2016年6月18日

一般質問終わりました…【報告】


 宍粟市は、今日も雨です。(下書きしていたら日付が変わってしましました。今日は、良い天気です!)一昨(6/15)、一般質問が終わりました。今回は、1)市内の経済循環について、2)指定管理者制度など民間委託について、3)図書館の充実について 質問をしました。
※「2)指定管理者制度など民間委託について」ですが、指定管理者制度は、民間委託とは、外見は似ていますが別の制度と考えるべきでした。発言修正(議事録訂正)はしませんが、私自身の勉強不足です…。また、「マイクに近づきすぎ!」というご指摘を(毎回)受けています。“街宣” の癖なのかもしれません…。次は絶対に注意します!

地域経済循環図
 今回、取り上げた “市内の経済循環” ですが、まち・ひと・しごと創生本部、経済産業省が、地方自治体を情報面から支援するために、公開している地域経済分析システム “RESAS”(Regional Economy&Society Analyzing Systemの頭文字を取って、“リーサス” と呼ばれています)から取り出した、“地域経済循環図” を使って質問しました。(A3サイズ4枚分に拡大したものを議場に持ち込みました。)この “RESAS” 、インターネット上で公開されていますが、とっても重たいです。既存の統計などを集めて、それを見える化していますし、他自治体との比較もできることから当然と言えば当然ですが…。(ここにアクセスすると、普段は動作しないPCの冷却ファン?が、ガンガン回ります。)本題に入る前に…ここの情報をどう見るか?そこからどんな課題を抽出するか?そしてどんな手立てが考えられるか?について、まだまだ勉強不足であることを告白しておきます。
 宍粟市(2010年)の “地域経済循環率” は、69.2%となっています。「生産(付加価値額)÷分配(所得)」で算出され、地域経済の自立度を示しています。循環率が低いということは、分配(所得)を市外に頼っている、市内の生産(付加価値額)が低いといったことがわかるそうです。

見えてくるもの、そして対策
 宍粟市は、市域面積の約9割が森林なのですが、そこから出た木材(また木質バイオマス燃料)は、原材料として市外に流出していると見ています。いや、保有量から考えるとそもそも山から出てきていないのかもしれません。これまでたくさんの公共施設の建設事業がありましたが、宍粟材の使用は極わずかでした。宍粟材を “市内” でどんどん使うべきです。一般住宅(大手の住宅メーカーなど)ではやはり安い材を使用することが多くなるでしょうから、せめて公共施設については、市内の材の使用を推奨(ある意味で強制)したらどうでしょうか?一定量使用することが入札の条件であったり、日頃から使用していることが入札時の評価に繋がったり…。農産物も市内で生産されたものを市内で使うことが必要です。直接販売することも必要ですが、市内の第二次産業、第三次産業で使ってもらうことが必要ではないでしょうか?まずは第三セクターが指定管理者として入っている道の駅、レストラン、宿泊施設また学校給食などで、多少高くても市内の農産物を使うべきです。第三セクターには財政支援(税金の投入)がされています。市内の生産者を支援していくという役割もあるのではないでしょうか?これで税金が市内の第一次産業の生産(付加価値額)に乗っかってきます。これができていないことを表しているのが、支出の「その他支出」が、482億円流出しているという部分です。この「その他支出」は、政府支出、地域内産業の移輸出入収支からなります。市内で生産された商品が市外(または国外)へ販売されることが移輸出であり、市外(または国外)で生産された商品を市内へ購入してくることが移輸入です。宍粟市の場合、移輸出額−移輸入額が、マイナスになっていますのでここの差を埋めていく必要があります。市外からいらっしゃる人たちに市内産のものを買ってもらう、消費してもらうことで第三次産業の生産(付加価値額)も上がっていくはずです。
 市内の産業構造は、一朝一夕に変化するものではありません。長年かかって作られるものですから当然です。しかし、いろいろな手(政策)を打っていても好転していないところを見ると、それを続けるよりも、違う手(政策)を打たないといけないんですよね、きっと。合併特例債の発行期限も迫っていますし、地方交付税の一本算定(減額)も迫ってきています。人口はどんどん減り、税収もどんどん減ります。もっと研究してみます。そして、地域の経済政策に詳しい方、生産者などのご意見も聞いてみたいです…。

