2015年1月31日

不可解な教育行政【議論】

 宍粟市は今日も雪が降っています。波賀町では昨夜から5cmくらい積もったでしょうか…。絶好のスキー&スノボ日和です。市内のスキー場が賑わい、道の駅や温泉施設等も賑わってくれるといいですね。

教育委員会とは?
 先日、 “宍粟市は何がしたいのか?” というタイトルで行政改革大綱また行政改革懇談会についてブログを書かせていただきました。行政改革懇談会があった23日には、教育委員会が波賀市民局で16:00〜開催されましたので傍聴させていただきました。(なぜ、今回に限って波賀市民局だったのかについては良く分かりません…。)
 ちなみに宍粟市のホームページに教育委員会については、次のように紹介されています。(図はWikipediaより引用)『教育委員会は、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に基づき設置される機関で、首長から独立した行政機関として、教育行政の基本方針や重要施策等について審議し、意思を決定する合議制の執行機関です。』とか…
 『教育委員会は5人の委員で構成され、委員は市長が市議会の合意を得て任命します。教育委員長は、教育委員会を代表し、会議の議事運営等を行います。教育長は、委員の中から選任し、教育委員会が任命します。教育長は、教育委員会の指揮監督のもとに、教育委員会の権限に関するすべてのことをつかさどり、事務局の事務を統括し、所属の職員を指揮監督します。』だそうです。これがそのようになっていない…問題を抱えている…ということでこれまでもいろいろと議論がなされてきており、大津市で起こってしまったいじめによる子どもの自殺という事案では、自殺に至るまで、また起こってしまってからの教育委員会の対応が “教育委員会問題” の議論を再燃させ、結局は法律が改正されることになりました。“教育委員会” という言葉には二つ、いや三つの意味があります。① 5人の教育委員で構成される組織の名称、② 5人の教育委員と事務局の会議の名称、③ 事務局を教育委員会と呼ぶ場合もある…紛らわしいので、①を “いわゆる教育委員会” 、②を教育委員会の会議、③を 教委事務局 として、この記事を書きます。
 
議会とおなじ?形骸化…
 教育委員会の会議を傍聴して、いくつか問題点(だと “私” が感じた部分…)を思いつくままに指摘します。そもそも“いわゆる教育委員会”って、首長から独立した機関?教育行政の基本方針や重要施策等について審議?意思を決定する合議制の執行機関?そんな様子はこれっぽっちも見受けられませんでした。議会からの指摘(住民の意思という側面があります。)は、教委事務局を通じて、教育委員会の会議の場で “いわゆる教育委員会” に伝えられていると思っていましたが全く伝わっていません。また、 “いわゆる教育委員会” と教委事務局の役割は逆転しています。“いわゆる教育委員会”→教育長→教委事務局という統治は機能していません。教委事務局が基本方針や重要施策を作っており、 “いわゆる教育委員会” は報告を受けているに過ぎません。驚いたことに教委事務局が「平成27年度の教育行政の方針は〜です。」と報告していました…。そこは “いわゆる教育委員会” の役割でしょ?そしてそれを公表する「宍粟の教育」という冊子の作り方等についての議論はなされましたが、中身(方針)自体に関する議論はなされていないようでした。
 また、今学年の1学期に実施された『学力・学習状況調査』の分析について…全国の平均点も、兵庫県の平均点も下回っている学年があると言う事実に基づいて、分析も“いわゆる教育委員会” がしているわけではなく、教委事務局がしています。「今年はこんなふうに分析してみました。」って教委事務局が言っていましたし…。これもデータが集まった段階で、集計の仕方、分析の仕方、相関のとり方…などの指示をするのは “いわゆる教育委員会” の役割ではないのですか?そして結果を考察し、対応策を打ち出すのが教育委員の専門性って言うものではないのでしょうか?教委事務局が分析や相関について「こうやってみた、こんな相関をとってみた」という報告をするだけ。(こんなスタンスで教育に関わっていること自体が信じられませんが…)それで “学力” に対する宍粟市の教育課題が見えますかね?これで次年度の方針を立てられるのが不思議でなりません。
 もう一つ『学力・学習状況調査』の結果の公表について…調査は4月に行なわれたようです。そして2学期のスタートと同時に個表(成績等)が各家庭には届いたようですが、市としては、検証も行い12月くらいに公表する…教育委員会の会議録にも書いてありますし、議会にもそのように報告されていました。(これでも遅いと思いましたが…)しかし、いつの間にか2月の広報で発表することになっていました。これって個票が届いているから、個人でまたは家庭でそれぞれ考えてくださいと言っているようなものです。個票到着と同時に速報値でも公表していたら、2学期、3学期の取組みもかわるでしょうし、対応もできそうですが、2月に公表されても『学力・学習状況調査』したのは何だったのか?ってことになります。一体、何がしたいのでしょうか?そもそもどうしたいという考えがないのでしょうか?
 
