2016年8月30日

“街宣” 第2ラウンド…【報告】

 
宍粟市では、秋の空気が充満し始めました。夏休みも明日で終わり…。自分が子どもの頃は、夏休みといえばとにかく家にはおらず、毎日外で遊んでいました。その結果、新学期直前に泣きながら宿題を仕上げたものです。歴史は繰り返される?9月議会が31日から始まるのですが、準備不足は否めません…。5月から思いつきで始めた “街宣” ですが、徐々に慣れてきました。このブログもそうですが、自分の考えを文章にしたり、演説で話したりすることで、「あぁ、私はこんなこと考えて、政治の道に進んだのだなぁ〜」と振り返ることができます。この3年ちょっとの間、私は初心を忘れず進んできたのか?自分に問いかけながら任期いっぱい “街宣” を続けようと思います。第2ラウンドを終えましたのでその内容(抜粋&ちょっと修正)をここで公開しておきます。
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 皆さん、前回の街頭演説では、宍粟市の人口減少、人口の世代間、地域間のバランスが崩れていることの意味や影響について、またそこに果たすべき政治、政治家の役割について大雑把な話させていただきました。今回は、この人口減少の時代(宍粟市は人口減少非常事態宣言が出されていますので特に真剣に考えなければなりませんが、非常事態宣言を出した側に真剣みが感じられないということはさておき)に政治家に何が求められるのか、住民の皆さんに何が求められるのかについてお話し、お願いをさせていただきたいと思います。

 前回、人口減の問題は道路、上下水道などの公共施設や補助金なんかの制度を維持していくために人口が減っては困るというお話をしました。人口減はイコール税収減です。また、人口が減ると国から地方交付税というものも減ってきます。これまで公共事業が地域の経済を支えてきたという認識の町では、人口減、税収減が公共事業の減につながりますので、経済の衰退につながります。その真偽はよくわかりませんが、これまでたくさんの公共事業がされてきたと思います。そこに多くの税金が使われていますが、それほど地域の経済が良くなった感じはしないと思います。公共事業は基本的に国の補助金などを活用しています。つまり国の経済対策です。地方の人口が減っていく中で、公共施設を維持してかなければならいという点に国も、地方も考えが至っていなかった、目をつぶってきたと思います。その証拠に国が作れ、作れと指示してきた公共施設の再編計画が宍粟市でもやっと出来上がったところです。しかし、その再編計画を作る一方、人口がどんどん減っていく中、大きな公共施設を新築しています。人口が増えている、また地域経済が上向きであるならまだしも、言葉は悪いですが、人口、地域経済がしぼんでいっているのに目の前の合併特例債という、国が地方にばらまいたアメちゃんというか、目の前にぶら下げられた人参に向かって後先考えずに突っ走る光景は、滑稽なものです。これまでと同じ道を行こうというのでしょうか?それとも将来のことなんか知ったことではない、今がよければそれで良い、政治家にしてみれば次の選挙に通ればそれで良い…と思っての行動でしょうか?行政、市長が突っ走ったら、議会がブレーキにならなければいけないのですが、一緒にアクセルを踏んでしまうのが今、宍粟市で行なわれている政治です。

 議会中継を見たり、聞いたりしていただければ良くわかるとは思うのですが、宍粟市は広くて公共施設が沢山あるのでその維持にかかるコストが他の町に比べて多いとか、宍粟市は広いから行政サービスに地域差が出ても仕方がないという論調がよく登場します。また、宍粟市は国や県の交付金、補助金に頼っている部分が非常に大きいので、国からの仕送りが減って困っている、県が面倒見てくれないから事業ができないという論調も同様です。挙げ句の果てに、宍粟市ではできないことを自治体間の連携という形で姫路市やたつの市に頼っている姿、最近では宍粟市よりも人口が少ない美作市にまで寄りかかって行こうとしているように感じます。姫路、たつの、美作にとって宍粟市はどう見られているのでしょうか?自分たちの地域が発展するための良きパートナーなのか?単なる搾取の対象なのか?市町村合併から10年で、宍粟市の周縁部の過疎化は留まるところかどんどん加速し、衰退していった姿を見ているのにもかかわらず、西はりま市のような、さらなる広域合併を期待しているような姿勢で今の宍粟市を持続、発展させることができるはずはありません。ここにも将来のことなんか知ったことではない、今がよければそれで良い…という考えが見え隠れします。現役の市長、議会議員は現在のことだけではなく、将来に対する責任を負っています。どちらかといえば将来に対する責任の方が重いと言えます。こう申し上げれば自ずと政治家に求められる資質がわかっていただけるかと思います。