2016年6月13日

6月議会一般質問【お知らせ】

第70回宍粟市議会定例会 一般質問のお知らせです。
13日(月)は、会派代表による質問です。14日(火)、15日(水)は一般質問です。
__________
6月13日(月)9:30〜
 1) 創政会(実友 勉)
「防災対策について」「県営森林幹線道の計画延長について」
「外出支援サービスについて」

 2) 公明市民の会(西本 諭)
「自治体クラウドの導入について」「県立森林大学校の施設整備について」
「ジェネリック医薬品のさらなる推進を」

 3) 真正会(福嶋 斉)
「人口減対策について」

13:00〜
 4) 政策研究グループ『グローカルしそう』(稲田 常実)
「選挙年齢引き下げについて」「定住施策について」

 5) 市民クラブ政友会(小林 健志)
「総合病院と開業医の連絡について」「公共交通について」
「県立森林大学校開校について」「鳥獣捕獲後の残渣処理について」

 6) 日本共産党宍粟市会議員団(岡前 治生)
「宍粟市幼保一元化推進計画の中止を」「学校給食センターの異物混入根絶を」
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6月14日(火)9:30〜
 7) 岸本 義明(無会派)
「地震災害時の緊急対応について」

 8) 高山 政信(創政会)
「空き家対策と活用について」「マイナンバーの取り組みについて」

 9) 大畑 利明(政策研究グループ『グローカルしそう』)
「地域医療の充実と公立病院改革について」

13:00〜
10) 飯田 吉則(政策研究グループ『グローカルしそう』)
「一宮北小学校のプール建設と夏休みの対応について」
「県立森林大学校の受け入れ態勢について」

11) 山下 由美(日本共産党宍粟市会議員団)
「介護保険、総合事業について」「外出支援サービスについて」
「障がい者福祉サービスと介護保険について」
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6月15日(水)9:30〜
12) 藤原 正憲(創政会)
「木造新時代で林業再生を」「第3次行政改革大綱について」
「し尿手数料等の見直しについて」「奨学金制度の拡充等について」

13) 榧橋 美恵子(公明市民の会)
「災害時に命を守る『防災計画』は万全ですか」
「子ども達が献血の『命のリレー』に加わることを期待したい」

14) 鈴木 浩之(政策研究グループ『グローカルしそう』)
「市内の経済循環について」「指定管理制度など民間委託について」
「図書館の充実について」

インターネット、しーたん放送(音声)、しそうチャンネル(ケーブルテレビ)で生中継されます。

2016年6月9日

国民健康保険税の税率改正【報告】

表:国保税率改正案

 宍粟市は、今日も “雨” です。梅雨入りしているので当たり前…。雪が少なかったこともあり、水不足にならないためにも適度に(例年よりは多めに)降ってもらいたいものです。個人的には、暑い夏に川が干からびてしまったら、泳げないので困ります。

6月議会の憂鬱…
 任期最後の6月議会(第70回宍粟市議会定例会)が5月30日に開会しました。今回は、第59号議案『宍粟市教育委員会委員の任命について』から、第74号議案『教育用タブレットPC・大型モニター購入契約の締結について』までの16議案が上程されています。種類で言えば、教育委員会委員や人権擁護委員などのいわゆる人事案件が、7議案。専決処分(本来、議会の議決・決定を経なければならない事柄について、首長が地方自治法の規定に基づいて、議会の議決・決定の前に処理すること)の承認が、1議案。条例の改正が、4議案。平成28年度予算の補正が、2議案。契約案件が、2議案となっています。それぞれ、関係する委員会に審査付託されます。今回、私の所属する民生生活常任委員会に付託された議案の中に『宍粟市国民健康保険税条例の一部改正』という、悩ましい議案があります。