宍粟市教育委員会の会議録はこちらからご覧頂けます。→【教育委員会会議録】
※第6回の会議録、6ページ目…波賀中学校区における3歳児教育について…教委事務局が議会や地域に対して説明なり、報告なりしていることと “いわゆる教育委員会” に説明なり、報告なりしていることが違いますね。こんな状況でも “いわゆる教育委員会” が必要なのでしょうか?まぁ、教育行政の責任者を明確化するため、教育長と教育委員長を一本化した新「教育長」を置くほか、首長が教育方針を教委と話し合う「総合教育会議」を地方自治体に設けるなどの “首長権限を強化する” 改正地方教育行政法が4月から施行されます。宍粟市の場合、特に変化はないと思いますが…。これまで違法だったことが合法になるような法改正ですし…。

2015年1月29日

議会はお飾り【議論】


※2015年1月28日付けの神戸新聞様の記事をアップしておりましたが、著作物の二次利用にあたると判断し、記事を削除させていただきました。関係各位にご迷惑をおかけしましたことお詫び申し上げます。

宍粟市のニュース…1月28日の神戸新聞にこんな記事が掲載されていました。『千種に温水プール!来春完成めざす…。』

新聞発表
 記事を見ると…やっぱり議会なんて単なるお飾りなのだと痛感します。これだけ行政主導で自由にやれるならば首長だけがいれば良いのです。でも法律上は議会が “議決” しなければなりませんからとりあえず議会を置いているだけですし、何も考えず何でもかんでも賛成してくれる会派(議員)にだけ根回ししておけばことは進みます。議員になってこれまで感じていた嫌な予感は的中しました。まぁ薄々は感じていたのですが、これで “とどめ” を刺されたと言う感じです。残る任期2年間は、本来の地方自治、地方議会にどこまで近づけるかが私に課された使命だと認識しています。「そんなことは大きなお世話…これまで不都合を感じたことがないので…よそ者は黙っていろ…どうせ何もできないよ…」って声が聞こえてきますね。(でも黙ってはいませんよ。)

議員の仕事
 議員の仕事が行政の案に形式的に判をついているだけだとしたら、そのどこに魅力があるのでしょう?批判するな、前向きな提案をしろって偉そうなこと言っておきながら、何でもかんでも面倒くさがってボーッとしている人たちに何ができるのでしょうか?若い人たちにも政治に関わって欲しい、選挙に出てきて欲しい、市民に参画して欲しい、市民との協働で市政を進めよう…なんて言っておきながら、そんな “まち” にする努力はこれっぽっちもしていないと思います。行政改革で議員定数削減、投票時間の繰り上げ、投票所削減…行政が都合の良い改革はドンドン進んで行っています。それに議会が何も言わないのは利害が一致しているからですよね。議員の人数が減ればそれだけ自分たちの報酬を上げる口実ができる、勝手に与党議員を名乗っている人たちが議会を占める割合が増える、投票率が下がれば組織票がより生きてくる…つまり利害が一致しているのです。
 
思いつき?

千種のプールが改修されることは、当初予算に解体撤去や設計の費用が上がってきていたので承知していましたが、老朽化による建替えとの認識でした。また後期基本計画の4章7節の3.「地域環境を生かしたスポーツの推進」には、“温水プール”のことなど、一言も書いてありません。温水プールにするという計画は9月議会のある議員の一般質問に対する市長答弁で初めて耳にします。その後、社会教育課から委員会に計画(温水プールという結果に導くための計画)が示されたのが11月21日、そして1月15日の委員会でプロポーザル方式により設計を募集する口頭説明がありその日に募集開始、今回の新聞報道…。

 また4億〜4億5,000万円の建築費の “財源” について…11月21日の委員会で建設費はB&G財団助成金と森林・林業再生基盤づくり交付金でほとんどまかなえる…との説明でした。しかし、新聞報道では “過疎債4億” 、B&G財団の助成金3,000万…。議会なんて必要ありませんね。推進派は「急いで作らないと千種小学校の水泳ができなくなる」って主張するでしょう。子どもや教育を盾にする手法もうんざりです。本当に1年間使える温水プールが必要ですか?今年の夏、小学校の水泳はどうするのでしょうか?美作市や波賀町から峠を越えてたくさんの人が来ると思いますか?本当に年間1,500万円以上の医療費削減ができると思いますか?この計画は、議論が始まったばかりで、熟議の結果ではありません。…となるとそもそも議会が必要ですか?