 人口減の時代に政治に求められるのは、まさに地域への誇り、住民の生活を豊かにしようという気概、そして将来に対する責任を取る覚悟です。また、これまでのような物質的な豊かさだけを追求していたのでは、いくら税収があっても追いつきませんから、豊かさ自体の考え方の転換も求められているのです。もちろんそれは主権者である住民の皆さんにも同様のことが言えます。私がこちらに越してきてから6年目になりますが「子や孫にこの町に残れとはよう言わん。」という言葉をよく耳にします。住民の中にも地域への誇り、より良い町を次の世代にバトンタッチしなければならないという気概が薄れていっているように思います。これは人口減少にとってとても大きな要因です。自治会単位でも補助金があるからこれをしようという感覚、地域での必要性云々の前に補助金があるかないかでまちづくりが行なわれている実態があります。行政、議会がそのような考え方で動いていることが地域に反映されていく、まさに政治の作用です。

 何でもかんでも行政に頼る姿勢は、長年の政治作用の中で刷り込まれてしまっているので、そこから脱却することは難しいことかもしれませんし、国や県が面倒見てくれないから、市は発展しないのだという行政、議会の考えは、市の補助金がないから地域は何もできないのだというところにつながっていきます。政治家の端くれとしては、まずは政治家の意識改革が必要なことは重々承知の上でお願いがあります。地元の道路が良くしたとか、地元に公共施設ができたのは私のおかげとか、市の補助金を地元に持ってきたとか、今はもうないとは思いますが就職を斡旋したとか口利き、利益誘導を自慢するような政治家は、皆さんのためにはならないことを理解してもらいたいのです。特に宍粟市の将来にとってはマイナスでしかありません。将来のことなんか知ったことではない、今がよければそれで良いのでしょうか?

 ここは繰り返して申し上げます。政治の役割は、大雑把に言えば世の中を見渡し、出っ張っているところを削って、凹んでいるところを埋める地道な作業です。これは道路や土地の造成の話ではなく、お金の集め方と使い方の話です。切磋琢磨というレベルの自由競争も進めつつ、不均衡をならして、みんなが同じスタートラインに立てるようにしなければなりません。宍粟市の場合、とっても広大で、地域によって気候も違うようなところに、4万人という人がバラバラに住んでいますので、相当な調整力が必要です。しかし、今の宍粟市はというと、出っ張ったところはより出っ張り、凹んだところは、さらに凹んでいくという、政治本来の作用とは全く逆のことをしているよう思えてなりません。国を頂点に、県、市そして最下層に住民をおくような、中央集権意識から脱却できていないところが、他の町に大きく後れを取っている、人口がどんどん減ってしまっている原因のように思います。住民を最下層に位置させ、お上の言うことに従えって云うスタンス、もうそろそろ終わりにしませんか?これから先もそれで良いのですか?主役は一体誰なんでしょう?

 これからどんな町を作っていくか?作っていきたいのか?どんな町を次世代にバトンタッチしていきたいのか?皆さんの声をもっともっとお聞きしたいと思います。ぜひ、その声を届けていただきたいと思います。どうか「言っても無駄…」とか「政治家なんて誰を選んでも一緒…」とか思わないでいただきたい。声を上げることをあきらめないでいただきたいと思います。
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 ということで、次からは第3ラウンド…。現在、市内12カ所で15分程度の “街宣” していますが、国道から枝分かれした先端部の地域については、第1ラウンド、第2ラウンドの内容を含めて、少し長めの “街宣” をしようかと計画中です。