健康保険制度(私の備忘録も兼ねて…)
 日本の健康保険制度は、主に大企業サラリーマンの加入する ① 健康保険組合、中小企業サラリーマンの加入する ② 全国健康保険協会(協会けんぽ)、公務員と私立学校教職員が加入する ③ 共済組合、前期高齢者(65歳〜74歳)の大多数、被用者健保(①〜③)に加入出来ていない被雇用者、自営業者、農林漁業者などが加入する ④ 国民健康保険(国保)、後期高齢者(75歳以上) が加入している ⑤ 後期高齢者医療制度の5つがあります。①〜③は、主に現役世代が加入することから、加入者の所得水準が高く、医療費水準が低くなります。④、⑤は、どうしても相対的に所得水準が低く、医療費水準が高くなってきます。つまり国保や後期高齢者医療制度は、どうしても収入が少なく、医療費などの支出が多くなることから、さすがに加入者だけに負担を強いるには限界があることから、国、 都道府県、市町村の一般会計からの財政支援や被用者健保からの財政支援に大きく依存しながら、制度を維持しています。加入者一人当りの保険料も、最高の年148,400円(北海道猿払村)から最低の同28,600円(沖縄県伊平屋村)まで5.2倍の差があると言われています(出典:JRIレビュー 2015 Vol.3, No.22 『国民健康保険財政「赤字」の分析』西沢和)。もしかしたら、保険料が市町村によって違うことをご存じない方も多いかもしれません…。平成25年度のデータですが、兵庫県内の41市町の一人当たりの税額(保険税額/平均加入者数)は、芦屋市の110,302円〜養父市の68,235円と、1.6倍ほどの差があります。宍粟市は97,493円で高い方から6番目となります。隣接する自治体では、姫路市82,228円(33位)、たつの市88,495円(23位)、佐用町76,121円(39位)、神河町90,607円(17位)となっています。あくまで保険税額を加入者数で割った数なので、実際には、人によって保険税の金額はまちまちです。この比較は(より正確に比較するために考慮すべきものが反映されていないので)目安程度に考えていただきたいと思います。ざっくり言うと保険税額は、その年にかかるであろう医療費を、国と県で半分、残りの半分を加入者で負担することを基本に決まってきます。また、一般会計という自治体のお財布の中で比較的自由に使えるところから、ルール分以外の繰り入れをしている自治体も多く、またその金額もまちまちです。ちなみに宍粟市の加入者一人当たりの医療費は、41市町で39番目となっています…。保険税に影響を与える所得…平均所得は262万円で34位(平成26年度)です。

あるモデルで考えてみる
 なかなか平均値での比較ではイメージがわかないので、あるモデルで今回の税率改正でどのような影響が出るのか?を考えてみたいと思います。宍粟市は、平成28年度に約5,000万円の財源不足が予測されるので、保険税でそれを補うために税率が【表:国保税率改正案】のように改正されます。モデルは、世帯主(45歳)、配偶者(45歳)、子ども3人の5人世帯とします。給与収入が560万円、課税所得は3,603,600円とし、家は借家、固定資産税はかかっていないので資産割はなしにします。表に当てはめるとこれまでは、医療分所得割が3,603,600×5.89%=212,252円、均等割27,300円×5人=136,500円、平等割24,100円で100円未満切り捨てると【医療給付費分 合計372,800円】、後期支援分所得割が3,603,600円×1.61%=58,017円、均等割7,500円×5人=37,500円、平等割6,700円で【後期高齢者支援金分 合計102,200円】、介護分所得割3,603,600×1.41%=50,810円、均等割9,400円×2人(40歳〜64歳)=18,800円、平等割5,700円【介護納付金分 合計75,300円】となり、保険税の合計は550,300円となります。改正後の税率等で同様の計算すると、590,400円となり、40,100円の増加となります。同じ世帯がもし姫路市に住んでいたら…、たつの市に住んでいたらも計算してみました。姫路市の場合、730,100円…。たつの市の場合、599,100円…。国保だけ、他自治体との比較から見ればなんとか頑張れる(頑張らないといけない)レベルなのかも…。国保の滞納額や保険税の収納率、公共料金、市民税などの負担、起債残高、財政力なども考慮に入れれば微妙なところです。起債残高、財政力について言えば、宍粟市は低位にいることは間違いありません。

 6月20日、6月議会の最終日にこの議案の採決となります。どうなるのか?(ちなみに委員会では “賛成多数” で可決すべきものとなっています。)市民(国保加入者)は、この負担増に耐えられるでしょうか?もう一つ、平成27年度は、国保会計に1.5億の財源不足が生じました。ここを一般会計から補填しましたので、人口4万人とすると市民一人当たり約3,800円の負担もすることになります。議会の適切な判断が求められます。

2016年6月8日

議員の仕事【雑談】


 宍粟市も、梅雨入りしました。今年の夏は “猛暑” が予測されています。クーラーのない我が家で、どうやって乗り切ろうか?(きっと近所の川に泳ぎに行っているでしょう…)と考えたり、またゲリラ豪雨みたいのが続くのかなぁ?などいろいろなことを考えております。一ヶ月ほどブログの更新が滞っておりました…。任期が残り1年を切って、議員活動の締めくくりを…といろいろ模索しております。“街宣” も始めました。息切れしないように気をつけながら頑張ろうと思います。