宍粟市は何がしたいのか?【議論】

 
宍粟市はここ2〜3日は暖かい日が続きました。また寒くなるとは思いますが…。先週1月23日に “行政改革懇談会” を傍聴させていただきました。いくつか問題点(だと “私” が感じた部分…)を思いつくままに指摘しようとする今回のブログです。

懇談会とは?
 宍粟市は、現在 “第二次行政改革大綱” という重要な計画が進行中です。傍聴したのは次の第三次行政改革大綱を作るための行政改革懇談会です。なぜ、審議会とか委員会とか呼ばないのか…、ちょっと疑問だったのでインターネットで調べました。それに関して国が指針を出していました。(これは国の場合ですが、都道府県も市町村も、国に従属してきた歴史がありますので恐らくほとんど変わりません。)そこでは「懇談会は、審議会等とは異なり、個々の個人の意見を聞くのみで行政機関としての意思の決定を行わないものである。」、他にも「設置する」等の恒常的な組織であるとの誤解を招く表現を用いない。懇談会等の定員及び議決方法に関する議事手続を定めない。聴取した意見については、答申、意見書等合議体としての結論と受け取られるような呼称を付さない…。いろいろ難しいことが書かれていましたが、あくまで行政運営の参考にさせていただくのでいろいろ意見を下さいというのが行政側のスタンスです。…ですから、集められた会員の方々はとにかく行政の示す案に対してどんなことでも意見してもらって良いのです。しかし、それを採用するしないはあくまで行政側の判断に委ねらると言うことです。会議の名称って意外と重要なのですね。
 
行政改革大綱
 行政改革大綱についてはいろいろと言いたいことがありますが、懇談会の内容に沿っていくつか…
第二次行政改革大綱で掲げられ、未達成見込みとしている項目の原因分析について
①「適正な幼児教育・保育環境の整備」ー未達成見込みの理由:幼保一元化について、地域や保護者との協議がまとまらず計画通りに進行していない。(懇談会資料より)
 これは原因ではありません。なぜ、協議がまとまらないのかが “原因” だと思いますがいかがですか?また、行政改革 ≒ 歳出削減であるため、この項目は次の行政改革大綱には引き継がないらしいです。ちょっと待ってください…幼保一元化したほうが、財政負担が少ない(歳出が削減できる)と言うのがこれまでの見解でしたし、これまでの議会も財政面を理由に幼保一元化計画を容認したようです。さっさと幼保一元化しなければ費用がかさむっておっしゃっている議員さんもいます。同じ行政改革で掲げられていた給食センター統合の時、予定より遅れたことを一般質問で取り上げ、「さっさと統合しておけば相当な費用が削減できた。誰が責任をとるのだ!」とおっしゃっていた方もいらっしゃいましたし…。

②「参画協働の展開」ー未達成見込みの理由:附属機関等の公募委員の比率が目標値を大きく下回る見込み(目標20%、現在1.5%)。公募についてのチェック体制が十分できていなかったことや、公募をかけても応募が少ないことが原因であるが、第三次に向けては、目標値の見直し(公募する機関としない機関の整理)が必要と考える。(懇談会資料より)
行政改革大綱が全職員に周知できていなかったことを言っています。つまり、各部署が附属機関の委員構成を考えるとき「20%は公募委員にする」ということをしてこなかったと言うことです。また、公募をかけても応募が少ないことが原因?だからこれは現象であって原因ではないのでは?なぜ応募が少ないのかが原因ではないのでしょうか?
それと、目標を見直す?って発言がありましたが、原因分析ができていないのでこんなへんてこな対応策になるのでは?どうしたら20%を達成できるかが対応策でしょ?これ「参画協働の展開」って項目の目標値ですよ。目標値をいじって達成しましたって言うおつもりですか?(これまで参画協働が進んでいなかったのですから20%でも少なすぎます。無作為抽出で100%公募って附属機関を設置している自治体が増えています。)

最後に…行政改革 ≒ 歳出削減って言いますが、(全職員に徹底されていないような)行政改革大綱が計画どおりに進んだとしてもその歳出削減効果はこれからの税収減、地方交付税減、社会保障費増に対応できません。財政調整基金(貯金)を取り崩さないようにするためにも行政改革って言いますが、そもそも無駄な事業がないのか?事業仕分けをする必要があると思います。それも市民参画による事業仕分けが必要だと思います。次の懇談会は、2月19日(木)13:30〜市役所3階で開催予定です。(平日の昼間の会議…参画協働が進むわけがありません。)