2016年8月26日

9月議会を前に【雑談】

 
 宍粟市は今日(書いているうちに日付が変わってしまいました…)も残暑厳しかった(でしょうか?)私は大阪で開催された “子どもたちにツケをまわさない「公会計」ー公会計の理論!税をコントロールする公会計ー” という研修に参加させていただき、宍粟市を離れておりました。宍粟市から高速バスに乗って、神戸三ノ宮へ、そこからJRで新大阪へと移動しました。都市部と山間部では、暑さの質が違いますね。気温も随分と違うと思います…。
 
ブログの更新がちょっと停滞
 前回の更新が7月31日だったので、8月に入ってやっと更新ができます。5月末から “街宣” を始めたこともあり、ある意味、街宣でエネルギーを発散してしまったので、じっくりとブログに向き合うことがおろそかになっていたのかもしれません。そこは反省…。“街宣” は、これまで18回させていただきました。最初は、場所を見つけること自体が手探りでしたが、市内で12カ所が確保(というか、可能な場所が12カ所見つかったということです…)できました。この活動は、残された議員任期(約8ヶ月間)中は、ゆる〜く続けようと思っています。
 
出典:宍粟市ホームページ
定住促進?
 今回の研修に参加するにあたって(宍粟市民になって初めて)神戸行きの高速バスを利用しました。そして、最近整備されたパークアンドライド駐車場(無料)も利用しました。これまでは神戸、大阪方面に出かける時は車で播磨新宮駅に行き、有料駐車場(400円/日)に車を停めてJR姫新線で姫路へ、そこから神戸、大阪方面に出かけることが多かったので少しは便利になったかなぁと思います。しかし、このパークアンドライド駐車場…「県有地跡地活用整備事業」の一部なのですが、県から土地を買ったり、造成したり、トイレを作ったりでザッと1億2,000万円ほどが既に使われています。全部がこの駐車場整備にかかったわけではありませんが、宍粟市民37,792人で割ると赤ちゃんからお年寄りまで、市民一人当たり約3,200円を負担していることになります。しかし、この事業の受益者はどれほどいるのでしょうか?受益者負担がないということは、一部の人のために全体が負担を強いられることになってしまいます。受益者以外の市民にどのようなメリットがあるのかを明らかにしない限り、この事業への税金投入について合意が得られないはずですが、そこはなかなか見えてきません。この事業は阪神間への通勤、通学、買い物などの利便性が高まることによって定住促進に寄与するとのことです…。

公会計についての研修 
 巨額の税金を投入して整備されたパークアンドライド駐車場を利用して参加した研修でのテーマだったこともあり、税の投入とその効果について少し触れてみました。今回の研修では “子どもにツケを回さない” ということについて、特に考えさせられました。税金を集めることも、使うことも主権者であり、納税者である市民が合意をしている(首長や議員を選挙で選んでいる)ことがその根拠となります。しかーし、選挙権がない18歳未満の子どもたちに「将来これだけ負担してね」ということは根拠が成り立ちません。また、人口減の時代においては全体のツケが変わらなくても、一人当たりの負担がどんどん増えていってしまいます。だから、本当にその人達に税金を集める、使うという権力を与えて良いのですか?ということを会計で明らかにすることが必要なようです。確かにド派手にお金をかけて作った建物や制度は、表面上は善政の結果に見えます。しかし、将来の負担というところが明らかにできれば、本当に善政なのか?それと悪政なのか?が見えてきます。公会計の考え方を使って、そこを明らかにしていく責務(行政のチェック機能)も議員には課せられています。政務活動費という税金を使って参加した研修で得られたことを還元する責務も同様です…。

 9月議会が24日に告示されました。会期は8月31日〜9月30日、一般質問は9月7日、8日、9日の予定です。また、決算委員会(平成27年度分)が9月12日〜16日まで行われます。今回は決算委員会の委員になっていますので、ちょっと忙しい議会になりそうです。実は一般質問の発言通告の提出〆切が26日の正午になっています。これから一般質問に取り掛かります…。