議員の仕事
 この3年間、ど素人なりに “政治” について、いろいろと勉強しました。「1期目は何もできない。」なんて言われていましたが(選挙の翌日、当選証書授与式?で直接、ベテラン議員から「あんたは何もできないよ。」と言われました…。)私は「そんなわけない。誰がそんなこと決めた?」と思っていましたので、勉強せざるをえなかったというのが正直なところです。住民や行政から話を聞く、関連の本や論文を読む、ブログや会報、議会報告会、街宣などで考えを伝える、委員会や一般質問を通じて議論する、委員長として委員会での議論の経過をまとめ、報告する…など、まだまだ不十分(住民にとってはまだまだ不満足)だとは思いますが、 議員の仕事において、相当な “学習” が行われていることを実感しています。議員は市民に「伝える」「説明する」という重要な役割がありますので、今回紹介したラーニングピラミッドで言えば、「他の人に教える」というところまで一気に進みます。(「進みます」と言い切りましたが、実際には議員によってその程度は異なります。はっきり言って、講義を聞くところで終わってしまっている、つまり学習の定着率で言えば5%程度で終わってしまっている方もいるかもしれません…。)まさに “アクティブラーニング” です。(ちなみに文部科学省の説明によれば、アクティブラーニングとは?『教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。』とのことです。)「伝える」「説明する」ためにいろいろと調べ、まとめるから学習が定着するという側面と、「伝える」「説明する」、口に出したり、文章にするから学習が定着するという側面がありますが、いずれにせよ結果、結論だけではなく、議論の過程を含めて「伝える」「説明する」ということが、議員にとって重要な仕事なのだと思います。何期も議員をされている方はそれだけ学習が定着しているわけで、その自負があるからこそ「1期目は何もできない。」と胸を張って言えるのでしょう…。

次の選挙
 この3年間、各方面からいろいろと批判を頂いております。選挙に出ると意思表示してから、現在までいろいろな圧力も感じています。「1期目は何もできない。」から、いろいろ教えてやろうというお気持ちはとてもありがたいものです。そう言った忠告の類には、真摯に耳を傾けようと心がけておりますが、残念ながら(特に先輩議員には)そうは映らないみたいです…。任期も残り1年を切るとそろそろ “次の選挙” の話が出始めるのですね。誰が引退する…だとか、次は〇〇が出るらしい…だとか。4年に一度、明確に参政権を行使する機会であり、一種イベントのような捉われ方でもそれはそれで良いのではないかとも思います。聞く話によると、特定の議員(候補)を排除しようとする動きも出てくるそうです。また “次の選挙” の話が出始めると同時に、議員定数削減の話も出てきます。宍粟市では、議員定数は26→20→18と削減されてきました。なぜか行政改革大綱の中に、議員定数や報酬の見直しという項目があり、また議会の側も、定数削減が議会改革の一環だと主張するということが何を意味しているのか…?市民がそれを求めているのは、人数が多い=無駄がある、報酬が高い=それだけの仕事をしていないという議会に対する批判がその背景にあるのではないでしょうか?まぁ、議員それぞれは、自分はそれに当たらないと考えているはずですから、それでも定数や報酬の見直しの議論をするのは自分以外にそれにあたる議員がいると考えているからです。選挙にかかるお金、議員報酬などは民主主義のコストです。費用対効果を考えれば、民主主義が実現しているかがその効果になります。民主主義=多数決と考えている人もいるでしょうが、多数決は議論を尽くした後の最終手段です。だから知る権利と参政権(選挙権と被選挙権だけではありません)が保障されているわけですし、表現の自由も認められているのです。議員定数や報酬の削減が求められるのは、民主主義が実現していないことと同義です。「地方自治は民主主義の学校」と言われることを考えると、地方議会において定数や報酬の見直しが議論されるのは、民主主義、政治が劣化していることを議員に自覚させるという意味があるのです。それを自覚しながら、あと1年弱頑張ってみます。

 次回は、6月議会で提案されている国民健康保険税率改正(値上げ)について、私の考えを書きたいと思います。委員会での審査は6日に終わりました。委員会では賛成多数で税率改正(値上げ)は可決しています。本会議での採決は20日となります。