2015年1月24日

会派・市民懇談会【速報】

 宍粟市は(この言葉で始めるのは、“宍粟市” という検索ワードに引っかかるためです。)、本日24日とてもよい天気でした。天気も良かったし、皆さんお忙しかったですよね。本日、会派として初めての取組み “市民懇談会” を市内2会場でさせていただきました。

センターちくさ
 14:00〜16:00まで開催しました。参加頂いたのは8名でした。会場でアンケートをとらせていただきましたが、“市民懇談会” にとても満足したを5点、どちらかと言うと満足したを4点、どちらとも言えないを3点、どちらかと言うと不満だったを2点、とても不満だったを1点として、平均4点という結果でした。① 私たちの提案で動いたこと ② 宍粟市のお金の使い方 ③ 今、求められる地方議会のあり方・宍粟市議会の現状…をテーマにこちらから報告、そして④意見交換&質疑応答をしました。最後に⑤ 私たちがめざす “まち” の姿について、各人が政策の方向性、決意を述べる形でまとめました。
 意見交換&質疑応答では、認定こども園建設に関わるお金の使い方から、市政に対する住民の意見反映、職員&議員の姿勢と給与・報酬の問題、土地利用に関わる問題など多岐にわたる意見が出ました。

市民センター波賀
 19:00〜21:00まで開催しました。参加頂いたのは4名でした。センターちくさと同じアンケートで満足度平均4点でした。意見交換&質疑応答では、「グローカルしそう」と言う会派名の意味から始まり、市税等の滞納問題、公共交通網、子育て支援、過疎少子化、農林業振興、地域経済のあり方などこちらも多岐にわたる意見が出ました。

総評
 意見を聞くと言う意味でアンケートの中に「市議会の情報は十分伝わっていると思いますか?」という質問も設定しました。十分伝わっているを5点、どちらかと言うと伝わっているを4点、どちらとも言えないを3点、どちらかと言うと伝わっていないを2点、全く伝わっていないを1点で、2会場合計で24点(平均2点)という結果でした。ここは、特に責任を感じました。こんな状況では住民の方々に意見を言って欲しいとか、聞かせて欲しいといっても無理なリクエストです。住民の知らないところで住民にとって重要なことが決まっているというとっても不健全な状態です。これは議会の一部である私たち4名の責任でもあります。
 「議会だより」をご覧いただいていますか?」という設問では、毎回見ているを3点、時々見ているを2点、ほとんど見ていないを1点で換算すると、合計30点(平均2.5点)…会派の4名が議会広報委員である私たちとしては少し安心しましたが、でも一方で議会の情報は伝わっていないという事実…。違う方法で議会の情報を提供していかなければならないと感じます。その一つが、今回の “市民懇談会” でもありますが…。
 まだ2会場残っていますので、会派で総括したわけではありません。私個人の意見になってしまうかもしれませんが、住民にとって政治がとってもとっても遠い存在であることを痛感しました。これは長い歴史をへて風土というレベルで地域の隅々に浸透しています。だからといって諦めたわけではありません。逆にやる気がわいてきました。皆さんから頂いたご意見は、議員として “政策” という形に変え必ず提案にしていきます。

 あと2会場…1月31日(土)は19:00〜JAハリマ一宮で、2月8日(日)は14:00〜宍粟防災センターで宍粟市議会会派「グローカルしそう」による “市民懇談会” を開催します!

2015年1月21日

議員なんてつまらない?【報告】

 
宍粟市では、子ども子育て支援事業計画、第二次総合計画、老人福祉計画、介護保険事業計画、障がい福祉計画…いろいろ重要な “計画” が作られている最中です。現在、そのうち3件についてパブリックコメント募集中です。ちなみに投票所の見直し案についてもパブリックコメント募集中です。(現在の54か所を31か所にする計画です。低投票率が問題になっているこのご時世で4割以上削減するって…。)一度、市のホームページを見ていただきたいと思います。

