2016年5月7日

熊本・大分地震とボランティア【速報】


 2016年のゴールデンウィークも、この土日で終わりですね。全国的に過ごしやすく、いろいろなイベントが開催される時期…。日本人は季節で言えば “春” 、4月、5月あたりを好む人が多いみたいです。宍粟市でも、観光イベントが各地で開催されました。多くの人が宍粟市に来ていただいたようです。

災害ボランティア 
 私は、4月29日〜5月1日にかけて、熊本市に行ってきました。目的は、災害ボランティアです。4月14日21時26分と、4月16日1時25分に、熊本で震度7の地震がありました。熊本だけではなく、大分の中西部でも大きな地震がありました。地震発生直後は、いろいろな面で混乱しており、自衛隊、消防などを中心に公的な救助と支援が優先されますので、それを邪魔しないことが必要です。また余震や天候悪化による二次災害も心配されるので、安易に現地に赴いて支援しようとすることは、逆効果となります。被災している地域が、広く支援を求めた段階で現地に行き、ボランティアをすることにしました。熊本、大分地域は、震災からの復旧・復興までにまだまだ長い道のりが待っています。もし、これから現地に赴いて直接的な支援をしようと考えている方々のために、また自分たちが暮らす地域で大規模な災害があった時の備えとして、このブログに今回の経験を記録しておきたいと思います。あくまで私が行こうとしたタイミングでの被災地の状況に合わせての行動(私自身は、そのつもりです…)とその記録です。状況は刻々と変化します(現在、熊本県社会福祉協議会の災害ボランティア情報は、5月5日22時10分発の「第20報」が最新です)。

1.ボランティア保険への加入
 ボランティア活動中の事故に対する備えとして加入しておきます。現地でも加入できますが手続きの手間を省くためにも事前に加入しておく方が良いと思います。私は「兵庫県ボランティア・市民活動災害共済」に加入しました。これは都道府県又は各市町村の社会福祉協議会で加入できます。保険は、2種類あり「市民活動災害共済プラン」(掛金500円)と震災などの災害ボランティアにも対応する「天災危険補償プラン」(掛金600円)があり、その年度の年度末(翌年3月31日24時)まで補償されます。今回は「天災危険補償プラン」に加入しました。
 
2.県外からのボランティアを受け入れている自治体(市町村)の情報収集
 今回の震災の場合、市町村によっては宿泊場所の確保が難しいこともあり、日帰りを前提とし、受け入れ対象を「県内在住者」や「九州在住者」などに限定している市町村がほとんどです。29日の時点では、県外のボランティアを受け入れていたのは「熊本市」のみでした。(益城町は、4月29日〜5月8日の期間のボランティアを「県内在住者」に限定していました。)被害の状況や復旧状況によっては、食事、宿泊場所を現地で確保することもできそうですが、どちらも被災者優先との考えのもと、食事は水を含めこちらから持っていくことにしました。また宿泊は車中泊(またはテント泊)として、衣類や寝袋などを準備しました。ボランティア自身が準備するものとして、汚れてもよい服、長靴、飲み物、弁当、タオル、帽子、マスク、軍手、スリッパ等が推奨されています。

3.「災害派遣等従事車両証明書に係る災害ボランティア証明書」
 4月21日~6月30日まで、熊本市災害ボランティアセンターを通じて実施する災害ボランティア活動に使用する車輌は、有料道路料金の無料措置が講じられています。無料で高速道路を通行させていただくために、熊本市社会福祉協議会(熊本市災害ボランティアセンター)に、申請書をファックスし、「災害派遣等従事車両証明書に係る災害ボランティア証明書」を発行してもらいます。(熊本に向け出発する前日にこの手続きをしました。なかなかファックスが繋がらなかったのですが、送信完了後、約1時間で証明書を発行していただきました。もう少し余裕を持って申請した方が、先方にご迷惑をおかけせずに済んだと反省しております。)

4.「災害派遣等従事車両証明書」
 熊本から返送いただいた「災害派遣等従事車両証明書に係る災害ボランティア証明書」を持って、市町村の担当窓口(宍粟市の場合は、市役所本庁舎の消防防災課)へ行き「災害派遣等従事車両証明書」を発行してもらいました。入口と出口のIC、車両ナンバー等を申請書に記入し、往復分で2枚の証明書をいただきました。(このやりとりも終業時間ギリギリになってしまいましたが、スムーズに手続きさせていただきました。ここももっと余裕を持ってやるべきでした…。)当然ですが、申請したICでしか使えません。途中で高速を降りる、申請とは違うICから高速に入ることはできません。(事故などで降りざるをえない場合はどうなるかわかりません…。)

5.「ボランティアセンター」での登録、そして活動
 熊本の中心地にある「(仮称)花畑広場」に設置されているボランティアセンターで当日の朝、受付を行います。基本は9時から受付開始ですが、GW中は受付時刻を早めていました。その日に必要とされる人数よりも受付に並ばれている方の人数がだいぶ多く、列の後ろのほうの方は、ボランテイア活動に参加できなかったようです。必要数が満たされていることに価値があることを皆さん十分に理解されている様子でした。(写真は、最初の受付の様子です。)その日がはじめての人は登録の手続き、2回目以降の人は簡単な参加手続きが行われ、日付と名前の書かれた名札(シール)が腕に貼られます。その後、30名ずつオリエンテーション(注意事項の説明など)が行われ、依頼のあった作業内容や必要人数等が次々と告げられ、それぞれができる、またはしたいところに分かれていきます。作業ごとに班が編成され、公共交通(ボランティアはバスや路面電車を無料で利用できます。)やセンターが手配したバスなどで現地に移動し、依頼に基づいて作業等が行われます。私は、2日とも避難所になっている小学校に行き、その近所の個人宅で地震で壊れてしまった家や家財道具を片付け、使えないものを集積所まで運ぶ作業に参加しました。

 行く前は「迷惑をかけるのではないか」、「行っても何もできないのではないか」という不安がありました。「何ができるか明確にしなければ行くべきではない」との声も聞かれましたし…。「どんな人にでも、来ていただけるだけでありがたい」とのボランティアセンターの呼びかけで行くことを決意しました。被害の大きさから見れば、私の行為がどれほどの成果を生んだかは定かではありません。屁のツッパリにもならないかもしれません。ただ、偽善者と言われようが、自己満足だと非難されようが、売名行為だと罵られようが、不謹慎だと叩かれようが…行って良かったと思っています。最大の収穫は、これまで縁のなかった “熊本” を好きになったことかもしれません。

 5月の中旬以降、私は6月議会でちょっとだけ忙しくなりますので、現地に行くことはできそうにありません。改めて今回の震災で亡くなられた方々、被害に遭われた方々に心からご冥福、ご見舞い申し上げます。また、1日も早く平穏な生活が戻ってくるようお祈りしております。まだ、避難生活を余儀なくされている方々がたくさんいらっしゃいます。エコノミークラス症候群、食中毒、PTSDなど健康面、衛生面、精神面でも気になること、ケアすべきことがあります。そして、残念なことに窃盗、詐欺、性犯罪などにも注意が必要だということです。東北の各県での震災、福島の原発事故、関東の水害など…微力ですが、そちらの復旧・復興もできる範囲で支援していきたいと思います。

熊本県社会福祉協議会
熊本市社会福祉協議会
大分県社会福祉協議会