに宍粟市の加入者一人当たりの医療費は、41市町で39番目となっています…。保険税に影響を与える所得…平均所得は262万円で34位(平成26年度)です。

あるモデルで考えてみる
 なかなか平均値での比較ではイメージがわかないので、あるモデルで今回の税率改正でどのような影響が出るのか?を考えてみたいと思います。宍粟市は、平成28年度に約5,000万円の財源不足が予測されるので、保険税でそれを補うために税率が【表:国保税率改正案】のように改正されます。モデルは、世帯主(45歳)、配偶者(45歳)、子ども3人の5人世帯とします。給与収入が560万円、課税所得は3,603,600円とし、家は借家、固定資産税はかかっていないので資産割はなしにします。表に当てはめるとこれまでは、医療分所得割が3,603,600×5.89%=212,252円、均等割27,300円×5人=136,500円、平等割24,100円で100円未満切り捨てると【医療給付費分 合計372,800円】、後期支援分所得割が3,603,600円×1.61%=58,017円、均等割7,500円×5人=37,500円、平等割6,700円で【後期高齢者支援金分 合計102,200円】、介護分所得割3,603,600×1.41%=50,810円、均等割9,400円×2人(40歳〜64歳)=18,800円、平等割5,700円【介護納付金分 合計75,300円】となり、保険税の合計は550,300円となります。改正後の税率等で同様の計算すると、590,400円となり、40,100円の増加となります。同じ世帯がもし姫路市に住んでいたら…、たつの市に住んでいたらも計算してみました。姫路市の場合、730,100円…。たつの市の場合、599,100円…。国保だけ、他自治体との比較から見ればなんとか頑張れる(頑張らないといけない)レベルなのかも…。国保の滞納額や保険税の収納率、公共料金、市民税などの負担、起債残高、財政力なども考慮に入れれば微妙なところです。起債残高、財政力について言えば、宍粟市は低位にいることは間違いありません。

 6月20日、6月議会の最終日にこの議案の採決となります。どうなるのか?(ちなみに委員会では “賛成多数” で可決すべきものとなっています。)市民(国保加入者)は、この負担増に耐えられるでしょうか?もう一つ、平成27年度は、国保会計に1.5億の財源不足が生じました。ここを一般会計から補填しましたので、人口4万人とすると市民一人当たり約3,800円の負担もすることになります。議会の適切な判断が求められます。

2016年6月8日

議員の仕事【雑談】


 宍粟市も、梅雨入りしました。今年の夏は “猛暑” が予測されています。クーラーのない我が家で、どうやって乗り切ろうか?(きっと近所の川に泳ぎに行っているでしょう…)と考えたり、またゲリラ豪雨みたいのが続くのかなぁ?などいろいろなことを考えております。一ヶ月ほどブログの更新が滞っておりました…。任期が残り1年を切って、議員活動の締めくくりを…といろいろ模索しております。“街宣” も始めました。息切れしないように気をつけながら頑張ろうと思います。

議員の仕事
 この3年間、ど素人なりに “政治” について、いろいろと勉強しました。「1期目は何もできない。」なんて言われていましたが(選挙の翌日、当選証書授与式?で直接、ベテラン議員から「あんたは何もできないよ。」と言われました…。)私は「そんなわけない。誰がそんなこと決めた?」と思っていましたので、勉強せざるをえなかったというのが正直なところです。住民や行政から話を聞く、関連の本や論文を読む、ブログや会報、議会報告会、街宣などで考えを伝える、委員会や一般質問を通じて議論する、委員長として委員会での議論の経過をまとめ、報告する…など、まだまだ不十分(住民にとってはまだまだ不満足)だとは思いますが、 議員の仕事において、相当な “学習” が行われていることを実感しています。議員は市民に「伝える」「説明する」という重要な役割がありますので、今回紹介したラーニングピラミッドで言えば、「他の人に教える」というところまで一気に進みます。(「進みます」と言い切りましたが、実際には議員によってその程度は異なります。はっきり言って、講義を聞くところで終わってしまっている、つまり学習の定着率で言えば5%程度で終わってしまっている方もいるかもしれません…。)まさに “アクティブラーニング” です。(ちなみに文部科学省の説明によれば、アクティブラーニングとは?『教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。』とのことです。)「伝える」「説明する」ためにいろいろと調べ、まとめるから学習が定着するという側面と、「伝える」「説明する」、口に出したり、文章にするから学習が定着するという側面がありますが、いずれにせよ結果、結論だけではなく、議論の過程を含めて「伝える」「説明する」ということが、議員にとって重要な仕事なのだと思います。何期も議員をされている方はそれだけ学習が定着しているわけで、その自負があるからこそ「1期目は何もできない。」と胸を張って言えるのでしょう…。

次の選挙
 この3年間、各方面からいろいろと批判を頂いております。選挙に出ると意思表示してから、現在までいろいろな圧力も感じています。「1期目は何もできない。」から、いろいろ教えてやろうというお気持ちはとてもありがたいものです。そう言った忠告の類には、真摯に耳を傾けようと心がけておりますが、残念ながら(特に先輩議員には)そうは映らないみたいです…。任期も残り1年を切るとそろそろ “次の選挙” の話が出始めるのですね。誰が引退する…だとか、次は〇〇が出るらしい…だとか。4年に一度、明確に参政権を行使する機会であり、一種イベントのような捉われ方でもそれはそれで良いのではないかとも思います。聞く話によると、特定の議員(候補)を排除しようとする動きも出てくるそうです。また “次の選挙” の話が出始めると同時に、議員定数削減の話も出てきます。宍粟市では、議員定数は26→20→18と削減されてきました。なぜか行政改革大綱の中に、議員定数や報酬の見直しという項目があり、また議会の側も、定数削減が議会改革の一環だと主張するということが何を意味しているのか…?市民がそれを求めているのは、人数が多い=無駄がある、報酬が高い=それだけの仕事をしていないという議会に対する批判がその背景にあるのではないでしょうか?まぁ、議員それぞれは、自分はそれに当たらないと考えているはずですから、それでも定数や報酬の見直しの議論をするのは自分以外にそれにあたる議員がいると考えているからです。選挙にかかるお金、議員報酬などは民主主義のコストです。費用対効果を考えれば、民主主義が実現しているかがその効果になります。民主主義=多数決と考えている人もいるでしょうが、多数決は議論を尽くした後の最終手段です。だから知る権利と参政権(選挙権と被選挙権だけではありません)が保障されているわけですし、表現の自由も認められているのです。議員定数や報酬の削減が求められるのは、民主主義が実現していないことと同義です。「地方自治は民主主義の学校」と言われることを考えると、地方議会において定数や報酬の見直しが議論されるのは、民主主義、政治が劣化していることを議員に自覚させるという意味があるのです。それを自覚しながら、あと1年弱頑張ってみます。

 次回は、6月議会で提案されている国民健康保険税率改正(値上げ)について、私の考えを書きたいと思います。委員会での審査は6日に終わりました。委員会では賛成多数で税率改正(値上げ)は可決しています。本会議での採決は20日となります。