仕事としての議員
 今日もまた “議員なんてつまらん仕事だなぁ…” と感じる出来事がありました。やはり、議員というのは単なる名誉職なのですね。身近な支援者、支援団体の利益のみを追求していると思っていましたが、それすらしなくても良いようです。議員が市民の多様な価値観を体現する存在であるならば身近な支援者、支援団体の利益を追求することはある一定程度必要だと思います。複数いることはそういう意味です。議員が市民の多様な価値観を体現する存在であるならば、市の提案することに対して常に “賛成” なんてできるはずがありません。議員の中に市民の多様な価値観、意見を市政に反映しようなんて考えている人はほとんどいません。自分の存在意義とか、社会的使命とか根源的なものを追究する仕事の仕方、生き方の延長に “議員” があるわけではないのですね。
 確かに先生と呼ばれる(私は呼ばれたこともないし、なぜそう呼ばれるのか意味がわかりませんが…)仕事で資格を必要としないのは “議員” だけかもしれません。また、立法、行政、司法という三権の中でも立法に関わる議員だけが資格を必要としません。行政は公務員試験等があり、司法は司法試験があります。このことからも私は、議員になったならば、相当厳しい自己コントロール、自己研鑽を求められるのは必然だと思っています。
 とか言っている私が厳しく自己コントロールしているのか?自己研鑽に努めているのか?これは4年ごとに有権者に評価していただくしかありません。( その前に“私は議員に値しない”と自己判断した時は別ですが…。)任期中は自分に対してプレッシャーをかけ続けることしかできません。

地方議会の劣化
 今、日本の各地で地方議会の劣化が激しいらしい…。何を今更ですね。昨年の地方議員と呼ばれている人たちのいろいろな問題…もうお気づきだと思います。監視機能すら果たせぬ地方議会に政策提言まで期待するのは非現実的…。政策提言できる議員が地方議会にいるはずない…。選挙で当選するよりも役割をきちんと果たせる議員になることのほうが数倍も難しい、けれど何もしていない…。政策提言なんか難しいこと求めるから選挙に出る人が少ない(今度の統一地方選挙では無投票、定員割れって地域が結構出るのではないでしょうか?)…。こんな社会的評価しかされない議会、議員なんて “つまらい” と思ってしまいます。ダメでしょうか?
 しかし、当たり前のことを当たり前に行なっている議会もあります。当たり前が当たり前でなくなっているので注目されるというのも皮肉なものです。(情報源はダイヤモンド社の情報サイトです。)
 「議会は追認機関から脱却し、是々非々で臨まなければいけません。そして、議会として政策提言を行い、執行部と議会で善政競争する2元代表制の内実化、実体化を目指すべきだ」(かつて住んでいた長野市の隣町、飯綱町議会の議長の言葉です。人口12,000人弱、議員定数15)ということで、議員間で研鑽と協議を重ね、議会として政策提言をまとめ上げ、さらには条例化まで実現させている “議会” があるそうです。繰り返しになりますがこれは “本来の姿” であって、特別な存在ではないはずです。

宍粟市議会はどうか?
 市の最上位計画である総合計画…平成28年度から第二次総合計画がスタートするのですが、議員がその計画策定に関わることは実質的にできないことになりました。議案として上がってきた段階で審議するだけです。市民の多様な価値観を体現する存在であるはずの議会がですよ。宍粟市議会は、1月20日の議員協議会において、総合計画特別委員会の設置について、賛成4、反対14で “設置しない” ことになりましたので報告しておきます。総合計画を作るのは市長だけのお仕事らしいです。議決案件なのに…。(現在の地方自治法では特に議会の議決を必要とするかどうかは各自治体の判断になっています。宍粟市は、わざわざ自治基本条例で議決案件としています。)「そんなに総合計画作りたいなら市長になればいいだろ」だって…。「あと一ヶ月で作れるわけないだろう」だって…?(議案としてあがってくるのは平成27年9月の予定ですが…。どこからあと一ヶ月って話になるのでしょう。)今まで反対するなら対案を提示しろって言っていたのは誰でしたか?対案を持たなくても良いってことはもう賛成するって決めているってことですよね?対案がなければ修正もできませんよ。言い出しっぺの私だって総合計画が作れるかどうかなんて分かりませんよ。政策提言できる議会になるためにはどこかの時点で調査、研究、協議をとことんして、政策なり、条例なり、計画なりを作るしんどい思い(実はこのプロセスが議員という仕事の醍醐味だと思うので、しんどいとは別次元ですね。)をしなければならないのではないですか?やる前から無理だって認めてどうするのですか?って私は思います。
 実は総合計画特別委員会を設置しましょうと言いながら「きっと無理だろうなぁ…」と思っていたことは認めます。(議会改革特別委員会解散の時の悪夢がよみがえりました。)この“どうせ無理”って思った時点で実は負けだったのです。どうしたら実現するかを考えることを放棄したことになりますから…。そう考えると私も “同じ穴のムジナ…”ですね。議会の劣化は “まち” の衰退と直結しますのでご注意下さい。

 今週末24日から会派の“市民懇談会”が開催されます。今からその準備に取り掛かります。私たちを支援する、しないに関わらずたくさんの方に来ていただきたいと思います。

2015年1月15日

本当に必要なのか?【議論】

http://kansenyobou.netより
宍粟市、朝から雨でした…。インフルエンザでとうとう中学校で学級閉鎖…。雨が降れば少しはましになるのでしょうか?ウィルスは湿気に弱いらしいですよ。また、空気が乾燥すると火事にも注意が必要です。皆さん、ご注意下さい。

会議
 今年に入っていろいろな “会議” がありました。9日には、①民生生活・総務文教常任委員会の連合審査、これは現在、パブリックコメントにかかっている『子ども・子育て支援事業計画』に対する議会としての意見書についての協議でした。今日は、②総務文教常任委員会で審議をしてから、第二次宍粟市総合計画審議会の傍聴をさせていただきました。会議に参加するにせよ、傍聴するにせよ…感じることの本質はいつも同じです。それは自分を含め、“議論” をすることに慣れていないなぁということです。しかし、私は運良く仕事の中で徹底的に鍛えられた経験がありますので少しはアドバンテージがあるという自負もあります…。(議論に慣れていないなんて言ったら恩師に怒られます。)
 ①の会議は今回が2回目で、1回目は1ヶ月ほど前に『子ども・子育て支援事業計画』案に対して執行部を交えて審査を行ないました。そこでは執行部から説明を受けて、ここはどういうことなのか質問する…つまり計画の内容を理解することを行いました。(理解できるか出来ないかは別問題ですが…)そして、2回目の今回は、計画の何が問題なのか?どうすべきなのか?を議論した結果を “意見書” という目に見える形にする会議だと考えていましたが、実際は議論はほとんどなされず、意見書をどんな文章にするか?意見書の案を添削をするような感じでした。この意見書案(たたき台)は、1回目の会議でたくさんの質問をした議員が書きました。(私も少しだけ関わりました。)実際には座長の役割だと思われるので、私たちとしては書かされたと言った方が良いかと思います。実際に話された内容、論点を整理して、議事録的にまとめれば良いだけの簡単な作業だと思いますが、そうでもないようです…。たたき台がないと会議が出来ないこと自体も “言論の府” と言われる議会としてはどうなのだろうと思いました。言論の府という言葉には、“議員間における自由かつ充実した討議” が行なわれる場という意味を含んでいると思います。議員がたくさんいるということは、様々な価値を体現しているという前提ですので、それらを議会の場で出しあい、大いに議論して、提案することが期待されているはずです。やっぱり議論に慣れていないのです。いや、そもそも議員が様々な価値を体現しているかどうかも疑問ですから、議論の場に出すもの(意見)がないのかもしれません。
 ②の会議は、毎月1回程度行なわれる定例の常任委員会です。議会の会期中に行なわれる委員会では、付託された議案を審議し、賛成か反対かの採決まで行ないますが、閉会中の委員会ではいろいろなことについて執行部から説明を受けて、ここはどういうことなのか質問する…ということが基本の流れです。何かが決まるということはないのですが、何が話されたかもボヤーッとしていて、執行部としては「議会には報告しました、聞いてないとは言わせませんよ〜」くらいの感覚でしょう。議員に指摘されて物事が進むことはありますが、執行部(市長)と価値が対立する部分はほぼ100%(この表現が国語、日本語的に正しいかどうかちょっと引っかかりますが…)動きません。議案になってもほぼ100%否決されることはありません。

本当に必要なのか?
 ということで、今回の常任委員会で口頭でサラーッと報告があったのですが…宍粟市の千種町にB&Gプール(屋根付きの温水じゃないプール)というのがありました。老朽化、隣に認定こども園が出来るなどの理由で取り壊されました。しかし、隣接する小学校のプールを兼ねておりプール自体をなくすわけにはいきませんので、建設費4億5,000万円(上限)の温水プールに改築されるらしいです。設計管理2,100万円(上限)で、1月15日付けで設計管理業務の募集が始まりました。そもそも温水プールが必要なのか?の議論はすっ飛ばして…。委員会に対してプールの改築構想(案)の提示があったのは、11月12日…事前評価はほとんどなされていません。建設費はブルーシーアンドグリーンランド財団の助成金と森林・林業再生基盤づくり交付金、1年間に391万4,000円の売上に対して、2,288万円のコストがかかる(毎年2,000万円弱の赤字を出し続ける…)立派な温水プールですと説明がありました。健康づくりにも活用されるので医療費の削減効果を見込んでいます。65歳以上の高齢者が1年間で153人利用し、一人当たり10万円の医療費の削減効果、1,530万円…この根拠は熊本県菊池市のデータですが、宍粟市の場合は、希望的観測の域を脱していないと思います。しかしこの計画、止めることは難しいと思います…。暴走です。こんな場合、議会はブレーキにならないといけないのですが…。皆さんはどう思われますか?

2015年1月14日

祝成人【雑談】

 寒い日が続きます…。新年が明けてもう半月ほど経ちましたが、いかがお過ごしでしょうか?インフルエンザが流行し始めているようです。ご注意下さい。

成人式
 宍粟市でも先日11日に “成人式” が行なわれました。TVのニュースでも各地の “成人式” が取り上げられていました。新成人の皆さんおめでとうございます!
 ちょっと総務省のホームページを見ていたら、成人のことについて書かれていましたので少し引用します。この1年間で新たに成人に達した人口(平成27年1月1日現在の20歳の人口)は126万人で、前年と比べると5万人も多くなっているそうです。21年ぶりの増加…。男女別にみると、男性は65万人、女性は61万人…。新成人人口について、この推計を開始した昭和43年からの推移をみると、第1次ベビーブーム(昭和22年~昭和24年)世代の昭和24年生まれの人が成人に達した45年が246万人で最も多くなった後、減少に転じ、53年には152万人となりました。その後、昭和50年代後半から再び増加傾向を続け、第2次ベビーブーム(昭和46年~49年)世代の人が成人に達した時に200万人台となった後、平成7年に再び減少に転じて以降は減少傾向を続けていたそうです。今後の新成人人口は、減少傾向で推移し、平成37年には110万人を下回ると見込まれています。
総務省統計局HPより
今回、5万人も増えた要因は?この第2次ベビーブーム(昭和46年~49年)に生まれた人たちが親の世代に達し、その子どもたちが成人を迎えたということもあるようです。私も昭和46年、第2次ベビーブームに生まれた人間です。学校の教室が足りない、新しい学校が出来る、極端な受験戦争、大学時代にバブル崩壊…そんなガチャガチャした時代を経験しています。

阪神淡路大震災
 今回の成人式で思い起こされたのは、20年前に起った阪神淡路大震災です。震災のあった年に生まれた子ども達が成人式を迎えたのです。あれから20年…。震災による死者は6,434人、負傷者は約43,800人…。今年、成人式を迎えられた方、特に兵庫県民は復興とともに大きくなってきたのです。この震災を機に防災、減災、耐震化が活発に議論されるようになりました。またボランティア、市民による社会貢献活動も注目され、その後、いわゆるNPO法(特定非営利活動促進法)ができました。今ではNPO法人や市民団体が各地で活躍していますし、特に人口減少、少子高齢化社会の “まちづくり” の担い手として期待されるまでになりました。しかし、行政機関がしてきた分野(しなければならなかった分野)に対しても自主的、自発的に “市民” が関わってくるため(私は本来のまちづくりの形に回帰していることだと思っていますが…)市民の参画、市民との協働という大義のもと、行政機関の経費削減のために利用されている風潮がないわけでもありません。行政機関は平気で「昨年よりボランティアが確保できたので、人件費削減が出来ました。」と口にします。それも成果として…目的はそこですか?逆に行政機関がしてきた分野(しなければならなかった分野)を肩代わりしているという意識が強いNPOも少なくありません。20年ではまだまた歴史が浅いでしょうか?

人口減少
 第1次ベビーブームに生まれた世代は、“団塊の世代”とも言われます。そして、第2次ベビーブームに生まれた世代は “団塊ジュニア” とも言われます。福祉の分野では、2025年問題という言葉があります。2025年は、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる年です。2025年以降は、国民の4人に1人が75歳以上という超高齢社会が到来し、これまで国を支えてきた世代が給付を受ける側に回るため、医療、介護、福祉サービスへの需要が高まり、社会保障財政のバランスが崩れるとも指摘されています。今年は、その10年前…団塊の世代は65歳を迎えるので、生産年齢人口から外れていきます。国全体で見れば生産年齢人口(15歳〜64歳ですが、15歳〜18歳は生産年齢とも言えない部分があるので実際の生産年齢人口は少なく見積もらなければなりません。)の経済活動、それに伴う納税によって子どもを育て、高齢者を支える必要があるのですが、急に生産年齢人口を増やすことはできませんので、現状と今後の人口推計を認識しながらのこの10年間がその後の日本を決める極めて大切な時期だと思います。都市部に集中している生産年齢人口の人たちを地方に分散させるか?とても難しい問題です。国は、都市部に流れる若者の流れをせき止める様なイメージで “地方創生” を語りますが、私は吸い上げる、逆流させるくらいのイメージを持って “地方創生” に取組まなければならないと思います。生き残りをかける、最後のチャンス(権力者が危機意識を煽って何かを支配しようとするときの常套句です…。)みたいな悲壮感漂うようなガツガツした取組みではなく、みんなが参加できる自主的、自発的な取組みが増えてくれたらそれがスポンジのように今いる人達を包み込んで、じわじわと人が吸い寄せられてくることに繋がると思います。

2015年1月8日

地方創生?【議論】

2015年 
宍粟市は今日も雪が降っています。新年早々1月1日の朝5時頃に宍粟市をはじめ兵庫県の北部地域には大雪警報が発令されました。(3日の早朝に解除)実はその間、実家のある静岡へ里帰りをしておりましたので帰ってきたら庭に雪がどっさり…と言う状況でした。予想に反して今シーズンは早くからたくさんの雪が降っています。雪道の車の運転には十分注意しましょう。
 2015年最初のブログ更新です。遅くなりましたが…明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。昨年も各方面の “これっておかしくない?” と言うことに対して相当な批判をしてきました。また、逆に相当な批判も受けました。何度も言いますが、私自身は “批判” を歓迎しています。批判は自分の足りない部分、偏った部分を指摘されることと同じ意味を持つ大切なアドバイスだと考えています。今年もドンドン批判してください。これもまた何度もお願いしていますが…明確な根拠とセットで、しかもオープンな場(このブログもオープンな場と考えていただいて構いません。)でお願いできればと思います。個人的な利益誘導、口利き、密約…私にとっては低次元と思える状況で物事が進行していることに嫌気がさしています。これからも “これっておかしくない?” と思うことはオープンにしていき、それに対する皆さんの意見を聞かせていただきたいと思います。

地方創生
 年末に衆議院議員選挙がありました。第3次安倍内閣がスタートしたわけですが、自治体議員としては “地方創生” 絡みの政策がとても気になります。「国がやっと重い腰を上げ、これで地方創生が本格的に動き始める!」と喜んでいらっしゃる自治体議員が多い様に感じますが、これまで自力でまちづくりをしてきた地域の議員の方々ならば当然の反応です。しかし、常に周辺自治体や類似団体の様子を見ながら(出来ないことの理由を探し…)、国や県に頼ってばかりのまちづくりを黙認してきた自治体の議員は喜んでいる場合ではありません。人口、面積、公共施設の数など物理的基準で国や都道府県から市町村に配分されているような予算も別の基準…アイデア、独創性、実現可能性、やる気…などなど目に見えにくい基準で配分されることが予測されます。まさに “地方創生” に寄与するかどうか?がポイントです。だからこそこれまで自力でまちづくりをしてきた地域、成果を上げている地域が注目され、そこに予算が流れるのは当然のことです。かつての “バブル経済” の中で行なわれた、ふるさと創生一億円事業のような馬鹿げた状況にはさすがにならないでしょう。予算配分に地域間格差が出ても仕方のない状況です。いくら安倍内閣をヨイショしても、国や県に陳情を繰り返しても何の解決にもならないと思います。繰り返しになりますが今、注目されている自治体はこれまでも独創的な政策で社会増など成果を出してきた自治体です。それは(都市部から距離があるという意味で)田舎の小さな自治体に多いということも特徴ではないでしょうか?同じ田舎の小さな自治体である “宍粟市” …相当な覚悟とスピードで “catch-up” しなければなりません。トリクルダウン理論にどっぷり浸かり、国や県から仕送りを期待していただけの “失われた10年” を取り戻すために…。

…なんて、よそ者議員だから無責任に声を大にして言ってしまいます。私は市町村合併に懐疑的な立場をとっています。今注目されている自治体は〜町、〜村であることも多く…地方自治法でも「町村では条例で議会を置かず、これに代えて選挙権者の総会である町村総会を設けることができる」という規定があるように…私の直接民主主義、住民自治を実現することが重要だという想いに変わりはありません。任期の3年目を迎える今年もこの想いに基づき行動していきます。根本的な解決策は “教育” にあるという想いも変わりません。

寒い日が続きます。インフルエンザも流行り出しているようです。皆さん、ご自愛下さい。